ヘハロト ラバタイ 4

ページ名:ヘハロト ラバタイ 4

第2の災い


50. ラビ イシュマエルは述べた。よって、万軍の主なる神、アハタリエル ヤーは、私と対話して、こう述べた。「我が友イシュマエルよ、私は世界のどの国もイスラエルを奴隷とするのを許さないと知れ。だが、イスラエルの民が私を捨て、他の神々を崇め、我が家(神殿)に偶像を置く日を除いてだ。それゆえ、私は我がシェキナーをこの場から送り、我が名が永遠に住まうように植えた。すると彼ら(ヘブライ人)の王、君主、神官、預言者らは私に対して怒り、700年の間、私から離れていた。そして私も怒りと共に誓い、彼らが鉄の王国、土器の王国の下に支配されるようにした。そしてこれらの国の君主らは、彼らとその王らを殺し、若者らは倒され、子供らはバラバラされ、老人らは重く軛に繋がれ、彼らとその父祖らの罪が晴れるまでは、厳しい勅令が下される事となった。彼らが私の下へと戻り、その目的が満たされるようにするため、私は彼らがバアルに香を捧げていた日々に、我が僕、預言者の手を差し出させ、訪れさせた。彼らが私を700年前に怒らせ、私は確実に彼らに怒り、ある愚かな国に嫉妬をさせて(侵略させたが)、私が全ての民の運命を定める日には、この国は無くなるであろう。なぜなら…」


51. ラビ イシュマエルは述べた。私が「なぜなら」と聞いた時、我が手は弱まり、私は面を床にひれ伏し、震えた。我が内には何の力も無く、語るのも返答も無かった。すると、御前の君主メタトロンは、私に答えて述べた。「我が友よ、起き上がり、その腰を強め、主があなたに語る内容を理解するのだ」そして私は、2匹のケルビムの間に座する方からの声を聞き、それはこう述べた。「我が友イシュマエルよ、恐れるな。私は彼らから秤のための秤として払わせるつもりは無い。私は彼らがそれらに耐えられないのを知っているからだ。そして我が御名のために私は動き、国々を分け、エドムとイシュマエルの諸王との間に大いなる敵意を置いた。彼らはお互いに戦い合い、我が民イスラエルを完全には滅ぼさないであろう」


52. ラビ イシュマエルは述べた。私は座り、最初に与えられたものについて認識した。まずはバビロンが70年間、それからメディアが52年間、それからギリシアが180年間(イスラエルを支配し)、そしてエドムについては、先に起きた祈りと苦難が再び起きるまでは、認識できなかった。私は天から声が聞こえてきて、それはこう述べた。「我が友イシュマエルよ、イスラエルが悔い改めるならば、彼らは贖われると知るのだ。この事について、私はイザヤ(第30章15節)に『あなたがたは立ち返って、落ち着いているならば救われ』と定めているからだ」


53. ラビ イシュマエルは述べた。私はこの言葉に対して言葉で返して述べた。「彼らが悔い改めないならば、決して贖われないのですか?」 主は私に述べた。「彼らの罪は取り去られず、その目的は完成しないであろう」


54. ラビ イシュマエルは述べた。私はこの言葉に対して言葉で返して述べた。「では、この悪しき王国の終わりは明かされないのですか?」私は声が聞こえてきて、それはこう述べた。「我が友イシュマエルよ、ペルシアの諸王の権威者により建てられた家の時より、700年間が満たされる終わりにて、万物は終わりに至り、最終的に地の全ての面から終わり、その罪は清められるであろう。彼らが700年間私を捨て、バアルに仕えていたとしても、私が彼らを捨てて、残酷な者らの手に700年間、渡していたとしてもだ。彼らが私に祈りと共に帰り、あわれみを懇願するまでは、救い主も、祭司も、教師も、預言者も、王も、指導者も、君主もいないだろう。だが彼らが我が御顔を求めるならば、彼らは私を見い出し、私は彼らの(失われた)土地へと帰すであろう」


