真のカバラの鍵 3-8

ページ名:真のカバラの鍵 3-8

第三部

魔術の術式の実践篇


ステップ 8 カバラのアルファベット、2つの鍵、二重文字


 ステップ 7で記した単独の鍵はカバラで最も重要な鍵であり、カバリストにある種の準備として仕えている。これらが単独の鍵と呼ばれる理由は、1の数、神の数を表しているからである。これについて瞑想すると、カバリストはこれら単独の鍵は、自らの個人的開発に対してのみ使うべきで、この単独の文字を他の目的に用いるのは勧められないと悟るであろう。なぜなら、これら単独の鍵は原因の圏、アカシャ原理から直接働くからである。カバリストが他のために原因の圏から直接結果をもたらそうとすると、それによりカルマを造る事は無く、そのため全てに責任を持つ事になろう。一方で、このカバリストが1文字より多くの文字で作業していたら、その効果は原因の圏より流れてくるものではなく、メンタル、アストラル、物理世界からとなる。それらのいずれから来るかは、カバラ的に使う文字の数に拠り、ここで創造された原因は、アカシャ原理に記録されるであろう。


 単独の鍵はアカシャ原理で、実際にはいかなる原因も造らずに働く。これは原因の界から流れてくるからである。


 2つの鍵はメンタルの性質の原因を造り出し、そのためまた、メンタルの結果も起こす。


 3つの鍵を用いると、アストラルの結果をもたらす。これはアストラル界で特有の状況を造り出し、その結果はアストラルの性質がある。


 幾らかの文字を共に用いる術式は、物質世界の原因を造り出し、よって物質の結果をもたらし、物質的な運命、カルマを定める。


 以下において、私は2つの鍵の説明を与えるつもりである。これらはもはや、小宇宙と大宇宙の神秘主義の前行ではなく、魔術の術式の分野に既に属している。小宇宙と大宇宙の神秘主義は、単独の鍵と同一であり、神の摂理の典型である。


 2つの鍵を用いる際には、カバリストは2つの文字で作業し、それは既に術式と見做されよう。そのため、今から本書では、カバリストは術式魔術師(a fomula magician)と呼ばれるであろう。


 この2つの鍵はメンタル界、メンタル体、霊と同一である。メンタル圏での術式魔術の実践には、この2文字の使用が求められ、どの結果をもたらすかに拠って、何の文字の組み合わせを用いるかが選ばれる。単独の鍵での類似は、この場合にも基調として用いられよう。組み合わせの文字では、概念は基礎であり、そのためカバラの作業では文字の特定の組み合わせが、あらゆる知的言語のものとは極めて違った意味合いを持つ。よってカバラの観点からは、例えば「dog」の言葉は、特定の動物を示すものではなく、全く違った意味合いを持つ。これは読者の知識のためにのみ述べてきた事である。


 次に、私は幾らかの短い言葉の教授で、2つの鍵とメンタル界でのその効果について述べていこう。この鍵で作業する際には、術式魔術師はまず最初に自らの意識で、次にアストラル体で、最後にはメンタル体で、単独の鍵で行ったように想像し、霊として2つの選んだ文字を発音する必要がある。よって、肉体の発声器官、舌、唇、喉頭などはカバラ的な方法では発音せず、自らの霊によりなされると気づく必要もある。そして単独の鍵の時と同様に、2文字を発音する際にも3つの感覚の集中を密接に行う必要がある。これは、各文字は視覚的、聴覚的、感情的な方法で発音する必要があるのを意味する。この場合には、あなたはまず最初の文字から始めて、それから2番目の文字を行う。単独の文字で行ったように、ここでも演繹的、帰納的に、自らの霊、メンタル体で2つの鍵で作業するであろう。だがこの鍵を他者のために用いるのも可能である。つまり、直接的な影響を用いる場合、関連する霊、メンタル体に直接的に行うか、あるいはメンタル界全般に行う。そして、ここでもまた、自らか他者の小宇宙で行い、それらは術式の助けにより造られる原因と、造り出したいと望む結果に拠っている。


「A」の文字による2つの鍵の使用

A - A


 単独の鍵の説明で既に述べたように、「A」の文字は風の原理と、そのため全てのフェイズでの理性と知性と類似している。結果として、メンタルの圏で2つの鍵を用いる際に、「A - A」は、どう演繹的、帰納的に、あるいは自らか他者に用いようとも、知性に特に強い影響を持つであろう。術式魔術師は、思い出したい事があったり、知性を啓明させたり、記憶を強めたり、他の知的機能を目覚めさせたりするのを望む時には、この「A - A」の二重文字を用いるであろう。


