ヘハロト ラバタイ 2

ページ名:ヘハロト ラバタイ 2

第5章


27. ラビ イシュマエルは述べた。この週の5日目に、ローマの都から酷い知らせが届き、述べるには、「イスラエルの有力者らのうちの、ラビ シモン ベン ガマリエル、ラビ イシュマエル ベン エリシャ、ラビ エレアザル ベン ダマ、ラビ ユダ ベン ババの4人が捕まり、その他にもエルサレムから8,000人の学徒らが彼らの人質にされた」と*1


28. そして、(師である)ラビ ネフニヤ ベン ハ=カナーは、この勅令を見ると、私にすぐにメルカバーに降下するようにと命じて、私はそこで御前の君主スリヤー*2に尋ね、天使はこう答えた。「(先祖のヤコブの息子らの)10人は天の法廷で書き記され、ローマの守護神である悪しきサマエルに与えられ、「この勅令を満たすために、イスラエル人らの元へと向かい、その要職にあるあらゆる良き者ら、腿と肩を滅ぼせ」と述べた。(出エジプト記 第21章16節では)「人をかどわかした者は、これを売っていても、なお彼の手にあっても、必ず殺されなければならない。」そしてヤコブの息子らは、弟のヨセフを捕まえて、売り飛ばした。彼ら(その子孫ら)に対して、何をすべきか? 権威者はサマエルに、勅令を満たすために、力ある10人を滅ぼせと命じた。そしてサマエルへの復讐は、(イザヤ書 第24章21節の)「主は天において、天の軍勢を罰する」時が来るまで控えなくてはならない。この時にサマエルと全ての天の王国の君主らは、贖罪の日の羊や山羊のように切り倒され、大地に投げ出されるであろう」


29. ラビ イシュマエルは述べた。悪しきサマエルに関する、これら全ての警告と条件は明らかとなった。それからスリヤーは述べた。「私はこれら力ある者らのうちの10人、すなわちラビ アキバ ベン ヨセフ、ラビ ユダ ベン ババ、書記のラビ イェシェバブ、ラビ ハナンヤ ベン テラディオン、解釈者のラビ ホズピト、ラビ エレアザル ベン シャンムア、ラビ ハニナ ベン ハキナイ、ラビ イシュマエル ベン エリシャ、ラバン シモン ベン ガマリエル、ラビ エリエゼル ベン ダマが滅ぼされなくてはならないとのみ聞いている」


30. ラビ イシュマエルは述べた。では、イスラエルの主なる神ゾハラリエルは何をなしたのか? サマエルのこれらの悪行全てへの怒りが満ちたので、(その忍耐は)充分では無く、書記に対してこう述べた。「悪しき都ローマに対して、強く、厳しく、恐ろしく、重く、不名誉な、大いなる懲罰と疫病をなすように書き記せ」、否、(怒りのあまりに)神自らが紙を手にして、書き記した。さらに悪しき都ローマに定めた復讐の日についても書いた。「ある雲がローマの上空に現れ、6ヶ月留まり、人や獣や銀や金や全ての果実や全ての種類の金属の上に腫物を注ぐであろう。さらに次に別の雲が来て、前の雲の場所に6ヶ月留まり、悪しき都ローマにライ病のふけ、瘡蓋、梅毒、その他あらゆる腫瘍を注ぎこみ、人は友人に「見よ、あの悪しき都ローマを。彼女とそこにいる全ての者らは、ほとんど消え去ろうとしている」と言い、友人は「なんという事だ」と答えるであろう。


31. ラビ イシュマエルは述べた。栄光の御座の御前より(私が受け取った)この知らせをもたらすと、全ての我が仲間らは喜び、ラビ ネフニヤ ベン ハ=カナーの前にて、1日中、断食をして喜んだ。それだけではなく、長老自身も喜びの中で述べた。「イスラエルの主なる神ゾハラリエルが悪しき都ローマに確実に復讐を与え、驚異の中の驚異の中の驚異をなす事に対して、我らの前に全ての楽器を持ってきて、皆でワインを飲み、竪琴とフルートを奏でて喜ぼうではないか」


32. ラビ イシュマエルは述べた。では、天の法廷は何をなしたのか? 彼らもすぐに、懲罰の天使らに命令を与え、これらは降りていき、皇帝ルピルスに破滅をもたらし、その宮廷には誰も残らないようにした。またその妻ルファと、全ての女主人ら、全ての女中ら、全ての愛人らも、皇帝の前で死体として地に投げ出され、その息子らと娘ら全て、皇帝の目には喜ばしい全ての者らも、バラバラとなり、その前にして(死体として)投げ出された。