55. ラビ イシュマエルは述べた。私はこの言葉に対して言葉で返して述べた。「では、彼らが悔い改めるまでは、贖罪は無いと?」 主は私に述べた。「私は彼らを、ハマンのように厳しく、彼らの意志に反した勅令をする王に委ねるであろう。その衝動により、彼らは私に立ち返るであろう。そして、これは(ダニエル書 第8章23節で)「その顔は猛悪で、なぞを解く王」と、また(同書 第7章25節で)「彼は、いと高き者に敵して言葉を出し、かつ、いと高き者の聖徒を悩ます。彼はまた時と律法とを変えようと望む。聖徒はひと時と、ふた時と、半時の間、彼の手にわたされる」と述べた事だ」


56. ラビ イシュマエルは述べた。私は来るべき事を認識した。バビロンは70年、メディアは52年、ギリシアは180年(イスラエルを支配し)、エドムについては私は第2神殿の破壊から、700年で終わるのを見い出した。そして私は預言者ダニエルが書いて封をした諸書を紐解き、そこでこれらの文を見つけた。「この民と聖都には700年が定められています。それらが満ちると、咎は消え、罪に終りを告げ、僅かな民の罪は償われ、常に義とともにある者は、全ての預言者らの目から隠され封じられていたメシアをもたらし、そしていと聖なる者に油を注ぐ(王とする)でしょう」


57. ラビ イシュマエルは述べた。そして、ダニエルの説明も私は見い出した。それは(ダニエル書 第9章24節で)「あなたの民と、あなたの聖なる町については、70週が定められています。これは咎を終らせ、罪に終りを告げ、不義をあがない、永遠の義をもたらし、幻と預言者を封じ、いと聖なる者に油を注ぐためです」と書かれている。そして、ここにある70週は、700年を意味する。また、これらの時が来ると、夜に闇を終わらせ、すぐに光が来る事については、(ザカリヤ書 第14章7節に)「これには昼もなく、夜もない。夕暮になっても、光があるからである」と書かれている。


58. ラビ イシュマエルは述べた。何故に、この終わりの幻視が私に明かされたのか? 私が知恵の学習に心を定め、季節や時間、分、その終わり、諸期間の期間、諸季節の季節を認識しており、いと高き聖なる方に我が面を向け、朝には祈りと懇願、断食と粗衣を行い、しばしば「万軍の主なる神、イスラエルの神よ、我らはいつまで忌わしくも衰退し、周囲の民から嘲られ笑われるのでしょうか? 我らを見る者らは全て嘲り、『彼らは主の民というが、なぜ主は彼らを叩き、その御前から追い払ったのかね?』と述べ、その後に『なぜなら、彼らの罪の大きさからであり、主は彼らを厭って嫌い、その面前から追い払い、もはや戻さないからだ』と述べています」と祈りを述べていた。また、「アハタリエル ヤー、イスラエルの主なる神よ、私と対話をしたまえ」とも祈っていたからだ。


第3の災い


60. ラビ イシュマエルは述べた。御前の大君主メタトロンは私にこう述べた。「我が友よ、私はあなたにメシアについて明かそう。古き時代の者らも、この秘密を明かす価値が無かったが、あなたの栄光は祭司アロンに等しいからだ。ダヴィデ王の子(メシア)が来る世代については、全ての民が陣痛にある女のように、何も考えずに飲み食いをし、聖なる者に泣き叫び、力ある像に恐れの叫びをあげ、町々には震えが走り、地方には地震が起きる時代である。そして葡萄はその果実を生むものの、ワインは高く、オリーブの実は潰されるものの、油は高い。そして生活費の高さから、一日中働いても、家主はその家族も養えない。さらに世界の国々はそれらを放置し、全てがそうなるように権威を与える。それは(詩篇 第97篇7節で)「すべて刻んだ像を拝む者、むなしい偶像をもってみずから誇る者は辱めをうける」と書かれているようにである。そしてあなたがこれらの全ての徴を見る時、メシアの到来が近いと知るだろう」