A - B


 カバラ的に発音する事で、これら2つの文字は電磁気流の助けにより、精神病を癒し、憂鬱、恐怖などを取り除く助けとなる。この場合、術式魔術師は電磁気流を想像する必要はない。これはカバラの発音の結果、3つの感覚の集中により、間接的、自動的に働くからである。またこれら2つの文字の助けにより、術式魔術師は自らや他者の胸の部分に治療の影響を授け、メンタル界でカバラ的にあらゆる胸の病を扱える立場にある。特に精神面が原因となったもの、例えば不安からの短呼吸などに効果がある。


A - C


 この2つの文字の助けにより、つまりカバラ的に発音する事により、カバリストは望むように、あらゆる概念、美徳などを、あるゆる種類の流体や固体に対して、流体コンデンサーと同じようなやり方で充満させられる。またこの開発段階では、カバリストは流体コンデンサーを造るために、どのレシピも必要とはしない。この者は今ではカバラ的に、固体にせよ液体にせよあらゆる物に、望む性質を充填できるようになっているからである。


A - D


 カバラ的なやり方で発音する事で、これら2つの文字は自己意識とメンタル マトリックス全体を特に強め、術式魔術師によって、遠距離に及ぶ働き、つまりテレパシー的に働くのを求める際に特に用いられる。遠い距離に及び働く機能は、この術式によってメンタル体で特に強められる。


A - E


 この術式は、意識の転換を容易にする。同時に、転換された意識に、輝く真の印象を吸収させたり、それらを通常の意識へと転換させるのを可能とする。


A - F


 この「A - F」の文字らをカバラ的に用いたら、あらゆる不調和、特に知性と意志によるものを取り除き、霊の4つの本質的な性質を強める。そのためこの術式は、大きな知的な努力が求められたり、意志、知性、フィーリングがこの努力により疲弊した時に、通常はカバラ的に用いられる。霊の中の3つの本質的な性質、意志力、知性、フィーリングは、この文字の組み合わせにより、特に強められ、調和され、疲弊は取り除かれるであろう。


A - G


 平和、平穏、調和の環境が求められる際には、これら2つの文字が2つの鍵として用いられるであろう。自らに帰納的に用いられると、この術式は神の摂理の祝福をもたらすであろう。他者の許し(免罪)を求めたい際には、これら2つの文字の助けによりなされるであろう。さらに、この文字の組み合わせは、人間精神のいかなる高揚も即座に静めるであろう。


A - H


 自己や他者への神の直観の影響は、この鍵により得られるであろう。特に敵に取り囲まれていると考え、そのため抑圧され悩む未熟な者は、これら2つの文字のカバラ的な使用によって治癒され自由となろう。また、間違った事を信じている人々も、この鍵によって啓明され、なされた万物は正義によりなされたと結論付けるであろう。


A - Ch


 この文字の組み合わせは特別な術式であり、これにより記憶は大いに強められ、長く忘れていた心、思考、概念も意識へと思い出し、その他の多くの事柄もある。帰納的に、つまり自己に用いた場合、この鍵は術式魔術師の精神に、自らの前世の記憶を、あたかも昨日経験した事のようにはっきりと思い出させる力を持つ。


A - I


 この鍵は人の意識を目覚めさせるのに特に適している。これは不正な迫害、あるいは無謀な人間や不徳な行動が含まれた全ての場合で用いる事ができる。自らに用いた場合、この術式は高次の霊感と正当な直観を目覚めさせるであろう。


A - J


 この2つの鍵は、その目的とは無関係に心の情熱を増大させる。自らに用いた場合、この術式は無関心さをその正反対へと転換させるであろう。他者に用いた場合、術式魔術師自身か、目的に定めた人物への興味を引き起こすだろう。


A - K


 この文字の組み合わせは、自己や他者の疑いを取り除きたい時に用いられる。これは自らに帰納的に用いた場合には確信を与え、(他者に)演繹的に用いた場合には、確信と信念を引き起こし、あらゆる疑いを取り除くであろう。


A - L


 誰かが口を滑らせ、それを認めなかったり、認めるのを恥じたりした場合、この術式の助けにより、適切な態度を取るようにするだろう。自らに用いた場合、この「A - L」の組み合わせは、メンタル体に、あらゆる概念をより良く適応するようにするだろう。


A - M


 先の術式と同様に、この術式も適応性を増大させるが、特にフィーリングがそれほど含まれず、意識が主流となっている場合に適切である。この文字の組み合わせはまた、その知的な受容の他にも、心から述べるようにしたい人々にも用いられるだろう。


A - N


 この術式を用いる事で、自らの中の嫌悪の念や、他者の知的な疲弊は取り除かれるだろう。この2つの鍵は、肉体とアストラルの長い病により、精神的な疲弊を起こし、療養が必要な場合の薬として特に用いられる。


A - P


 この術式により特別な宗教的なフィーリングが引き起こされる。自らに用いた場合、心に神殿の雰囲気を造り出すだろう。この術式を全く宗教的なフィーリングを感じない人々に用いた場合、宗教に特定の興味を持ったり、宗教のセンスを引き起こすだろう。経験を積んだ術式魔術師は、望むならば最も頑固な唯物主義者に対してすら、宗教的なフィーリングを与えられるだろう。


