ゾーハル 小聖会の書 19

ページ名:ゾーハル 小聖会の書 19

第19章 小さな顔の唇と口について


678. これらの(髭の)毛は唇を覆っておらず、唇全体は薔薇のように赤い。雅歌 第5章13節に「その唇は、薔薇のようで」と書かれているようにである(通常の聖書では、שושנים(ShVShNIM、シュシャニム)は「薔薇」ではなく「百合」と訳される)。


679. その唇はゲブラー(峻厳)を囁くが、これらはまた、ホクマー(知恵)も囁く。


680. これらの唇に、善悪、生死といったものが拠っている。


681. これらの唇に、監視の主らが拠っている。これらの唇が囁く時、彼らは全て秘密の事柄をもたらすよう刺激され、同時に法廷に住む全ての裁きの主らも刺激される。


682. それゆえ、これらは監視者たち(The Watchers)と呼ばれる。ダニエル書 第4章17節に「この宣言は監視者たちの命令によるもの、この決定は聖なる者たちの言葉によるもので」と書かれているようにである。


683. この監視者とは何か? かの論書では、サムエル記上 第28章16節の「主があなたを離れて、あなたの敵となられた」の文から説明している。


684. このように、裁く者らは上位者らの慈悲を得なかった者らに対して刺激される。


685. ゆえに、これら刺激された者らは、万物に対立する主らである。


686. にも関わらず、それぞれの場合に、慈悲と裁きがある。それゆえ、ダニエル書 第4章13節で「ひとりの監視者、ひとりの聖なる者」と書かれているが、これは裁きと慈悲である。


687. そして、これらの唇の間が開かれると、口は露にされる。


688. そして、רוח(RVCh、ルアフ、霊あるいは息)が口から放たれて、数千の無数の者らが取り囲まれる。そして、ルアフが拡張する事で、真の預言者らも取り囲まれ、これら全てはテトラグラマトンの口と呼ばれる。


689. その口から唇を通じて御言葉が発せられると、18,000の諸世界*1で囁かれる。やがては、12の小路、知られる道で共に結び付く。一方は他方を常に期待する。


690. この舌により、崇高な発言の音の表現が、その中央の結びでなされる。


691. それゆえ、雅歌 第5章16節で「その口は、最も甘く」と書かれる。この口蓋は甘い味を伝える。それゆえ、この方が食物を味わう(それは喜びである)*2と、笑みを浮かべる。


692. そして、この方は望むもの(あるいは喜び)と共にあり、火と水(の諸力)と共にある。なぜなら、火と水はお互いに入れ替えてあり(別版では、共に結び付いており)、その結び付きは美(ティフェレト)だからである*3


693. また、その色がお互いに結び付いているからである。


694. その口蓋の中に、(ヘブライ文字の)喉音の文字(すなわち、א(A)、ה(H)、ח(Ch)、ע(O))が形成される。その口蓋でも、これら(口蓋音の、ג(G)、י(I)、כ(K)、ק(Q))は蓄積される*4


695. א(A、アレフ)の文字は、王らを注ぎ、作り出す*5(すなわち、この喉音の文字は第1のセフィラ、ケテル、王冠を表し、口蓋音の ג(G、ギメル)となる)。


696. ח(Ch、ヘット)の文字は進み、下降して上昇し、頭に王冠をかぶり(これは第2のセフィラ、ホクマーを表している)、エーテルで燃やされる火である(すなわち、口蓋音のי(I、ヨド)となる)。


697. ה(H、ヘー)の文字は、イマー(母)の黄金の色であり(別版では、芽生える力であり)、女性の力と結びつき、聖都を望む大いなる母の性的能力へと拡張する。これら2つ(別版では、これらの場所)は、お互いに結び付いている(この2つとは、イマー(母)、יהוה(IHVH)の上位のה(H)、および、聖都エルサレム、花嫁(「ヨハネの黙示録」では、聖都はそう呼ばれる)、IHVHの最後のHである)。(そして、喉音のה(H、ヘー)の文字は、王妃を表す口蓋音のכ(K、カフ)を作る)それについては、雅歌 第4章6節で「没薬の山および乳香の丘」と書かれている。


698. ע(O、アイン)の文字(これは、破壊された7つの低位者らを示す)は、調停の触媒あるいは光輝(すなわち、壊れた器の低位の光)であり、その唇が循環する事で形成された(そして、ק(Q、コフ)の文字へと濃縮し、口蓋の中心から唇へと進む)。霊において小さな顔と結び付いた(生命の樹の)枝は、(前の諸世界でのように、修復された世界でも)形成されたからである。


699. これらのソロモン王の神秘の文字は、א(A)、ה(H)、ח(Ch)、ע(O)の4文字であり、それにはג(G)、י(I)、כ(K)、ק(Q)に取り囲まれている。


700. それについては、ヨブ記 第6章6節に「味のない物は塩がなくて食べられようか」などと書かれている。


701. また、イザヤ書 第32章17節にも「צדק(TzDQ、ツェデク、正義)は平和を生じ」と、また詩篇 第19篇10節にも「これらは金よりも、多くの純金よりも慕わしく」などと書かれている。


