薔薇十字団の真の歴史 13-5

ページ名:薔薇十字団の真の歴史 13-5

ジョン ヘイドンのエウテルペー*1との遭遇


 物事の数と性質について学ぶために、ある夕暮れにブルヴァートンの丘を散策していた私は、自らと灯りとの間に、最も美しい神の美を見た。その背丈は高くも低くも無く適切なものであり、彼女は薄い緩やかなシルクの布を纏っていたが、その色は地上的なものではないため、私がこれまで見た事の無い緑色のものであった。また金と銀の装飾用のリボンも見に付けていたが、それらは太陽と野の百合のようであった。彼女の頭には流れるティファニーを身に着け、彼女は片手でそれを掴んでいて、いわば下から持ち上げていた。彼女の目は素早く快活で天上的であったが、この突然の出会いに彼女は戸惑っているかのように、何かを述べたいようであった。彼女のヴェールからは、霧の中から太陽光線が出るように、横から髪の房らが出ていた。それらは胸まで乱れて垂れていて、それから再び彼女の頬へと金の輪によって戻されていた。彼女の後ろ髪は、奇妙な球状に巻かれ、紫や空色のノットにより短い渦巻もあった。彼女が填める指輪は、純粋で完全なエメラルドであった。彼女は金属には何の価値も見い出していなかったからである。そして彼女のペンダントは、燃える色のカーバンクル石であった。簡潔に言うと、彼女の雰囲気全体は、若くて華やかであり、その香りはオリエントのようで、豊かなアラビア半島の香草で満たされていた。


 私は彼女の完全な美を崇め、自己紹介をしようとすると、彼女は自ら近づいてきて、そこでは無論、私は彼女と幾らか対話をするのを期待したが、彼女は非常に真剣で静かに私の顔を見て、その手で私を掴んで、柔らかい声で囁いた。「わが愛を自由にあなたにあげましょう。さらに、これらの2つのトークン――神秘と認印も。片方を開けると、もう片方は閉まります。両者を分別によって用いなさい。薔薇十字の諸神秘として、あなたはこれら全てを追求するための我が蔵書を持っています。今ここには何もありませんが、私は喜んであなたに明かすでしょう。私はあなたに、数、名前、天使、人々の守護神の性質を教えましょう。ですが、一つだけ命令する事があります。あなたはこれらを沈黙しなくてはなりません。あなたは我が許可を超えて、これらを書いてはいけません。私はあなたの恋人であり、娼婦にしないように思いおこしなさい。ですが、私はあなた自身の気質により私に仕えるのを望むので、我が聖所の象徴の類、すなわちR.C.の諸格言、数の諸秘密を授け、出版する完全な特権を与えましょう。そして今、私はエーテルの女神らと共に不可視の世界へと赴かなくてはなりません。視野や心の外へと行くという格言があなたに来ないようにしなさい。私を常に思い起こし、幸せにありなさい」


 私は名前を明かしてくれるようにと頼んだ。それについて彼女はあたかも遥か前から知っていたかのように、心やすく返答した。「我が親愛なる友よ、私には多くの名前がありますが、私が一番好むのはエウテルペーです。あなたのR.C.の諸格言を行いなさい。印、名前、天使、数、人々の守護神を刻む正当な時は、スペルメードとカラードの諸原理の時です。ですが完全な体へと固めたならば、星座の時は過去となります。次に、古の時代に、R.C.は奇妙な占星術のランプ、像、指輪、数と名前が彫られた板を用いて、特定の時間に信じられないほどに驚くべき効果を生みだしていました。普通の占星術師には金属の板を与え、別の嘆く仲間には水晶の石により助け、彼らには奇妙な印を示し、また惑星についても明かしました。それらは錬金術師が知るようなものではなく、彼らが夢にも知らないようなものを。これら全てが行われたものの、全ての者らは目的をもたず、その実践は失敗したものの、彼らは数の格言を充分に理解したと信じているのです。次に、我が愛するJ.H.、あなたが何をなすべきかを知るために、例によってあなたに教えましょう。硬く乾燥した麦の熟れた粒を取り、グラスや他の容器に入れて太陽光線に晒すと、永遠に乾燥するでしょう。ですがあなたがこれを大地に埋めたら、エレメントの硝石の塩の湿気がこれを溶かして、太陽がこの上に働き、新しい芽を生み出すでしょう。これは一般の占星術でも当てはまります。惑星(のエネルギー)を完全に構成された体へと晒し、それによって薔薇十字のガマオエアを働かせたと考え、低位と上位の諸世界を婚姻させるのです。


