ゾーハル 小聖会の書 22

ページ名:ゾーハル 小聖会の書 22

第22章*1 小さな顔の残った部分について


734. この男(小さな顔)は、(ホクマーとビナーから)受け取った遺産を通じて、右と左へと拡張する。


735. だが、色が混ざり合っている時は、この方はティフェレトと呼ばれ、その体全体は樹(エッツ ハイイム、生命の樹)*2の形となる。それは大きく強く、美しい。


736. ダニエル書 第4章12節に「野の獣はその陰にやどり、空の鳥はその枝にすみ、すべての肉なる者はこれによって養われた」とあるようにである。


737. その腕は左右にあり、右腕はヘセド(慈悲)と命であり、左腕はゲブラー(峻厳)と死である。


738. ダアト(知識)を通じて、その内なる部分は形成され、私が既に述べたように、集会と聖会で満たされる。


739. ゆえに、「ダアトを通じて、聖会は満たされる」と書かれている。


740. その後、この方の体は2つの腿へと拡張し、その内側には2つの腎臓、2つの男の睾丸が保たれる*3


741. 聖油と威厳と男の力は、体全体からこれらに集められ、全ての峻厳はこの性器の入り口から放たれるからである。


742. それゆえ、これらはツァバオト(万軍)と呼ばれ、またネツァフ(勝利、第7のセフィラ)とホド(栄光、第8のセフィラ)とも呼ばれる。ティフェレトはテトラグラマトンであるが、ネツァフとホドはその軍勢だからである。ゆえに、テトラグラマトン ツァバオトの御名で呼ばれる。


743. 体全体の尖端にある男の部分は、イェソド(基盤)と呼ばれ、女を和らげる部分である。男のあらゆる望みは、女に向かっているからである。


744. この基盤により、シオンあるいはエルサレムと呼ばれる場所で、彼は女の中に入る。


745. ゆえに、テトラグラマトン ツァバオトはイェソド(基盤、第9のセフィラ)と呼ばれる。また、詩篇 第132篇13節にも「主(テトラグラマトン)はシオンを選び、それをご自分のすみかにしようと望んで(さらに、彼女を望んで)」と書かれている。


746. このמתרוניתא(MTRVNIThA、マトロニタ、一つの完全な体)の状態にある時、母は分離され、安息日の美徳の中で王と顔と顔で向き合って結び付き、万物は一つの体となる。


747. そして、聖なる方――その御名に祝福あれ!――が、その御座に座り、全ては完全な御名、聖なる御名で呼ばれる。その御名が永遠に、世々限りなく祝福されん事を。


748. 私は今日までこれら全ての言葉は保ち続けて、来るべき世界で彼ら(神と聖人ら)により王冠を与えられるようにしていた。そして今、ここでこれらは述べられた。我が場所に祝福あれ!


749. そして、母が王と結びつくと、全ての諸世界は祝福を受け、世界には喜びが見い出せる。


750. 男(小さな顔)が、3つ組(ケテル、ホクマー、ビナー)から存在し、この3つ組から始まるように、万物は配置され、その体全体の終わりはここにある。また、(低位の)母は、ネツァフ、ホド、イェソドの小路である3つ組の集成からのみ祝福を受ける。


751. そして彼女は下界の至聖所と呼ばれる場所で和らげられ、祝福を受け取る。


752. それについては、詩篇 第132篇3節に「主(テトラグラマトン)(が祝福を与える)のための所を捜し出し」と書かれているようにである。上と下の2つの小路があるからである。


753. それゆえ、この至聖所では大祭司を除いては入る事が許されない。そして、この大祭司はヘセドの面から入る。ヘセドと呼ばれる小路以外からは、上位の場所には入れないからである。


754. そして、大祭司は至聖所へと入り、花嫁は和らげられ、至聖所は祝福を受ける。その場所はシオンと呼ばれる。


755. だが、シオンとエルサレムは2つの小路であり、片方は慈悲を示し、もう片方は正義を示す。


756. 私が先に述べたように、このシオンについては、イザヤ書 第1章27節に「正義(ミシュパト、直訳すると裁き)をもってあがなわれる」と書かれている。また、エルサレムについては、同書の21節に「正義(ツェデク)がその内に宿っていた」とある。


757. そして、男のあらゆる望みは、女に向かっている。ゆえに、これらはこう呼ばれる。なぜなら、これらから全ての諸世界に祝福は放たれ、万物は祝福を受け取るからである。


758. この場所は至聖所と呼ばれる。私が既に述べている小路を通じて、男はこの中に入る。


759. だが、これら全ては、男の頭蓋骨の上位の頭、その中に住む上位の脳の場所から来る。


760. そして、この祝福は、体の全ての部分を通じて流れ落ちていき、ツァバオト(万軍)と呼ばれる部分すらもである。


761. 体全体を流れる全ては内側へと集積し、それゆえツァバオト(万軍)と呼ばれる。なぜなら、上位者と低位者らの全ての軍勢は、そこから放たれるからである。


762. そして、この流れはこの場所に集まっていき、最も聖なるイェソド(基盤)より放出され、それは完全に白く、それゆえヘセド(慈悲)と呼ばれる。


763. それゆえ、このヘセドは至聖所へと入り、それについて詩篇 第133篇3節では「これは主(テトラグラマトン)がかしこに祝福を命じ、とこしえに命を与えられた」と書かれている。