62. そして、世界の四方の風より四つの民が来る。ある方角からは、マスキディアの子らが、ある方角からは、シャブルの子らが、ある方角からは、マシュとマルギシュの子らが、ある方角からは、ピストンの子らが来て、彼らは互いに戦争を始め、殺し合い、倒れていき、その日には、20万人以上が殺される。この時、彼らはお互いにこう述べる。「何ゆえに我らは(これ以上)戦争をする必要があろうか? 共に来て和解をし、(議論に)勝った者が、上位の王となり、我ら全てはその者に仕えるとしよう」


63. その時、メシアがその杖と袋と共に牢獄から出て来ると、彼らに「私はあなた方に忍耐してきた」と警告した。それから彼らはお互いに述べた。「この方は何により我らを征服したのか? その顔は人のものではなく、その姿は人のものではない。その怒りは人のものではなく、その力は人のものではない。我らは豊かで、強く、戦を好む民の諸王である。だがこの方は――何により我らを征服したのか?」メシアは彼らに述べた。「もし、あなた方が私を征服したならば、私とイスラエルの全ての子らは、貴方がたの奴隷となるだろう」そして、彼らはこれを聞いた時、イスラエルを奴隷にするのを好む強さから、彼らはメシアに述べた。「あなたが望む事を述べたまえ」メシアは彼らに述べた。「私があなた方に提案する事は小さなもので、大きくはない。殺した全ての者らを生き返らせた者が、我らの王としよう」この言葉の明瞭さから、彼らは何も喋れなかった。


64. そしてメシアは立ち、神と世界の御前にて祈りで包み、英雄のように身を包み、神の御前でメシアは述べた。「世界の支配者よ、私が投げ込まれたこの世界の受難、悲しみ、闇、不明瞭さを、我がために思いおこしたまえ。我が目は何の光も見ず、我が耳は大きな罵りを聞き、我が骨にかかる肌は欠け、痛みと苦しみにより、我が生命力のある心臓は壊れ、我が力は弱められた。ですが、我が働きは、私や我が父祖の家の栄光のためではなく、あなたの栄光のために働いているのは、あなたの前では明らかです。あなたのため、あなたの神殿のため、この世界の民の間で悲しみの中で住まう、あなたの子らのためです」すると、殺された20万人がその足で立ちあがり「我らはイスラエルの民、我らはイスラエルの民」と述べた。それらは(ザカリヤ書 第2章15節の)「そして多くの国々が主に加わるであろう」と述べてあるようにである。それからメシアは彼らに述べた。「全ての国々からあなた方の兄弟ら全てを集めに向かえ」と述べ、彼らは(イザヤ書 第66章20節の)「彼らは、あなたがたの兄弟をことごとく諸々の国の中から、主の供え物とする、と主は言われる」とあるように、彼らは向かい、全ての(新たな)イスラエル人を集めてもたらし、メシアの御前に立たせた。


65. ラビ イシュマエルは述べた。御前の君主ゼガンガエルは、私にこう述べた。「世界の全ての民は、メシアの下へと来て、『我らはあなたが殺して生き返らせる力を持つと聞いています。聖なる御方、その御名に祝福あれ、に我らに賜物を与えるよう語ってください』と述べる運命にある。メシアは民にこう述べるだろう。『では、あなた達が私に与えるものは何か?』彼らはメシアに述べる。『我らは滅びた神殿に入る(復興する)でしょう』だがメシアは彼らに『あなた達は悪しき者である。神はあなた達の神殿を必要としない。それは(詩篇 第147篇2節に)主はエルサレムを築き、などとあるからだ』彼らはメシアに述べる。『我らは許されるならば、世界中からこれまで無かったような宝石や真珠を持ってきましょう』メシアはさらに述べた。『あなた達は悪しき者よ。全ての宝石や真珠は神のものであり、それは(ハガイ書 第2章8節に)銀は私のもの、金は私のもの、と書かれているようにである』そして聖霊が彼らに答えて述べた。『愚者、悪しき行いの者よ、お前たちが殺した偉大な者らや君主らの前に、何をもたらせるか?』すぐに彼らは失望しつつメシアの前から去っていった」


