真のカバラの鍵 1-4

ページ名:真のカバラの鍵 1-4

文字の秘伝


 言葉の密儀、あるいはより知的に述べるならば、言葉の知識の密儀とその正当な使用には、存在する至高の秘儀参入の形式を必要とする。いつの時代でも、「言葉の師」と呼ばれた者は、至高の秘儀参入者、至高の祭司、神の真の化身であった。あらゆる宗教体系、あらゆる秘儀参入で、言葉の知識は至高の知識と見做されていた。イエスについてすら、その最愛の弟子ヨハネからは御言葉、すなわちカバラで述べられており、やがてはこの弟子は福音書で記した。それは前に述べたように、「初めに言葉があった。そして言葉は神と共にあった」と、あなたは文字通りに読むであろう。聖ヨハネ以外のどのキリストの使徒らも、言葉の密儀についてここまで深遠に伝授された者はいなかった。「言葉の師」として最も偉大な奇跡をなせ、福音書自身がそれらを記しているように、この弟子は使徒の中でも自然な死をした唯一の者であった。聖ヨハネはこれらをなせたのは、彼がカバリスト、言葉の完全な師だったからである。他の全ての使徒らは、殉教者として非業の死を遂げているのである。言い伝えが述べているように、多くの他の秘儀参入者らもまた、聖ヨハネの時代より数千年前から、言葉の師たちであった。


 各言葉は文字からなり、各文字は秘教的な観点からは、ある概念、よってある種の力、性質を表現する。だがこれらは、文字そのものだけではなく、普遍的な法則と類似する数によっても表現される。よって、適法性は数より来て、概念は文字により来る。各文字の意味合いは、我々が知る三界の類似である。カバリストはどの概念も文字によって表現でき、それぞれの数は関連した概念を表すのもよく知っていたので、これらの文字は、カバリストには知性言語でのものとは極めて違った意味合いを持っていた。そのため、普遍的な諸法則の下で、これらの文字はカバラ的な意味合いを得た。この普遍的な諸法則の知識は、文字によって幾らかの思考の連なりを表現し、数によりそれらを類似するのをカバリストに可能とした。絶対的な諸法をあらわす言葉、類似により構成され、関連する文字と数によりなされる言葉は、カバラの言葉、普遍的言語で表現された言葉である。カバラの言葉を形成できるようにするには、文字と数の完全な類似を正確に知る必要がある。


 本書の実践篇で、カバリストはメンタル、アストラル、物理世界にて、またエレメンツにて、普遍的な諸法則に従って構成された言葉を、正確に用いる方法を学ぶであろう。そして言葉を、さらに結果として文そのものも、知的に、つまり自らの知性によってのみならず、人格性全体で表現する事も学ぶであろう。そのように表現した言葉のみが、創造的な効果を持つのである。霊と魂、後には肉体での文字の正確な発音は、実践的なカバラ神秘主義の実際の基盤である。


 この創造を効果的にするために、カバリストは子供のように発音する必要があろう。最初は片言を言う事しか出来ないが、後には単独の文字や言葉を発音するのを学ぶ。文字は様々な界や階層のように、メンタル、アストラル、物理世界での類似の意味合いを持ち、カバリストはこれらを学ぶ必要があり、最終的にはこれらを命ずるようになろう。


 これらの言葉から、知的にしか考えられず、これらの文字、言葉、文を知性によってのみ造れる理論家は、正当なカバリストとは決してなれない事を見るであろう。その成熟の状態に応じて、カバラを知的な側面、つまり哲学の観点からのみ理解できよう。だが実践するカバリストはあらゆる文字と、その概念、適法性(数)を理解し、用いる事ができよう。


 カバラの学習は、文字の秘伝から始まる。神は自己から概念を創造し、普遍的な法則に応じて配置し、文字を形成し、この文字とその正確な類似であり関連する数は、お互いに繋がっており、至高の部分から最低の部分までの世界全体を表している。三重に偉大なヘルメースの「上にあるものは下にあるが如し」の格言は、このカバラの観点と大いに関連している。神が自らからの創造で用いた文字は、神を喜ばせる概念であり、形成の書、セフェル イェツィラーで明白に説明されている。


 この創造の時点で、万物より先に10の原理の概念が現れ、それはカバラでは、いわゆるセフィロトとして表されている。例えば10の数は、神の至高の形にして最底辺の流出の反映である。類似の法則を知る事で、カバリストは10の原理の概念と関連して、人が10の手と足の指を持つと私が述べたのが何を意味するのかを理解するであろう。またこの時点でカバリストは、神の原理の概念と、セフェル イェツィラーでの特定の関連、類似を推測できよう。我々の地球にある数学のそれぞれの数は、(桁の全てを)足す事で1から9までに減らす事ができる事は、カバラの類似の結合でもある。例えばヘブライのカバラでは、数の組み合わせはゲマトリアとして知られている。だが、私はカバラ神秘主義の実践の応用、つまりカバラの言葉の使用で必要な部分のみを示すつもりである。ヘブライ聖書の詩句による特別な数の組み合わせを学ぶ必要があるのではと不安な者は、望むならば、(母国語の)関連した書で数の組み合わせを学べるであろう。


真のカバラの鍵 1-5
↑ 真のカバラの鍵