薔薇十字団の真の歴史 13-4

ページ名:薔薇十字団の真の歴史 13-4

常に守護天使の仲間を持つ紳士 R.C.の真の物語*1


 神への自己犠牲は至高の供物であり、善人や聖人がこれ以上に捧げられるものはない。それはプランタジネット王家の末裔のある紳士もそうしたようにである。この者はエジプト、イタリア、アラビアと旅をし、啓明されたキリスト教徒の結社らとしばしば接触し、このようにして友誼を得ていった。イングランドでは、安酒場ではワインを飲むよりも、話を聞いて賢いと見做される判断をする方が良い。彼らの話題は天使の性質や威厳であったが、そこである紳士によって話を折られ、「貴殿らは、神の王国からそう離れているわけではない」と言われた。この時に多くの者は沈黙をし、様々な考えが沸き起こった。別の紳士が、この奇妙な紳士に留まるように望んだが断られた。だが感銘を受けたこの奇妙な紳士は、この紳士に白い紙と黄色い粉末を与え、部屋にあった聖書を開いて現れた章を読み、幾らかの詩篇を歌うようにと告げた。それから窓が勝手に開き、この紳士は消え去った。


 残された紳士は、言われたようにしてから粉末を燃やすと、手に持っていた聖書の上に輝く炎が現れた。だが紳士が寝ているうちにこの火は消え去った。それは朝の8時ごろ、双児宮がアセンダントにあり、水星が処女宮にある時期である。紳士はその間に見た様々な夢や幻から、この火の霊は生涯ともにいた守護天使であると考えた。この守護天使によって、様々な危険や悪意を先に警告されたのである。


 ウォーターズ氏と2人の紳士らが彼の家にして、取引所まで付き合って、そこで幾らかの商人らと夕食も付き合うようにと望んだ。この紳士は同意し、共に行った。すると彼らの1人が、この紳士の胸に金色の玉があるのを見つけた。それは激しく輝き、彼ら全ての目を眩しくさせた。これは処女宮にある水星が上昇している間続いた。この霊は紳士が1年の間、自らの人生と行動を導く良き天使を送るように神に激しく祈っていた時に見つけ出したのだ。また紳士は、これは神の意志と喜びによって行うようにとも祈っていた。これは神に叶えられ、ある雲一つない晴れた日に、彼の帽子に1滴の水が落ちてきた。この日は乾燥しておらず、私が思うに、そうでなかったろうが、この暑い時期に奇妙な事であった。


 この紳士は、神に対して自らを守護し、真の宗教へと導くようにと祈り、毎日聖書を2、3時間読んでいた。


 その後、この紳士は寝ている間に、多くの神秘的な夢や幻と共に、神の声を聞いたように思えた。その声はこう言った。「私はあなたの魂を救うであろう。私は以前にもあなたの前に現れた者である」以後、この霊は毎日の朝の3時から4時頃に扉をノックするようになった。紳士が起き上がって扉を開けると、そこには美しい姿、非常に顔立ちの良い子供がいた。この子供は紳士にある書を渡した。紳士はこれを大切に保管したが、多くの者らにも見せ、感嘆させた。この書にはこれまで読んだり聞いた事の無いような神的な事柄に満ちていた。別の時には、この紳士のロウソクが床に落ちて、そこには丸く輝く巨大な実が現れ、騒音を発していた。紳士は取ろうとしたが、これは水銀のようになり、手で掴めずにいた。


 多くの者らと共にいた時に、この紳士のコートは誰かに引っ張られた。だが、そこの誰も見る事が出来ずにいた。時には、紳士の手袋がテーブルの端に置かれていた。それは紳士の元へと戻されたが、彼らは手袋自身が歩いて来たように見えた。


 別の時には、この霊について知らない何人かの商人らと夕食をしていると、騒音が聞こえたが何も見えずに、彼らは当惑した。そして紳士に紙が降ってきたので、それを読み、他の者も読んだ。そこには、神に仕えるなら、恐れるものは無い。この紳士の父(なる神)の敵、この紳士を憎み傷つけようとする者らは全て死ぬからだ。そのような者を呼ぶならば、その者はその日のうちに死ぬだろう、と書かれていた。商人らは恐怖で震えたが、紳士は勇気を持つようにと伝えた。これらは彼らを傷つけるものではなく、安心させるために、これまでの話を聞かせた。


 以後、この霊は常にこの紳士と共にあり、良くないならば右耳を叩き、逆の場合は左耳を叩くなどの、何らかの徴によって予兆を伝えていた。何らかの危険が迫っていたら、先に述べていた。紳士が詩篇を読んで神を称えようとすると、霊的、超自然的な力によって起き上がらせ、強められた。この紳士は神に常に、その意志、その法、その真理を明かすようにと祈っていた。そして週のうちの1日を、聖書を読み黙想するのに取っておき、日々家で詩篇を歌っていたが、通常の会話では、仲間らを愛し、快活な精神にあるならば、充分に幸福であった。この紳士が何らかの空しい事柄や軽々しく語ったり、禁じられた事柄を発見するように提案されたり、啓明された秘密を発見しようとするならば、その耳に警告がされた。毎朝、この紳士は祈りをするように呼ばれた。紳士はこの聖なる仲間と特定の時間によく出会い、全てのその行動の決意をなしていた。


 この紳士は秘密裏に寄付をしており、紳士が寄付をするほどに、より豊かになっていった。この紳士は、知られている過ちをなす事はなく、神の摂理によって、多くの切迫する危険、彼の命を取ろうとする者らに対してすら、よく導かれていった。


 別の時、この紳士が大きな危険にある時、アセンダントが太陽に近づき、土星と合であり、木星は彼のアセンダントと対立していた時に、ベッドへと入り、霊に対して再び起きるまで一人にしないでくれと頼み、自らが偽りの告発を受けたと語ると、その夜の全てを祈りに費やした。翌朝、この紳士は迫害者らの手から奇跡的に逃れた。迫害者らの1人は死に、もう1人は病となったからである。それから紳士に声が聞こえて、「Qui sedit in Latibulo Altissimi(いと高き隠れた場所に座る方)に歌え」と言った。


 他にもこの一団には日々多くの事が起き、百人はそれらを証言をするであろう。だがそれら全てを述べるのは終わりなき労働である。この男は今でも生きていて、良き健康にあり、全ての者らから友として知られ、その幸福を望まれているのである。


薔薇十字団の真の歴史 13-5
↑ 薔薇十字団


*1 原注。この物語も、ヘンリー モアの本の剽窃である。原書の方では物語の主人公は「紳士R.C.」とは述べていない。