66. ラビ イシュマエルは述べた。いと高き光輝ある者は私にこう述べた。「来たれ、私はあなたにこれらの姿を示そう。天と天の間には水が吊るされており、水と水の間には火が、火と火の間には水が、水と水の間には火と雹と水がある。ここでは火はより激しく燃え、御座の両面には火の壁がある。そしてセラフィムは主の御前で立ち、『聖なるかな、聖なるかな、聖なるかな、万軍の主は』と述べ、聖なる獣らは主を称えて、『その宮殿より、主の栄光が祝福されんことを』と述べている。そして天は『主は世々限りなく統治する』と述べ、地は『主は統治し、威厳とともに現れる』と述べる。そして海と川は主を称え、『紅海を分けた方よ』などと述べる」


67. ラビ イシュマエルは述べた。いと高き光輝ある者は私に述べた。「私はあなたにイスラエルが悔い改めを愛するように要求する。悔い改めこそが、390の天を超えて、栄光の御座へ到達し向かう道だからだ。悔い改めは、御使いの天使らよりも偉大である」


68. イスラエルが流浪の民となった時、メタトロン、イハエル、ガブリエルは「我らは何をなすべきか?」と述べ、すぐに手で顔を覆い、大声で泣き始め、「誰がいと高き場所にいる、世界をその言葉により創造された方の御前で泣き、イスラエルの子らへの火のような怒りを解き、あわれみを与えられようか」と述べた。


69. メタトロンは彼らにこう述べた。「行くとするならば、私が向かうとしよう」火で燃える全ての者らは、その前で縮んだ。この天使が80の諸天を上昇すると、諸天の中の天は驚き、その上にいる聖なる者らは、同じように述べた。「女の腹から生まれた者*1の匂いが、ここまで来るとは」だが、いと高き者は彼らに述べた。「この者は義の僕、我がセラフの1人である。この者が我が元へと来て、我が子らが狼や獅子の間に流浪となった運命を泣くのを許すようにせよ。その神殿や律法は失われ、悪しきニムロデの子らにより神殿は燃やされ、賢者や学徒らが聖なる神殿で殺されたのだ。天は我が手を緩め、(救いを)もたらすのを許さない。なぜなら、彼ら自身が律法の学習を緩めて、彼らにあわれみを授けられるよう悔悛されていないからだ。彼らの間で悔悛がなされ、あわれみが与えられるならば、私は彼らが死ぬようにはしなかっただろう」見よ、あなたはこのように、悔い改めは、御使いの天使らよりも偉大であるのを学んだだろう」


70. ラビ イシュマエルは述べた。私が述べてきたこれらの諸天は390あり、ゲマトリアでのシャマイム(諸天)の値である。だが、あなたはこれらの諸天のみが存在するとは言わないようにせよ。実際はそうではないが、私はこれを述べるのを許されていない。ここから先については、私は述べる権利には無い。火の天には記憶する数も無く、認識できる限界も無く、(数えられる)総数も無いからだ。また大火が来るので、この件に深く探求せず、あなたの心の中に(疑問は)留めておくなら、あなたはこの世界から消え去る事はないだろう。


71. ラビ イシュマエルは述べた。私はかつて祭壇にて供犠を燃やしていた時、万軍の主なる神アハタリエル ヤーが、高く空中に浮かぶ御座に座っているのを見た。主は私にこう述べた。「我が息子イシュマエルよ、私を祝福せよ」私は主に述べた。「諸世界の支配者よ、その望みのままに。我が主なる神よ、あなたのあわれみが、あなたの怒りを征服し、あなたのあわれみが、あなたの(他の)諸属性に勝り、あなたの子らを、あわれみの属性に従って扱い、彼らのために正義の道を歩むようにしたまえ」そして主は私に対して頷いた。


ヘハロト ラバタイ 5
↑ ヘハロト ラバタイ


*1 メタトロンは元は人間であるエノクが生きたまま天使となったと信じられていた。