764. ラビ アッバはこのように記している。この聖なる光を保つ者(ラビ シモン)が、「命」という言葉を微かな声で言い終えると、沈黙をした。私は書き記し続け、なおも私が書く事があると考えていたが、私は何も聞かなくなった。


765. 私は頭を上げてラビを見る事が出来なかった。なぜなら、ラビを取り巻く光はかくも強く、私は直視出来なかったからである。


766. それゆえ、私が震えていると、ある声を聞いた。それは、大声で叫び、箴言 第3章2節の「あなたの日を長くし、命の年を延べ」などを述べた。


767. また別の声が、詩篇 第21篇4節の「彼が命を求めると」などを述べるのも聞いた。


768. この日全体で、家を取り巻く火は去っていかず、ラビの近くへ行ける者はいなかった。なぜなら、火と光はラビの周囲をその日中に取り囲んでおり、彼らは行えなかったからである。


769. そのため、私は顔を地に伏せて、大声で泣いた。


770. そして、その命が去っていく時、私は聖なる光を保つ者、聖なる中の聖なる者(ラビ シモン)が、この世界から取り去られるのを見た。


771. そして回転して、ラビの体は右側へと倒れたが、その顔はなおも笑みを浮かべていた。


772. 彼の息子ラビ エレアザルは立ちあがり、その手を取ると接吻をしたが、私はラビの足元にあった塵に接吻をした。


773. 仲間らは、ラビを弔う言葉を望んだが、彼らは何も喋れなかった。だが、仲間らは泣き始めて、ラビ エレアザルは3回伏して、その口を開けなかった。


774. だが、ようやくラビ エレアザルは「我が父よ! 我が父よ!」と言った。そこには3人がいて*4、1つへと彼らは戻った。


775. 今やかの生き物ら(ケルビム)が(御名より)飛び進み、鳥らは上へと飛び、大海の入り口にて自らを隠し、全ての仲間らはその血を飲む時である。


776. だが、ラビ ヒヤが立つと、言った。これまで聖なる光を保つ者(ラビ シモン)が、我らの世話をしてきた(別版では、我らに関わってきた)。今はラビの栄誉を保つ以外の事は適してはいない時である。


777. それゆえ、ラビ エレアザルとラビ アッバは立つと、ラビに埋葬の衣を着せた。かくも混乱して、混ざり合った学者らの集まりを見た者は今までいようか? 家全体は、(死者の手向けのためのスパイスの)香ばしいかおりに満たされた。


778. それから、彼らはラビを棺桶へと入れた。ラビ エレアザルとラビ アッバ以外に、これらを行える者はいなかった。


779. そして、カファルの町から、リクトル*5と兵士らが来て(別版では、トリポリとタルダイアから博士と学者らが来て)*6、彼らを追い払った。


780. だが、マロネアの町の住人らは、彼らをこの大騒動から救った。なぜなら、彼らはラビはそこに埋められたとは考えていなかったからである。


781. そして、墓の棺台へと運ばれた時、ラビ シモンの体は空中へと浮かび、火がその周囲を取り囲んでいた。


782. そして、声が聞こえてきた。来たりて、共に集まり、ラビ シモンの挙式に入れ。イザヤ書 第57章(1-2節)に「正しい者は平安に入り、すべて正直に歩む者は、その床に休むことができる。 」と書かれているようにである。


783. そして、墓の洞窟の中へとラビが入れられると、洞窟の中で声が聞こえた。「大地を掻き乱し、諸王国を震えさせた彼はここにいる」


784. この方のために、どれだけの解放が天で溜められていることか!


785. これぞ、ラビ シモン ベン ヨハイ、この方により、主は日々栄光を与えられる。祝福あるは、上と下でのその場所である!


786. この方のために、どれだけ多くの至高の宝が約束されていることか!


787. このラビについて、ダニエル書 第12章13節では「しかし、終りまであなたの道を行きなさい。あなたは休みに入り、定められた日の終りに立って、あなたの分を受けるでしょう」と述べている。


これが、小聖会(の書)である



イスラエル北部のメロンの町にあるラビ シモン ベン ヨハイの墓。現代でも参拝が絶えない


↑ 明かされたカバラ


*1 マサース注。このイドラ ズタ(小聖会)は全てで22章を含むが、これはヘブライ文字の数であり、聖ヨハネの黙示録の章の数であり、エレミヤの哀歌の第1、2、4、5章の節の数などである。これはカバラの鍵の数である。
*2 マサース注。生命の樹は統一された体であり、善悪の知識の樹は分離された体であるのに注意せよ。
*3 マサースは、この部分と、以下の741節、743-744節もラテン語のままにしている。理由は言うまでもない。
*4 マサース注。ケテル、ホクマー、ビナーの象徴である、ラビ シモン、アッバ、エレアザルの事である。
*5 ローマ帝国での要人護衛の役職。当時、帝国はユダヤの反乱直後で弾圧をしていたので、嫌がらせに来たようである。
*6 マサース注。クロル フォン ローゼンロートは、これは埋められた聖人の侮辱のためなのか、その名誉への嫉妬のためなのか疑いがあると、ラテン語での注記を加えている。