アストラル体投射 9

ページ名:アストラル体投射 9

第9章


潜在意識の意志が動くように刺激する諸要因


 私は先に、自発的な離脱についてと、一部のタイプ――神経質なタイプ――がよく行う事について述べた。だがこれは彼らの順応性の気質からのみ起きるのではなく、潜在意識の意志がアストラル体の移動をまず決めるのであり、そうでなければ神経質なタイプすらも、離脱は出来ないだろう。


 アストラル体投射の根本的な法則について思い出そう。「潜在意識の意志がアストラル体(肉体と合一している)を動かす考えを持つようになり、肉体が無能力(金縛り)にあると、潜在意識の意志はアストラル体を肉体から動かす。」


 勿論、我々が完全に意識があり、肉体が動ける時には、潜在意識の意志に合一している2つの体を動かすようにするのは容易である。我々はこれを常に行っている。すべき全ての事は歩くようにと示唆する事で、潜在意識の意志はさらなる命令が来るまで、肉体を歩かせ続けるであろう。そのため、潜在意識の意志は全く神秘的なものではない――我々は日々これを用いている。


 ではどのようにして、我々が寝ている間に、この潜在意識の意志にアストラル体を動かすように示唆するのか? これは重要な質問であり、どのように行うかをここで述べるとしよう。だがまず最初に、少しだけ考えてみよう。潜在意識の意志に非意図的に動くよう刺激する諸要素が見つかるならば、これらの要素を意図的にも働かせて、同じ効果を作り出せないだろうか? 勿論、これはできる!


 フラマリオン氏はかつて「全ての科学問題を探求するための2つの方法がある。1つは観察であり、もう1つは実験である。」と述べている。そしてこれはまさに、本書の著者がアストラル体投射の知識を得た方法なのである。意識がある非意図的な離脱への慎重な観察、分析、実験により、潜在意識の意志を刺激するこれらの諸要素を私は発見している。まず最初に、私はこれらの要素を数え挙げるとしよう。次には、これらを説明し、それからアストラル体投射を作り出すために、どのようにこれらを用いるかを述べよう。


 A. 夢
  1. 空を飛ぶタイプ
  2. 欲望と習慣を刺激する夢
 B. 欲望(必要で無くても何かを保有したり行ったりしたいという衝動)
  1. 激しい欲望
  2. 抑圧された欲望
 C. 体の欲望――必要なもの
  1. 飢え
  2. 渇き
  3. 衰弱(宇宙エネルギーの欠乏)
 D. 習慣
  1. 長く続く習慣
  2. ルーチン
  3. 望ましい習慣
  4. 止めた習慣


 ここで数え上げた要素の一部は、あなたもすぐに知るだろうが、他よりも強いものでは無い。私はすでに最初のグループ「夢」について、これらによりどのように潜在意識の意志は活性化されるか、離脱を作り出すために「夢」をどのように用いるかについてを先の章で述べた。次には、B、C、Dのグループについて述べるとしよう。


 潜在意識の意志が、潜在意識の心の全ての領域を構成しているわけではない。後者はさらに広大であり、いわばそれ自身で働く事ができる。潜在意識の心に私が先に並べた要素の1つが(潜在意識の心の表面に)起き上がったり、留まるだけの充分な強さがあれば、潜在意識の意志に――睡眠中に――何らかの行動の「示唆」をするであろう。これは起きている時に潜在意識の心から体を動かす示唆が来るように、寝ている間にも潜在意識の心からの潜在意識の意志への示唆である。


 どの源あるいは心から来る示唆であっても、潜在意識の「意志」は体を動かす。アストラル体が肉体から離脱するのは前者(寝ている間)であり、後者(起きている間)でない唯一の理由は、単純に前者では肉体の方が「無能力」にあるからである。この示唆について考えると、表層意識による示唆と同様に潜在意識の示唆にも、潜在意識の意志は反応する。


