召喚魔術の実践 2-魔術のタリズマン

ページ名:召喚魔術の実践 2-魔術のタリズマン

13. 魔術のタリズマン


 本書の第一部では、タリズマンやアミュレットの充填について、その実践的な応用のヒントを加えた短い教授を与えている。だが、ここで読者に幾らかの教授を思い起こさせ、魔術師には新しい知識であろう幾つかの事も付け加えるのも必要に思える。この最後の章では、私はタリズマン魔術とその詳細について書く事にした。タリズマンについては多くの事が既に書かれているが、ヘルメース学の観点からは、さらに多くの事が書かれよう。もっとも私は本書の技術的な理由から、簡潔に留める必要がある。経験を積んだ魔術師は、このテーマについて語った全ては親しんでおり、理解可能であるのを見い出すであろう。ヘルメース学の観点からは、タリズマンは、力、機能、影響などを封じた媒体あるいは物理的な形であるのを意味する。そのため、そのような力を封じるためには様々な方法がある。だがまず最初に、タリズマンについて幾らか述べるとしよう。


 魔術師は霊的存在、知性体、守護神などと接触するには、幾らかの方法を学んでいる。それらは4つの可能な方法を示されていよう。


 1. メンタルの旅、2. 召喚、3. 「Initiation into Hermetics」で心霊主義について扱った章で述べた肯定的な交流、 4. タリズマンである。


 タリズマンの形については、それは宝石装飾物、指輪、宝石、アミュレット、ロケットなどを取れるだろう。だがタリズマンのためには他の形も取る事ができ、上で述べたのは一般的な種類である。魔術師がタリズマンを作成するための最良の方法は、その最初の部分から自らのみで行う事である。つまり、金属を溶解させる段階から、最後に充填させるまでである。


 魔術師が必要なスキルに欠けるなどにより、それが不可能ならば、他の人間によりタリズマンを作成してもらう必要があるが、それは基礎的で、生の形までである。タリズマンが望む形にされたら、魔術師はそこから正当なタリズマン、正当な媒体にする事で、実際のタリズマン魔術を始める。そして魔術師が接触したいと望む知性体の印を、その金属に彫る。魔術師が自らによりそれを行えないならば、注意深い彫刻師や金細工師により代行してもらう事もできよう。タリズマンやアミュレットとして用いる対象物は、今や魔術的に充填する準備が整っている。魔術師はまた望むならば、タリズマンの準備の時、特に充填する時の占星術の星の配置も考慮する事もできよう。豊富な占星術の書籍は、好ましい星の配置について容易に理解させよう。タリズマンのための金属については、関連する黄道の宮の占星術の類似も考慮すべきである。黄道の宮は諸圏の階層についての章でも記しており、魔術師が選んだ守護神に適切な黄道の宮と関連する金属を選ぶのは容易であろう。だが魔術師は惑星の諸圏と類似する金属(以下の図を参照)を選ぶ事も可能である。


 あらゆる圏の霊的存在、守護神、知性体のために用いられる最良の金属は、いわゆるエレクトロ マギクム、全ての惑星に適切な諸金属の合金であり、私はそれを我が最初の著書「Initiation into Hermetics」での流体コンデンサーを扱った諸章で記している。そのような合金は、地球を取り巻く帯の霊的存在と、エレメンツ界のエレメンツの存在に特に適している。だが、木材、硬い木材、鉛もまた、地球を取り巻く帯のために用いられよう。


 月の圏とその28の知性体らについては、タリズマンの作成するためには銀を用いるべきである。これは惑星の類似の法則に従ってなされている。


 水星の圏には、真鍮を用いる。
 金星の圏には、銅を用いる。
 太陽の圏には、金を用いる。
 火星の圏には、鉄を用いる。
 木星の圏には、スズを用いる。
 土星の圏には、鉛を用いる。