 種、つまり天の女性の湿気にまで還元する必要があり、それは天の動者の波動を受け取り保ち、解放される時には、即座に自然の男性の火へと晒されます。これはベリルの野です。ですが3つの天の磁気が混ざり合わないと、地上から天への変容は起きないのを覚えていなさい。これらの天が何かについては、あなたは既に知っているでしょう」


 彼女がこのように述べると、その胸から数と名前が彫られた2つの奇跡的なメダルを取り出した。これらは通常の金属ではなく、私が見た事もないもので、このような純粋で栄光ある物質は自然から造られるようには思えなかった。我が判断では、これら2つは魔術のタリズマンの類に思えたが、彼女はこれらを太陽と月のサフィリックと呼んでいた。エウテルペーはこれらの奇跡の品を我が熟読に委ね、しばし沈黙をした。彼女は私を静かな笑みと、少し悲しげな表情を混ぜて見ていた。我々は離れるのを望まなかったからであるが、彼女が去らねばならない時は来た。そして我が思考を読んだように、彼女は去る前に我が目の前に自然のエーテルを示し、自らは眠りに入るようにした。さもなければ、彼女はこれらを私に説明する羽目となったろう。私はこれらを見て、感嘆し、疲れ果てた。これらの見た目は天上的なもので、これらはかくも神秘的に留まっていた。これらが何で出来ているかを私はよく知らなかった。私は彼女がなおも眠っているかを確認するために見た。だが彼女は既にそこには居なかったが、私はそれを驚かなかった。私はこの日の終わりまで彼女が帰ってくるのではと期待したが、彼女は再び現れなかった。やがて彼女が時折休んでいた場所に目を向けると、数と名前に満ちている金片を発見した。これは彼女が残したもので、そこには手紙のような紙で包まれていた。私はそれを取り、今や夜は近づき、宵の明星が西の空に見えていた。彼女の華やかな枕を最後に調べる中、私はこれらの詩を読んだ。


(略)


 これだけ述べれば充分であり、私はこれ以上、我が女主人のエウテルペーについて公にするのを許されていない。そのため寛大なる読者よ、我が忠告を受けたまえ。あなたは神に熱心に祈るのだ。神は全ての聞く耳の持たぬ民が心と耳を開くのを喜ばれるからだ。そしてそのような者に、その祝福を与え、人は神の全能性を悟るであろう。そして自然の崇める黙想とともに、その誉れと栄光、愛、助け、慰めを知り、我らの隣人を強め、知られざる医薬により全ての病を癒すであろう。


 私は自然と薔薇十字の神秘について、さらに多くを与えられるが、私が他者のための医薬を学んでいる間に、我が最愛の姉妹アンナ ヘイドンが亡くなった。そして私は彼女が病にあったのを知らずにいた(彼女は私の家から100マイル離れていたからである)。そのため、我が書をここで終えて、我がページを世界へと渡すとしよう。私はこれ以上は書くまい。あなたは我が書をその名により知るだろうし、コレがカルペパーになすように、我が名での印刷された書により私が苦しめられる事も無い。我が第1の幸いなる独居に私は戻るとしよう。


薔薇十字団の真の歴史 13-6
↑ 薔薇十字団


*1 ギリシア神話の9柱の詩の女神たち、ムーサイの1柱。