 そのため離脱の主要条件は、これらの「活性化させる」要素の1つを強く潜在意識に印象付けて、寝ている間にもこの印象が留まるようにする事だと言えよう。これは意識の心によって、(「ルーチン」として)繰り返し行動したり、(「欲望」として)示唆したり、一部の場合には行動と示唆の両方を組み合わせる方法によって行える。


 これらの「活性化させる」要素の1つを潜在意識に印象付けたら、寝ている間に非意図的な離脱がしばしば起きている。ここでその説明をしよう。


 おそらく、あなたにも特定の場所へ行く習慣があるだろう。あなたがこの習慣を続けていたら、潜在意識の心にそれを印象付ける。次にこの印象が充分に強くなって、寝ている間にも潜在意識の心の表面に浮かぶようになったら、あなたが繰り返したこの行動を示唆し、潜在意識の意志はその示唆に動かされる。さらに他の好ましい諸要素――肉体が活動不能など――があれば、アストラル体の投射の結果となるだろう。


 ある研究者は常に同じ原因によるアストラル体の「自発的な」離脱があると述べているが、この理由はいわゆるこの「自発的」とは、これらの原因が入り、離脱に好ましい条件が知らずにもたらされたからに過ぎない。


 通常の習慣や欲望は、時には適切な気質の者にアストラル体投射をもたらす事もあるが、一般的には潜在意識にそう強くは印象を与えない。


 激しい欲望や長く続いた習慣は、あなたも知る通りに潜在意識の心により強い印象を与え、そのため離脱にはより肯定的である。事実、長い習慣と激しい欲望は、それ自身が潜在意識の心の源に根付いている。


 抑圧された欲望と止めた習慣も似たように働く。ある習慣が潜在意識の心に深く根付いたら、心はその習慣を表現するのを学ぶ――これがなぜ「習慣」と呼ばれるかの理由である。この習慣を表現する欲望、決意があるように思える。これは習慣を止めるのが難しい理由である。これらは源にある潜在意識の心により表現されているからである。


 次に、あなたが深く根付いた習慣があるとして、突然にそれを止めたら、潜在意識の心での表現のストレスは激しいものとなる。あなたはこの「ストレス」が自らの中にあるのを感じるだろう。そのため寝ている間に、この「ストレス」、習慣を表現したいという欲望、潜在意識の中で蓄積されてきたものは「解き放されて」、潜在意識の意志はこの習慣の動きをするためにアストラル体を動かす。


 抑圧された欲望も似たように働く! あなたにある深く根付いた欲望があるとして、あなたがこの欲望を満たすまでは、意識的な努力でそれを抑え続ける必要がある。あなたは自らの内に保ち続ける。この欲望を――この欲望を――この欲望を。もしも何の障害も無ければ、あなたはこの欲望を満たせただろう。


 そのため、ある欲望を持ち、それを満たすのを自らで抑圧していたら、潜在意識の心の中でこの「ストレス」は増大する。あなたは自らの中で燃え立つ表現の衝動を感じるだろう。いわば自らの中で内戦状態にあると言える。この潜在意識の心の中での表現の「ストレス」が激しくなると、寝ている間に、あなたの意識がもう抑圧できなくなると爆発する。そのため、潜在意識の意志は行動を起こすように刺激される!


 そのため、長く続いた習慣を止めたり、欲望を抑圧したりするのは似たように働き、単なる習慣や欲望よりも強い要素となる。潜在意識の心が潜在意識の意志へ「示唆」するようにする秘密の全ては、潜在意識の心に蓄積される「表現のストレス」である。


 一部のオカルト実験家は、潜在意識の意志が強められると、突然にこれは燃え上がると信じている。これは事実ではない! 潜在意識の意志は常に超強力である! 強められて燃え上がるのは、「表現のストレス」であり――潜在意識の意志そのものではない。潜在意識の「心」と潜在意識の「意志」は2つの別のものであるのを思い出してほしい。あなたは夜には燃え上がるように潜在意識の意志を強めることは出来ないだろう。