A - R


 この2つの鍵を用いたら、術式魔術師は、自らや他者の精神を励ましたり、抑圧のメランコリックな状態を治癒するのを可能となる。その他にも、最も困難な問題を解く能力も目覚めさせる。


A - S


 術式魔術師が、電流の最も深遠な原因と、関連する効果を特別に理解するのを望む、つまり知的に理解するのを望むならば、この2つの鍵を用いるだろう。勿論、同じ事を他者にももたらせる。この術式を用いる事で、さらに自己や他者の中に発明の精神、特に電流の類似が含まれた発明を引き起こすだろう。


A - T


 この文字の組み合わせを、カバラ的に用いたら、特に物質的な事柄への記憶を強める。また機械的な記憶への良い影響が働くので、学生や役者らで、カバラ的に作業する能力があるならば、この術式を用いるのを確実に好むだろう。またこの2つの鍵は、物質的な事柄を思い出す必要がある場合にも、極めて適している。


A - U


 この術式の助けにより、術式魔術師は自らの知性を通じて、神の摂理の働きを理解できるだろう。諺にある「神の水車小屋は、ゆっくりと、だが完全に粉をひく」を意味するものは、この術式により明白となるだろう。神の摂理の働きを自らの知性によって完全に深遠に理解したいと望む術式魔術師は、この「A - U」術式を用いるであろう。


A - W


 この術式は自らや他者のメンタル体、意識で聴覚の集中の能力を充分に増大させたい時に、特に助けとなる。また逆に、感覚の傾向が少し強すぎて、聴覚の能力、つまり聴覚の集中力の正しいバランスを取りたいと望む人にも、この術式を用いるべきである。また霊で発音した言葉が遠い距離でも知覚されるのを望む術式魔術師も、この術式を用いられよう。これは聴覚の集中力を増大させ、それはメンタルの音波のより大きな濃縮があるのを意味する。


A - Y


 この文字の組み合わせは、知性の大きな啓明の能力を授け、特に、文筆家やある種の著述をなす必要がある人に適している。自然と、これはまた質、美徳、抽象的な概念――あるいは思考の流れ全体――を言葉として正しく表現するのを見い出す能力も授ける。著述業をしたり、著者として働いてる術式魔術師は、この術式に大きな好みを持っている。


A - Z


 自らか他者に、努力無しに容易に心から学ぶ能力を望む場合、この術式を用いるのを勧める。特に驚異的な記憶力を望む人々は、この術式を繰り返し用いるであろう。この術式により、術式魔術師は自らを――あるいは望むならば他者にも――正当な記憶術師となるよう訓練するだろう。


A - Æ


 この文字の組み合わせは、知性と物理的な問題の間の関係に影響を与える。例えば、物理的な問題に関するメンタル界から満足する結果を得るのを望む場合、この2つの鍵と、この術式の組み合わせの助けによってのみ到達できるだろう。また、この鍵を用いる他の人々にも、同じ結果がもたらされるだろう。


A - OE


 この2つの鍵は、カバラ錬金術のあらゆる問題を、努力せずに容易に解決する能力を授ける。術式魔術師は、弟子がカバラ錬金術の問題を解くのに困難している場合に、この術式を用いる。ある術式に疑いがある場合、特にカバラを基にした錬金術の変容の実験をしていて、力や能力などの変化について疑いがあったり、この術式で解決しなくてはならない場合に、用いるのに困難があるなら、この(A - OEの)術式を用いるべきである。これは、望んだ能力を引き起こすからである。


 私はこれで、第1の文字(A)と繋がる全てのアルファベット文字の類似と、それらで到達できるメンタル界での効果についての説明を終えた。ここでは知的な様相が特に強められる。なぜなら、知性は「A」の文字で主流だからである。もし1つよりも多くの文字が用いられるならば、我々はもはや文字ではなく術式について語る事になる。これは二重文字は既にカバラの術式であり、これらの文字と類似する2つの力が効果的となるのを意味する。


 純粋に技術的な理由から、私は各文字の全ての詳細について述べる事は出来ない。術式魔術師は今や必要な成熟に到達している。そして私が正当に何度も指し示しているように、この第3の書の実践の学習に入る前に、我が第1の著書「Initiation into Hermetics」で述べた3つの感覚の集中力を得る必要性について、今では頷けるであろう。それにより、肉体、アストラル、メンタル体での機能について明白となり、肉体、魂、霊の真の概念を理解させるからだ。この知識無しには、カバラを用いるのは不可能である。多くの事は知的に理解するのは困難であるが、特にカバラではそうであり、多くの微細な内容が含まれ、それらは実践的な人によってのみ掴めるのである。


真のカバラの鍵 3-8-B
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