702. だが、(詩篇の著者とされる)ダヴィデ王は、同書の11節で「あなたのしもべは、これらによって戒めをうける」とも述べている。


703. 私について確証をすると、私は日々、これらについて慎重であり、過ちが無いようにしてきた(すなわち、9節にある裁き、ミシュパトについてである)。


704. その例外は、ある日、私はマナネアの洞窟で王の諸王冠と結びついた時*6、私はその怒りの炎の顔から出る燃える火の光輝を見て、恐怖で震えた。


705. その日から、私はこれらについての黙想を常に慎重に行うようにし、生涯において省略したりもしなかった。


706. 祝福あるは、王よりも古き(別版では、寛大である)方に対して賢明で、それらを適切に味わう者の場所である。


707. それゆえ、詩篇 第34篇9節では「主(テトラグラマトン)の恵みふかきことを味わい知れ」などと書かれている。


708. また、箴言 第9章5節にも「来て、私のパンを食べ」などと書かれている。


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↑ 明かされたカバラ


*1 マサース注。これはアシヤー界での18の数である。そして、18は72の4分の1である。72は、シェム ハ=メフォラシュの数であり(前の注記を参照)、黄道の360度の5進法あるいは5度ずつの数でもあり、12宮のそれぞれ30度で6つずつある。ここで我々は黄道12宮へと戻り、これらはセフィロトから「王妃の7つの小路」を通じて働く。これらも、最初の3つのセフィロトに拠る。また、これら3つもケテルに拠っており、ケテルは広大な顔であり、その背中はヴェールの中にある否定的存在に拠っている。そして、広大な顔はהוא(HVA、ホア)と呼ばれ、その数は12であり、その表現をイマー エロヒムに見い出せる。これによって、この世界に永遠の御言葉の流れと逆流が走っている。
*2 マサース注。この691節のこの文が最良の翻訳かどうか私には疑いがある。なお、ローゼンロートは一切訳していない。カルデア語では、ממתקים ודאי מאי חכו כדא וחיך יטעום לאכול(MMThQIM VDAI MAI ChKV KDA VChIK ITOVM LAKVL)とある。
*3 マサース注。この節全体は注記が必要である。まず最初に観察すべき事は、クロル フォン ローゼンロートのラテン語訳版では、このמחמדים(MChMDIM、マヘマディム)の言葉の中に、אש(ASh、火)とמים(MIM、水)はある種の綴り替えで隠されていると推測している。このMIMがこの言葉の中にあるのは正しいが、AShはそうではない。残っている文字、חמד(ChMD)で、私が知る限り、火を意味する言葉を作る解釈の規則は無いからだ。以下は、私がこの文の真の意味と考えるものである。ホクマーは火、יהוה(IHVH)のי(I)、父であり、ビナーは水、יהוה(IHVH)のה(H)、母であり、これらが結び付くと、息子を生み出す。そして、火は上向きの三角形により象徴され、水は下向き三角形であり、共に結び付くと、六芒星ヘクサグラム、大宇宙の印、小さな顔、ו(V、ヴァウ)の外的な象徴を形成する。よって、息子である小さな顔は、父と母の2つの性質を受け継ぎ、それは「喜び(マヘマディム)」の言葉が複数形で書かれている事で示される。
*4 マサース注。ヘブライ文字は通常は以下の様に区分される。喉音 = א(A)、ה(H)、ח(Ch)、ע(O)(また、一部の者は ר(R)もここに含む)。口蓋音 = ג(G)、י(I)、כ(K)、ק(Q)。舌音 = ד(D)、ת(Th)、ט(T)、ל(L)、נ(N)。歯音 = ז(Z)、ס(S)、ש(Sh)、צ(Tz)(他の者らはר(R)をここに入れる)。口唇音 = ב(B)、ו(V)、מ(M)、פ(P)。また、「セフェル イェツィラー」では、これらを別に分けている。3つの母の(原初の)文字 = א(A)、מ(M)、ש(Sh)。7つの2重文字 = ב(B)、ג(G)、ד(D)、כ(K)、פ(P)、ר(R)、ת(Th)。12の単独文字 = ה(H)、ו(V)、ז(Z)、ח(Ch)、ט(T)、י(I)、ל(L)、נ(N)、ס(S)、ע(O)、צ(Tz)、ק(Q)。上記の区別では、ר(R)は歯音に含まれる。
*5 マサース注。この節と698節には、エドムの王たちと、その象徴を表すものが含まれる。すなわち、今は破壊された原初の諸世界を示している(「隠された神秘の書」の第1章3節と、「大聖会の書」の第2章、26章、「小聖会の書」の第10章を参照せよ)。
*6 マサース注。すなわち、王、小さな顔を形成するセフィロトの性質などについて黙想した時である。この章の後の部分から判断して、それらは裁きと怒りの様相のみのようである。