 あなたが強められるものは、潜在意識の心の「印象」、「表現のストレス」、潜在意識への単なる「示唆」の働きのみである。あなたは印象――習慣、ルーチン、欲望など――を強く潜在意識の心に確立させる事で、あなたが眠った後もその心に浮かび上がったり留まったりして、示唆したように行う――実際には潜在意識の意志が行うようにする。


 この欲望、止めた習慣、ルーチンは、3つの最も強力な要素で、潜在意識の心に「ストレス」を与え、非意図的な離脱を起こすが、勿論、他の要素も好ましいものもある。ルーチンは日々の定期的な行動――仕事、娯楽などである。


 あなたが無意識に離脱した人を観察できるならば、この霊体は離脱者が昼間のうちに行っていたルーチンに従うのをよく見る事だろう。潜在意識の心にはこの行動が深く根付いているので、霊体はその習慣のコースに従うようになる。そしてこれは病によってベッドで寝ている人が多く離脱する別の理由である。


 誰もが何らかのルーチンに従って生きており、繰り返しを通じてその行動は、潜在意識の心に深く根付いている。あなたが気付く、気付かないに関わらず、「ストレス」は常にそこ(潜在意識の心)にあり、これは我々が持つ事のできる最も強い「ストレス」の1つである。我々全ては、止めたり引退したりしたらイライラしてしまうから「仕事を止められない」人々の話を聞いている事だろう。これはルーチンの「ストレス」がそこにあるからである。


 あなたが日々の活動を続ける限り、この「ストレス」は「取り去られる」ので、あなたが気付く事は無い。だが突然にあなたがこのルーチンを止める事があれば、自らの内側にある衝動を感じるだろう。農民には特にこの潜在意識の心に強く根付いたルーチンの「ストレス」を持っているように思える。彼らが農作業を止めて、町に住もうとしても、再び農場に戻るのにそう長くはかからないだろう。彼らはこの衝動に駆られるのだ。


 さて、ある人が突然に――おそらくは病気などで――このルーチンを止めるように強制されると、その「ストレス」は取り去られないので、潜在意識の心に蓄積されるようになる。それはガスを瓶の中に蓄積していき、栓を止めていたならば、やがては自ら爆発するようにである。この「ストレス」はかくも強くなるので、患者が寝ている間にも潜在意識の心の表面に留まるようになる。そして潜在意識の意志はそのように働き、肉体からアストラル体を離脱させて、このルーチンの活動を行わせるだろう。


 ところで、我々がルーチンに堅固に従うと、その「ストレス」を強め、止めるとまた強めるというのは少し変に思えるかもしれない。だが少し考えるとこれが事実であると、あなたに示せるであろう。ちなみに、これはフランスのこの分野の科学者、シャルル ランセリン博士が発見した一部と同意している。博士はこの「ルーチンに固執する」事で、アストラル体投射を開発していた。


 私はここでランセリン博士が述べた事を要約するとしよう。だが同時に私はランセリン博士の、離脱の成功は潜在意識の意志の持つ力に拠るという主張とは不同意するのを勘如して頂きたい。なぜなら私はそれは、潜在意識の意志に示唆する、潜在意識の心の「表現のストレス」の力によるものであり、潜在意識の意志そのものではなく、こちらを開発すべきであるという意見を保っているからだ。だが我々両者とも「ルーチンに固執する」事が結果をもたらす事については同意する。


 ランセリン博士によれば、「アストラル体投射の成功を確実にするために最初にする事は、意志を活性化させる――事実、爆発させる――事である。エネルギーを充填させ、栓を取ったシャンパンのように爆発させるのだ。そのためには様々な方法がある。その最もシンプルな方法は、眠りに入る前に「私には意志がある。私にはエネルギーがある!」と何度も唱える事である。これは眠りに落ちて記憶が失われるまで続ける必要がある。それにより、翌日の働きは明解、詳細となり、たとえ強いプレッシャーや誘惑があっても、心が逸れる事はなくなると考えられよう。これは潜在意識の意志に並ぶものなき力を与え、よって潜在意識の意志は強められよう」などとある。


