真のカバラの鍵 2-4

ページ名:真のカバラの鍵 2-4

ステップ 4 カバラのエレメンタルズ


 カバリストが先の3つのステップに完全に熟達し、エレメンツに従った実践を学んだ後にのみ、文字を順番に三極的に行う実践を始められよう。これはカバリストがまず最初には2つのエレメンタルにより、後には3つのエレメンタルにより、全ての文字で実践するのを意味する。学徒は各文字をその色で想像し、その音色を用いて、同時に第3ステップで記したように、それらと繋がるフィーリング(エレメント)で唱えられなくてはならない。これらをかなり長い間実践した後に、学徒は各文字を3つのエレメンタルの方法により唱える能力に到達し、文字をカバラ的に、つまり創造的に用いる事ができよう。


 各文字で3つのエレメンタルの発音をする実践により、カバラの学徒は既に非常に大きな魔術能力を得ていよう。例えば、エレメンツの絶対的な支配者となり、魔術の頑強さに到達し、あらゆる惑星の振動に、その最も濃度の高いものにすら耐えられるようになる。そして、あらゆる魔術の攻撃に対して不死身ともなろう。自らの意識でヘルメース学のあらゆる分野の概念も、単に知的にだけではなく、普遍的な諸法則に従ったアカシャ原理の観点からも、容易に理解し、その深遠まで認識できるまでに拡張するだろう。それらによりカバリストは高次の魔術の知識を得るだけではなく、その深遠な認識により、至高の知恵にも到達するのを学ぶであろう。よって、カバリストは学者のみならず、それ以上に真の賢者となるであろう。


 以下の諸ステップでカバラの学徒は、各カバラの文字の実践的な使用について、その基本的な概念、様々な界や圏にて、力の言葉、創造の言葉を、最初は個別に、後にはその組み合わせについて学ぶであろう。カバラを理論的にのみ学んでいる者は、以下の文をヘルメース学的には高次の知的観点から、哲学的な観点から理解する事はできようが、認識と知恵はカバラの熟達者のようには得られないであろう。深遠な知恵は言葉によっては表現できず、唯一ただのヒントのみが可能なのである。


 よって以下の実践、様々な力のカバラの言葉の実践的応用は、実践カバリストのみを考慮している。理論の人は、以下の章に示す類似を用いたいと望んでも、これらは非効果的なままにあろう。


 さらにカバリストは、我が第1の著書「Initiation into Hermetics」で示した3つの感覚で集中する実践が、真にどれだけ重要であるかも悟るであろう。これらにより、学徒は自らの内外にあるエレメンツの拡張を起こすのを学ぶだろうからである。これらの3つの感覚への集中の実践を失敗せずに熟達した者は、実践カバラでも大いに成功し、ここで述べる3つのエレメンタルの実践を容易に完成させるであろう。だが、第1のタロットカード、つまり我が第1の書の実践に従わず、今カバラやその実践に、特別な準備もせずに急いで飛び込んできた者は、勿論、各実践を完成させるのにより多くの時間を必要としよう。3つの感覚の集中の必要な能力に、この者は到達しなくてはならないからである。


 このステップ 4では、カバリストは各文字を順に3つの極性、つまり視覚、聴覚、感情的に、実践するのを始める。まず自らの体全体が空虚な空間となったと想像し、これらを凝縮させる事で完全に共振するように振動させ、最後にはこれらを再び解放する。


 自らの肉体でアルファベット全てを実践した後は、自らの体の個々の部分でも、以下の様に3つのエレメンタルにより発音する。(1)火のエレメントの文字らを、頭で行う。(2)風のエレメントの文字らを胸で行う。(3)水のエレメントの文字らを腹部で行う。(4)地のエレメントの文字らを両足で行う。そして次の作業は、意識により一つ一つ、自らの小宇宙の部分から解放させていく*1


(1)火のエレメントの文字は、頭の部分で以下の順番で演繹的、帰納的に実践する必要がある。


 最初の「Sh」の文字と、その次の「S」の文字は、音声学的に、つまり歯擦音で発音する。それから、次の「H」の文字は、熱い息として感じ、実践する。その後、「D」の文字は、拡張のセンセーションとともに行い、最後に「K」と「T」の文字は、強い拡張する力のフィーリングとともに行う。


 先に述べたように、頭の内部は無限の空虚な空間と想像し、そこに文字を心で何度か発音し、関連する色の小さな点へと凝縮しなくてはならない。この関連する色の点は太陽のように輝くようにする。各実践では、膨大な緊張、あるいは拡張の力のセンセーションが伴うようにする。この緊張と、3つの想像して集中する形は可能な限り長く保つようにする。この期間は、学徒のその成熟に応じた集中力に拠るであろう。空虚な空間と想像した頭の中で輝く文字の点を解放すると、実践は終わりとなる。また、解放の時期にも、3つの感覚の集中は、最後まで保つようにする。