 他の諸圏には、スズか銀が用いられよう。タリズマン作成のために選ぶ金属の上記の類似は、一般的な性質のものである。これらは、占星術の類似とともに作業するのを望む魔術師のみが考慮すればよい。よく訓練され、経験のある魔術師は、一般的に、2つの種類の金属のみで充分であろう。つまり、電気の性質が優勢の霊的存在のためには金を用いて、磁気の性質が優勢な霊的存在のためには銀を用いる。そして中立な存在、能動的でも受動的でもなく、電気も磁気も優勢ではない存在には両方の金属を用いる。この場合、小さな同じ大きさの金と銀の板を造り、共に接合し、例えばタリズマンがペンダントの形をしているならば、このタリズマンの片方の面が金で、もう片方の面が銀となる。


 だが、良き秘儀参入者、経験のある諸圏の魔術師には、正しい金属の種類を選ぶ問題は些細な事である。この魔術師は、どの圏のどの知性体のためにも、いかなる金属にも魔術的に充満させる事ができよう。なぜなら、魔術の接触、魔術師が選んだ対象物への充満は、その魔術の開発と成熟に拠るからである。


 達人は通常は知性体を充填させるためには、1つの好みの金属のみを持っており、純粋な金を用いている。だが勿論、これは真に必要な事では無い。どの一般的な材質のタリズマンも、完全な魔術の充満をしたならば、純粋な金や宝石で造られたものと同じ働きをする。


 魔術師がなす次の行為は、タリズマンへの魔術の充填である。これはタリズマンの充填での最も重要な作業である。これにより、タリズマンは魔術師が心に思う霊的存在や知性体と接触するための適切な道具となるからである。以下で魔術師は、魔術の充填のための作業の例を見い出すであろう。


 魔術師が、魔術や他の目的のために適した霊的存在、守護神、知性体を選ぶ際には、まず地球を取り巻く帯の霊的存在から始めるのが最良である。そして、この目的のために選んだ金属に印を彫ると、魔術師はタリズマンが物理的に形作られている時に、精神的に染み込まれた四大エレメンツによる全ての好まない影響から自由にする必要がある。そのためには、タリズマンを燃えるロウソクの上を数度振って、同時に炎が全ての否定的な影響力を払うと想像する事でなされる。


 それから、タリズマンを純粋な水を満たしたグラスへと浸して、一日中漬けたままにし、その間魔術師は水があらゆる悪しき影響を取り去るようにと集中する。一日過ぎたら、魔術師はタリズマンを水から取り出して、全ての否定的な影響力が共に流れ去ると想像しながら、水を捨てる。次に魔術師はタリズマンを回転する動きにより風へと振って、風エレメントがタリズマンから全ての否定的な影響力を取り去ると想像する。


 次に魔術師は、幾らかの土をこし紙の上に置いて、タリズマンをその上に置いてから、紙を丸めて手の中に掴めるようにする。そして、今タリズマンを包んでいる土のエレメントが、なおも密着している全ての否定的な影響力を取り除くと集中する。魔術師が充分に深く集中し、タリズマンから最後の好ましくない影響力が地エレメントにより取り除かれたと確信したならば、タリズマンを土から取り出して、一度も使われていない布で綺麗に拭いて、暗いヴァイオレット色のシルクで包む。この作業で用いたこし紙と土は、容易に近づけない場所に埋める。この作業の間、タリズマンはヘルメース学の観点からは、エレメンツにより清められる。これは、どのエレメンツももはやタリズマンに密着せず、そのためどのエレメントも充填に影響しないのを意味する。


 魔術師がこれに占星術の要素を含めたいと望むならば、暗いヴァイオレット色のシルクで包んだタリズマンを、(良い影響のある)占星術の時間まで保つであろう。そして、この時間が来たならば、魔術師はタリズマンの充填を始めるであろう。魔術師は新しい針で、彫った印を再び描き、この行いにより、霊的存在の興味や注意を、目の前にあるタリズマンへと再び惹く望みに集中する。この間、魔術師は何度となく心の中で、対象の知性体の名前を唱え続け、この知性体がタリズマンにその影響を送ると想像する。この物理的な準備、ヘルメース学の観点から「接触する」と呼ばれるものは、今や完了しようとしている。魔術師の充満の最初のステップは行われた。今や、充填の多くの可能性が存在する。