 ランセリン博士は、「ルーチンに固執」する事は離脱を促す要素であると――私が見い出したように――発見している。もっとも「ルーチンに固執する」事が離脱の助けとなる「理由」が、私の考えとは違うにせよである。


 ランセリン博士は潜在意識の意志が強められると思い違いをしたと、私は自然と信じている。我々がこの問題を慎重に検討するならば、ルーチンにより強められるのは印象であり、習慣のルーチン化が強められると活性化させ、潜在意識の意志に行動するように示唆する事を見い出すであろう。


 潜在意識の意志を蒸気機関車と、ストレスをその運転手と想像してみよう。そして、機関車を動かすためには、運転手は動くよう「原因」を作らなくてはならず、機関車はそれ自身によっては動かない。私が挙げた諸要素のいずれにせよ、眠っている間に心の表面に浮かび上がってきたら、潜在意識の意志に行動するよう示唆をし、潜在意識の意志はこの行動に従わねばならないであろう。


 この潜在意識の意志が自らで抑えられないほど活性化するというのが正しいとしたら、離脱を望む者は起きている時に窮地となるだろう。その示唆は無価値となろうからだ。これをよく覚えていてほしい。「活性化させるのは潜在意識の意志ではなく示唆である。」そしてこの示唆は、表層意識か潜在意識のいずれかから来るものである。


 もし潜在意識の意志が、まず示唆を受ける前に動くならば、アストラル体離脱者は自らの行動を制御できないのではないか? 事実、意識がある時にも自らの行動を制御できないのではないか? 実際、潜在意識の意志が体を動かすのは、自らが活性化しているからでは無い。


 潜在意識の意志は肉体を動かす時以上に、アストラル体を動かすために活性化させる必要はない。それをなすのは「示唆」であり、活性化させる蓄積されたエネルギーではない。我々が意識がある時に歩くように望む時には、意志の活性化を止めたりはせず、必要な全ての事は自らにそのような動きをするように示唆する事で、それにより潜在意識の意志の下で我々は動くであろう。


 そしてこれこそが、我々が眠っている間に潜在意識の意志がアストラル体を動かそうと望む時にも起きるのである――それは潜在意識の心から受け取った単なる示唆によってである。突然に来るのは「示唆」であって、その理由から我々は示唆を印象づけて、夜寝ている間に湧き上がるようにするために、日々のルーチンに固執するのを用いるのである。


 潜在意識の意志がアストラル体を動かせるようにするために爆発させる必要があるならば、この意志はどのように肉体を動かせようか? アストラル体は、一部の科学者によれば、2オンス(約56グラム)ほどの重量しかないと計測されている。そして肉体が160ポンド(約72キログラム)あるとすると、肉体はアストラル体よりも1280倍重たい事になる。それでいて肉体は単に示唆によって動くのである。同様に、寝ている間に潜在意識の意志がアストラル体を動かすのも、それが夢から流れてくるものであれ、単なる「示唆」である。


 何にせよ強める必要があるとすれば、それは堅固に我々のルーチンを続けて、潜在意識の心に印象付けようとする、表層意識の意志であろう。だが、この表層意識の意志すらも実際には必要ではない。なぜなら、適切な夢によって我々はアストラル体を「離脱」させられるからだ。


 我々が行う全ての事は、潜在意識の心に印象付けて、これらの印象を常に自らで示唆する、あるいは少なくとも、(我々が記憶喪失にでもない限り)これらの印象を思い出せるようにする事である。そして、ある行動や思考を繰り返す事で、自然と潜在意識の心への印象を強めさせて、自然とより容易に「示唆」するようになる。


 我々が自らの表層意識の意志力を用いて、ルーチンに固執する、あるいはこのルーチンを強く好む(望む)ならば、眠っている間に(自らの示唆により)潜在意識の心の表面に浮かび上がったり保つようにさせ、潜在意識の意志はアストラル体を動かすように刺激されるだろう。これが含まれる主な要素である――示唆が行動へと実体化する。この潜在意識の意志が示唆に従うのは、催眠術の被験者が催眠術師の示唆に従うのと似ていなくも無い。


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