 あなたは、今作業しているものが完全に熟達するまでは、次の文字を始めるべきではない。この実践を終えたら、学徒は自らの中に何も不快な付随現象を感じないようにする。


 充分な準備をせずに、この3つの感覚の集中の実践をする者は、自らの意識を頭の部分の中心へと移そうと試みる時点で、眩暈がするであろう。さらに、頭痛や疲労、眠気が伴う事もあろう。


(2)次には、風エレメントと類似する文字らを、胸の部分で3つの感覚の集中の助けにより実践する。演繹的、帰納的な進行も、この場合でも伴うようにする。


 最初の文字として、「A」を風の部分で長く行うようにする。「A」の文字に熟達した後には、「Z」の文字が歯擦音で唱えて、次には最後に「L」の文字を唱える。


 残りの進行については、頭の部分の説明で扱ったものと同じである。


 この3つの感覚の集中の実践で、呼吸を止める事は一切しない。呼吸はこれや他の3つの感覚の集中では一切影響しないようにする。つまり、自然に規則的に行うようにする。


 このために準備されてなかったり、3つの感覚の集中を訓練していない者が、胸の部分でのこの実践を始めたならば、不規則な呼吸や、健康への様々な障害、例えば肺気腫や喘息にすぐに気づくだろう。また結果として、様々な心臓病が起きる事すらもある。だが全ての実践を一つ一つ行っている注意深い学徒は、何も恐れる必要は無い。反対に、この者はすぐに各文字の諸力の力づけ、調和させる効果で、自ら満足するであろう。


(3)カバラの学徒が、風の部分で、その3つの文字で演繹的、帰納的に完全に熟達したならば、水のエレメントの部分、人の腹部へと進む事ができる。学徒は腹部の内部の全ても空虚な空間と想像し、そこで水エレメントに属する文字を一つずつ、演繹的、帰納的に行っていく。


 「M」の文字が、腹部の最初の文字であり、轟く声音で行う。第2の文字は「N」であり、ハミングする声音で行う。第3の文字は「W」であり、柔らかい声音で行う。第4は「J」の文字である。次の第5は「Ch」の文字であり、口蓋音で行う。第6の文字は「G」で、口蓋の破裂音で行う。


(4)最後に、学徒は地エレメントの文字らを、両足の腿から足先までで、先のものと同じように行う。地エレメントの文字らは、I、O、F、R、B、Pの文字である。


 この第4の部分の実践を完成させたら、学徒は「C」の文字を、頭と胸の部分で同時に扱うのを学ばねばならない。これには、両方の部分を無限の空虚な空間と想像し、そこで「C」の文字を、他の文字のように、演繹的、帰納的に行う。


 それから学徒は、自らの意識を体の中心、いわゆる中間の部分、太陽神経叢に転換させ、自らの体全体が空虚な空間となったと想像し、そこで「U」の文字を想像力と3つの感覚の集中の助けにより実践する。太陽神経叢はアカシャ原理の中にあるので、学徒はここでは演繹的、帰納的には行わない。我が最初の著書「Initiation into Hermetics」により、アカシャは凝縮できないと知るだろうからだ。「U」の文字は、アカシャ原理の起源の音である。


 この実践に熟達したら、これもアカシャ原理の類似である「E」の文字を実践する。これらの実践では、「U」と「E」の振動は違うものとなろう。


 残った3つの文字、すなわちウムラウト文字の「Oe」と「Ue」(Y)と「Æ」は、地の部分で行う。これらの文字は地の部分でのアカシャの効果を持ち、学徒はそれぞれを区別でき、その特別なアカシャの性質も容易に見い出せるだろう。例えば、「Æ」は我々の物理世界のエーテルと直接的な繋がりがあるなどである。


 本書で示した諸実践は、正当なカバラ神秘主義の方法により小宇宙と大宇宙に調和をもたらすのに仕え、小宇宙を創造的な活動に準備させる。


 学徒がこのコースでこれまで述べた全ての実践に完全に熟達したならば、カバラ神秘主義の大きな部分を既に終えた事になる。小宇宙、つまり人が、これらの実践によりカバラ的に準備されたら、創造主のミニチュアとして類似するだけではなく、類似の諸法の美徳により、自らの小宇宙、ミニチュアの世界と、我々の太陽系の全ての圏と繋がるようになる。これらの実践は人を小宇宙と大宇宙に完全に意識させ、東洋ではこれは「ニルヴィカルパ サマーディ」とよく呼ばれる。ほとんどのヨーロッパ人は、残念ながらこの表現を誤解釈している。事実上、ニルヴィカルパ サマーディは、先に示したように、小宇宙と大宇宙の意識であり、よって至高のカバラの開発の成熟状態であり、完成の道への数十年もの実践によってのみ到達できる。通常は、これを得るには一生の転生では充分ではない。だが秘儀参入者の完全な開発への道では時間も空間も存在しないので、不断の作業により一生で到達できなかった部分も、来世の次の生で到達するであろう。


 次のステップでは、カバリストは様々な文字の応用について教えられるであろう。


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*1 編注。ここでのエレメンタルの属性と、比較のために上記の36ページ(ステップ 1の色の振動の後半)、また本書の他の部分を参照せよ。ここには幾らかの不一致があり、学徒は自らでいずれかを選ばねばならない。