 充填の最も効果的な方法は、召喚によりなされる。つまり、適切な儀式により魔術の円の前に知性体を呼び、魔術の円の中か前に置いたタリズマンを承認する、つまりタリズマンを身に着けた者をいつでも助けるように尋ねる。知性体がタリズマンを身に着けた者にこの恩寵を与えると約束すると、魔術師は望んだことを達成し、タリズマンはよって充填された。だが、魔術師はタリズマンを用いる前に、知性体が勧めた事を全てなすようにする。例えば、知性体はタリズマンを身に着ける者に、タリズマンの力を保持するために、特定の言葉を述べたり、特定の印を描いたり、特定の名前を唱えるようにするといったような、同じ種類の儀式を毎日行うように警告するだろう。あるいは、これらを秘密に保つようにする、などである。


 タリズマンを充填する際に、あらゆる必要な事をなされたならば、これを身に着ける者は、魔術師がメンタルの旅や召喚による個人的な接触により得るのと同じ効果を得るだろう。上記のタリズマンの充填の方法は、特定の知性体との接触により得るタリズマンの充填の最も効果的な技法である。だが、この知性体について――接触するためにこの方法が用いられると――通常に起きる事は、タリズマンに縛るための従者のみが送られ、その名が身に着ける者に明かされるだろう。この後、これらの名前を唱えたり、特定の事前に与えられたしぐさをなすならば、望んだ結果を得るだろう。


 タリズマンの別の充満の仕方は以下のようなものである。知性体との接触は、その性質の繰り返しの想像によってなされる。魔術師はこれらの性質を心で集中する。またこの場合、時間や空間、因果律は取り去られているのにも気を付ける必要がある。この充填の方法では、魔術師が不動の確信を持ち、さらに知性体に自らの意志をなす、つまり望んだ結果をもたらすための充分な魔力も必要となる。別の可能性としては、充填を儀式の助けによってなす事である。これは、片手にタリズマンを持ったまま、知性体の印を空中に描き、もたらされる結果が現実化するよう集中する事でなされる。だがカバリストは、そのような儀式は、望んだ接触に結果が出て、タリズマンが真に魔術的に有効となるためには、少なくとも462回は行う必要がある事に気づいていた。


 充満のための次の方法は、いわゆる魔術のボルトによる充填であり、この目的のために、電磁気流が用いられる。このボルトは創造された後に、電磁気流により充填される。対象の知性体の性質は、想像力の助けにより、このボルトの中心に不動の確信と共に集中する。またタリズマンの金属がボルトを吸収するよう、繰り返しの行動によっても蓄積させる。それにより、アカシャ界に望んだ原因を創り出し、それにより望んだ結果があるであろう。


 タリズマンを充填するための別の方法もあり、その一つは性魔術によるものである。だが、悪用を避けるために、この技法についてはここで詳細は述べない。高次の密儀へと秘儀参入され、それゆえに全てが清らかで聖なるものとなった魔術師には、男と女がどのようにプラスとマイナスであるかを疑い無く知り、ボルトの助けによりタリズマンの魔術による充満のために、それらを用いる事もできよう。


 カバラの技法は、タリズマンを充満させるための最後の可能な方法である。カバラへと秘儀伝授された魔術師は、この技法を用いる事もできよう。タリズマンへ向けて、対象の知性体の名前をカバラ的に唱え、それにより充填されるよう準備される。この行いにより、知性体の性質はタリズマンへと送られるであろう。


 タリズマンのこのような魔術、カバラの充填の詳細は、この時点までの全ての教授に従ってきた全ての秘儀参入者らや、どの圏に属するにせよ、あらゆる知性体と接触するのを学び、一部の知性体によりカバラを教えられた者は知るであろう。


 だが、「The Key to the True Quabbalah」と名付けた我が第3の書は、読者にタリズマンの充填と、魔術のタリズマン術の基礎についての詳細を与えるであろう。成熟した読者は、充分な情報を見い出すであろうが、未熟な読者には、この学はなおも秘密のままにあろう。


召喚魔術の実践 結論
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