薔薇十字団の真の歴史 13-2

ページ名:薔薇十字団の真の歴史 13-2

終幕への寓話


 私はここで読者に薔薇十字団とは何かについて語ろう。Θεοῦ παῖς(神の子)であるモーセが彼らの父祖であり、ある者らは、彼らはエリヤの教団であるといい、別の者らはエゼキエルの弟子らであるといい、別の者らは世界の総帥の士官ら、大王の目や耳であり、万物を見たり聴いたりしていると定義している*1。彼らはモーセのように、セラフ的に啓明されており、エレメントの序列に従い、地が水へと、水が風へと、風が火へと精練されるように、人も英雄(半神)らの1人となり、英雄からダエモン、良き守護神となり、守護神から神性の参与者、体無き魂と不死の天使らの聖なる仲間となり、これらの器、才能、命に従い、プロテウスのように自らをどの形へも変容できるのである。


 ワルフォード氏とT. ウィリアムズ氏、薔薇十字団に選ばれた者らについて論争があるが、彼らが我が目前で行った奇跡は確かなものであり、薔薇十字団員はモザイク理論へと参入しただけではなく、モーセ、エリヤ、エゼキエル、その後の預言者らがなしたように、奇跡を働かせる力も達成したように思える。それらの中の1つは、望む場所へと転移するものである。彼らの1人が私からデヴォンシャーにいる我が友のもとへと向かい、ロンドンの私の元へと同じ日に戻って返答しているが、通常はこれらは4日間はかかるのである。また彼らは私に優れた占星術と地震の予知を教え、町々の疫病を弱め、激しい風や嵐を鎮め、海や川が荒れてても鎮めるのである。また空中を歩き、悪意ある魔女らを苛立たせ、全ての病を癒す。私は彼らの1人に対して、我が顔つきは、我が良き守護神の結社に相応しいかと聞いた。その者は再び会った時には話そうと答え、それは彼が望む時にであった。私の方から彼らの方へは行けないからである。そして再びこの者と出会った時に、あなたは神に祈らねばならないと言われた。良き聖なる者が、自らとその魂を捧げる以上の捧げものは無いからだ*2


 またこの者が言うには、良き守護神は神の慈悲深い目として、世界を飛び回っており、愛とあわれみにより、無害で純粋な者の無垢な行いを見ており、彼らに良き行いをして助けるよう備えている。そしてこの者が去る際に、一見して友人に見える者らに注意せよと言った。その者らは可能な限りに私を傷つけ、国の権力者らを私に対して怒らせ、我が自由を縛ろうとするからだ。そして後にこれは真に私に起きた事である。その他にも多くの事を別れる前に語ったが、それらについてはここでは語れない。


 この薔薇十字の医学あるいは薬学は、アラビア半島で私が幸福に思いがけずに見たものであるが、我々が自然と呼ぶ病の全てや、その他の全ての病に罹っている者らの健康を回復している。これらの者は、人体について博識であり、友愛団のワルフォード、ウィリアムズ、その他の今生きている者らは、先任者らの高貴な神の霊らを持つ者らと匹敵している。もっとも一般に技量の無い者らは、冷静で理性の使用よりも、熱く落ち着かない空想、当惑したメランコリーで超自然的な助けと認めるが。だが私に関しては、これらの薔薇十字団員は、衆に秀でて真に啓明された者らで、この1600年の誰よりも熟達している。また私は彼らの奇跡や超越的な工学の発明に感嘆している。これらは世界の事象の膏薬だからである。そのため、私が彼らを(出エジプト記の)ベザリエルやアホリアブ、荒野の幕屋の優れた技芸家らと比較しても問題にはなるまい。彼らはモーセが述べるように、神の霊に満ちていて、そのため不思議な技の全ての方法を見い出す優れた理解力を持っていたのである。


 これらの薔薇十字団員へのこれ以上の議論で、彼らが存在しないというのは、彼らが存在すると言う他の者らと比べると、啓発するものではない。この起きた事を調べる際には、冷静に中庸に議論されるべきだ。(略)思慮や正当性の狂信的な僭称者が、これらの薔薇十字の医薬を調査する暇や能力があれば、これらの非難をするにせよ崇拝をするにせよ、自らの範囲から不用意に出ていくので、私はその不正義や愚行を許すわけにはいかないのである。これは私が薔薇十字団員だからではなく、彼らの代理として語るのでもなく、何かを得る望みなどでもない。それらが無いのは神が知ろう。私は誰も妬まず、なるようになす。私は(薔薇十字の)医師ではなく、過去もそうで、未来もそうである。私が何であるかは、我が宣言には問題ではない。


 最後に、これらの聖なる良き者らは、最大の甘美、有徳の魂の完成は、真の知恵と神の愛とともに、自らの性質を快く達成させると知らしめるであろう。そして、彼らがなす奇跡は、彼らの内にある価値と知識に気づかせるためであり、それにより見た者らに神は称えられよう。彼ら自身には他の幸福は与えられず、他者を幸福にするために、彼らはこれらの能力を授けられたのである。


 この「寓話」は、「聖なるガイド」の第6の書の序文の類の形をしている。それらはこう名付けられよう。


 明かされた薔薇十字とその場所、
 友愛団の神殿、聖なる家、城、不可視の山脈が
 発見され、世界と対話する。
 哲学者、錬金術師、占星術師、
 地占術師、医師、天文学者らの満足のために。
 ゲントのジョン ヘイドン、φιλόνομος、神の僕、自然の書記が記す。


 (ウェイト注)この出版物は、「友愛団の名声」の歪んだ版の類である。本書では薔薇十字団はイングランドの新生の教会として表されている。そしてキリスト教会の頭をカロルス マグヌス セクンドスとし、「全ての学識者らは、イライアス アシュモール殿が出版した『Aurum Chymicum Britannicum(ブリテン島の黄金の化学)』に注意するよう」と警告している*3。本書にはイングランドの薔薇十字団についての幾らかの情報が含まれているが、熱狂的な信奉者にとっても、ほとんど真剣に取れない内容である。だが、本書の奇妙さから、ここで再掲する価値がある。


薔薇十字団の真の歴史 13-3
↑ 薔薇十字団


*1 原注。これはプラトン主義者のヘンリー モアの「魂の不死」の文書から取ったものである。モアはこれを慈悲深い守護神に用いている。
*2 原注。この文も、ヘンリー モアの同じ文書から剽窃したものである。
*3 原注。この敵意の理由は、アシュモールの「至福の道」の序文に見い出せる。そこでは、ヘイドンの不完全な剽窃を防ぐために、この書を出版したと述べている。だがこの事について、ヘイドンは否定している。