薔薇十字団の真の歴史 結論

ページ名:薔薇十字団の真の歴史 結論

結論


 「ある点がある」大言壮語する疑似薔薇十字団員は、印象的、悲劇的な声で言った。「ある点がある」説明不能の神秘家の型にはまった囁きで繰り返した。「その先は、我らは必然的に沈黙を保たねばならぬ。我らは厳かなる闇、取りかえしのつかぬ神秘へと逃れねばならぬ」下劣な者らの神無き救いがたい批評主義、無秩序な知性、それらを取り巻く堕落した感覚、自然の原因への盲目な道を下劣に勝手に這い、信じるよう乞う。なぜなら、ここは言葉に出ない高みと、冥府の深みとが出会う場所だからだ。支配されていない知性は、その無知の裸の恥を、帰納法の「不潔なボロ」で覆うと知られる。Anathema maranatha(主の裁きの日が来たれり)。生涯のどの時期にも来ない事を祈ろう! にも関わらず、私は薔薇十字団の秘密を「保つように」や、絶対的な沈黙の中にこれらの神秘を隠すようにという内容に、この言葉が豊富にあるのを見い出している。そしてこれが、薔薇十字団の秘密が明かされずにいた単純な理由である。


 私が本書で掲載した宣言書らが、実際にある秘密結社から来たものならば、この言葉はその宝物庫の前で守衛として立ち、ハーグレイヴ ジェニングス氏も私も、「その噂される(あるいは疑われる)団員を実際に見たり知ると誇る事はできず」、私は何も明かしたり抑えたりはしていない。「高名な薔薇十字団と繋がる深遠な体系」は、勿論、闇に包まれていて、他の秘教の伝説でも一般的であるように、私はこの闇は真の、そして可能性として、獲得可能な知識も覆っていると考えるのを好む。だが、我らの社会、時代には、拷問や火刑台を恐れる必要はなく、永遠の懲罰の苦悩の只中に陥る可能性も僅かしかなく、もはやこれは保つ価値は無い。Nihil est opertum quod non revelabitur, et occultum quod non scietur(覆われてたもので現れてこないものは無く、隠れているもので知られてこないものは無い)。時が来たら、闇の中で呟いていたものは、日の面の中で平明に宣言し、耳元で囁いていたものは、家の頂上から主張できよう。霊的な錬金術の膨大な秘密は、真理の大義のもとで共感的で公平に探究する学徒らに、降伏するであろう。ヘルメースの信奉者の1人として、私は教義の真の息子ら、光を求める誠実な探求者、透明な心と、熱心な意図でサイキック世界の至高の奥義に近づこうとする者らに何も隠しているものは無いと誓おう。真の薔薇十字団員、真の錬金術の達人らは、今日まで存在しているとしたら、環境が大きく変わったら、新しい進行に腹を立てたりはしないだろう。闇と神秘の教皇らは、ド ヴィラールに対して行われたと言われる暗殺行為は、今の時代には遅すぎると発見しよう。そのため私は想像力と行動力、理性と直観のあるオカルティズムの学徒らに、この超越的な諸学の沈黙の聖所に、忘却、誤伝、中傷の何世紀もの間に積もった塵やゴミを取り払う、私の試みを助けてくれるように訴えたい。この自然の伝統的な諸秘密は、曖昧なヴェールによって無傷のままにあり、過去より暴君や宗教や学問の高位者の暴力から守られたものの、あらゆる面から無用の長物と嘲られてきたが、やがては疑いと不確実の闇より輝き、可視と不可視の世界の間を繋ぐ海峡や細道を照らすであろう。


 本書が印刷所へと渡されている間にも、ハーグレイヴ ジェニングス氏は「薔薇十字団、その儀礼と神秘」の第3版を出版している。この版は印象的で美しい見た目の2冊の大著に分けられている。そして、幾らかの新しいが全く関係の無い内容も挿入されているものの、そのうわべの内容に一言も加えられていない。追加のイラストは全く問題外であり、薔薇十字の神秘とは何の関係も無い。この版は、事実、私がこれまでしてきた、この風変わりな著者の無意味でとりとめのない憶測への厳しい批評を、さらに行うべきだと正当化させている。


↑ 薔薇十字団