33. ラビ イシュマエルは述べた。では、この悪人自身には何が起きたのか? 皇帝はこれらの目の前に横たわる死者らにより品位を落とし見下げはてた。そして、部下らが皇帝ルピルスの死体の1体を埋葬するため取ろうとするたびに、深淵がその死体を飲み込み、埋葬者らが手を離すと、深淵は再び死体を飲み込んでいた。そのため、これらの死体は皇帝の前に永遠に横たわった。それだけではなく、宮殿の全体で騒音や悪臭があり、皇帝の面前に来たり去ったりする諸侯の前で、皇帝は恥を受けたのである。


(略)


第6章


37. ラビ イシュマエルは述べた。御前の君主スリヤーは、私にこう述べた。「友よ、何故にこのような全ての不名誉、全ての悪口、全ての恥が、あの悪人に降りかかったのか? なぜならば、ラビ ハナンヤ ベン テラディオンのためだ。このラビが処刑される日に、皇帝の従者の1人がこう述べた。「陛下、この賢者への死刑の判決を取り消してください」だが皇帝は、「この男に死を与えよ。たとえ、余や全ての家族、否、全てのローマ市民がこの男のために滅ぼされるとしても、余は決断を変えたりはしまい」と答えた。


38. ラビ イシュマエルは述べた。御前の君主スリヤーは、私にこう述べた。「友よ、この悪人の力がなぜかくも強かったについて語ろう。なぜならば、この男は悪しきエサウの家系から来たからで、そのためその心がかくも堅固で強かったのだ」


39. ラビ イシュマエルは述べた。御前の君主スリヤーは、私にこう述べた。「友よ、永遠の住居へと送ったこの死について、嘆く必要は無いと私は言おう。既にイスラエルの主なる神ゾハラリエルは、この悪人に対しての笑いを口に満たして、こう述べている。「我が住む畏れの宮殿のいと高き栄光により、我が座る栄光の御座により、この生き物(の寿命)をこれ以上は留めさせずに、永遠の世界へと送ろう。ゲヘナ(地獄)にて、ラビ ハナンヤ ベン テラディオン自身の手により、この悪人にケルビムとオファニムと聖なる獣らの燃える炎と炭の味を味わわせよう」


40. ラビ イシュマエルは述べた。御前の君主スリヤーは、私にこう述べた。「友よ、私はイスラエルの主なる神ウザヤの光輝の中の光輝、純粋な光輝が何をなしたかを語ろう。この時、神は私に命じ、私は降りていき、皇帝ルピルスが夜に寝ている間に、その宮殿から追い出して、豚小屋や犬小屋へと連れていき、そこで寝たままにした。さらに私は、ラビ ハナンヤを寝ている間に連れていき、皇帝ルピウスの宮殿へと置いたのだ。翌日、ラビ ハナンヤの下に処刑人らが来ると、(皇帝に化けたラビが)「ラビは学院で座り、奇跡をなし、イスラエルの力ある神の律法を教えている。その頭を切り落せ!」と処刑するよう命じた。彼らには、本当の皇帝ルピウスがラビ ハナンヤ ベン テラディオンに見えたので、その頭を切り落とした。そしてラビ ハナンヤ ベン テラディオンは王冠をかぶったまま、悪しき都ローマで皇帝ルピウスのように6ヶ月君臨し、6,000人の(異教徒の)主教らを1ヶ月に1,000人ずつ殺した。


41. そして悪しき都ローマの人々の目にはラビ ハナンヤ ベン テラディオンのように見える者を、人々は捕えて火に投げ入れた。その者とは誰か? 皇帝ルピウスである。皇帝が殺された後、天の法廷で再び生き返らせられ、天使らもまた皇帝を火の中に投げ込み、激しい怒りの炎の中で皇帝は苛まれたのだ。同様にして、イスラエルの10人全ての賢者にも行われた。第7天の天の法廷からの布告がこのようになされたからだ。「悪しき都ローマがイスラエルの力ある者らを滅ぼそうとした計画のように計画はされ、イスラエルの主なる神ゾハラリエルは同意し、ローマ市民らが神の子らに実行したかのように彼らの心に思わせたのだ。」


ヘハロト ラバタイ 3
↑ ヘハロト ラバタイ


*1 この10人の殉教者のラビの伝説は、史実でのローマ帝国へのユダヤ反乱の鎮圧後の、ユダヤ教弾圧が基になっている。
*2 スリアー、スリエルとも。天使の王メタトロンの別名の1つである。