ゾーハル 小聖会の書 1

ページ名:ゾーハル 小聖会の書 1

האדרא זותא כדישא

(ハ=イドラ ズタ カディシャ)

あるいは

小聖会の書


第1章 序文


1. 言い伝えによると、ある日、ラビ シモンの家に仲間らが集まって、そこでラビは今後の事についての指示をした。なぜなら、ラビはこの世界をもう旅立とうとしていたからである。ラビの前には、その息子ラビ エレアザルと、ラビ アッバ、その他の仲間らもいた。家は大勢の人で満たされた。


2. そのため、目を開けると、ラビ シモンは家には人が満ちているのを見た。そしてラビ シモンは泣きだして、言った。「私が病になって、(義父の)ラビ ベンハス ベン ヤイルが我が前にあった時から、これで2度目だ。我が場所を選んでから、我が命は今日まで伸ばされてきた。


3. 私が病から回復した時、(我が住居を、神秘的な)火が取り囲み、それまで消える事は無く、そのため許可無しには誰も我が元へと入ったりは出来なかったのだ。


4. だが今では、この火は取り去られ、この家には人が満ちている*1


5. 彼らが座ると共に、ラビ シモンは目を開き、ある幻視を見た。そして見よ! 火が家を取り囲んでいる!


6. そのため、他の全ての者らは逃げ出したが、その息子ラビ エレアザルと、ラビ アッバのみは残っていた。だが他の仲間らは外側に座っていた。


7. ラビ シモンは息子のラビ エレアザルに言った。「行くのだ。そして、ラビ イツハクがいるかを確認せよ。私は彼がいるか確信したいからだ。


8. そして彼に、自らの仕事は置いておいて、我が傍に座るように述べよ。その場所に祝福あれ」


9. それからラビ シモンは立ちあがり、再び座った。そして大声で笑い、喜び、言った。「どこに仲間らはいるのか?」


10. ラビ エレアザルは立ちあがり、彼らに紹介し、彼らはラビ シモンの周囲に座った。


11. ラビ シモンはその手を上げて、祈りをし、とても喜んでいた。


12. そしてラビ シモンは言った。「先の聖会での仲間ら*2に、ここに集まるようにせよ」


13. それによって、他の全てらは去っていき、残ったのは息子のラビ エレアザル、ラビ アッバ、ラビ イェフダー、ヤコブの子のラビ ヨシ、ラビ ヒヤであった。


14. そして、ラビ イツハクが入ってくる中、ラビ シモンは彼に言った。「汝が来るとはなんと素晴らしきことか! 汝が集まるとは、この日は何と喜ばしいことか!」


15. ラビ アッバはラビ シモンの背中の場所に座り、ラビ エレアザルはその前に座った。


16. それから、ラビ シモンは言った。「確実に今や慈悲の時であり、混乱無しに来るべき世界(来世。死後の世界)に入りたいと私は望む。


17. そしてまことに、これまで明かされてこなかった聖なる事柄を、シェキナーの御前にて明かしたいと望む。


18. この世界から、これらを隠して、取り除いているとは誰にも言わせないようにしよう。これまで、これらの事柄は私の心の中に留めていたが、来るべき世界へと入ろうとしてる今、汝らに伝えたいと願う。


19. だが、我が取り決めとして、汝、ラビ アッバはそれらを書き記し、我が息子ラビ エレアザルは公に語るようにせよ。そして、残りの仲間らは、その心の中で沈黙とともに黙想するようにせよ」


20. ラビ アッバはラビ シモンの背中にある座から立ちあがり、一方で息子のラビ エレアザルは座ったままであった。


21. ラビ シモンはラビ エレアザルに言った。「立ちあがれ、我が息子よ。もう片方(ラビ アッバ)は座に座るべきだ」そして、ラビ エレアザルは立ちあがった。


22. ラビ シモンは自らを覆い、座ると、言い始めた。詩篇 第115篇17節に「死んだ者も、音なき所に下る者も、יה(IH、ヤー、神)を褒め称えることはない」とある!


23. この「死んだ者も、ヤーを褒め称えることはない」とは、死者と呼ばれる者らであるのは確実である。神、最も聖なる御方――その御名に祝福あれ!――は、生ける者と呼ばれ、神自身は生けると呼ばれる者らにより祝され、死んだと呼ばれる者らからでは無いからだ。


24. そして、(原文の)この文の最後には「音なき所に下る者も」とあるが、それは音なき所に下る者らは全て、ゲヘナ(地獄)に留まるからだ。


25. また、これらが生けると呼ばれる者らが祝する別の理由もある。神、最も聖なる御方――その御名に祝福あれ!――は、これらの栄光を望むからだ。


26. ラビ シモンは言った。先の聖会から、今回は何と違う事か! この特別な聖会には、この御方、最も聖なる祝福された神とそのチャリオットも来ていたからだ*3


27. 今は、まことに、聖なる御方――その御名に祝福あれ――がここにある。そして、エデンの園*4にある義人らと共に近づいているが、先の聖会ではこれは起きなかったのだ。


28. そして神、最も聖なる御方――その御名に祝福あれ――は、自らの栄光よりも、この義人の栄光をより努めている。


29. ヤラベアム王*5が、他の神々に生贄を捧げて仕えていつつも、神、最も聖なる御方――その御名に祝福あれ――は、この王を待っていたと書かれているようにである。


30. だが、王はその手を預言者イドに対して伸ばしたので、その手は枯れた。


31. それについて、列王記上 第13章4節で「ヤラベアム王は、祭壇から手を伸ばして、「彼を捕えよ」と言ったが、彼にむかって伸ばした手が枯れて」などと書かれているからである。これは、王が別の神々に仕えていたからではなく、その手を預言者イドに伸ばしたからである。


32. それゆえ今や、神、最も聖なる御方――その御名に祝福あれ――は、(義人らの)栄光を努め、彼ら全ては神と共に来ている」


33. ラビ シモンは言った。「まことに、長老のラヴ ハメヌナもここにいて、その周囲には長老のサークルを表している70人らも取り囲んでいる。彼らは、最も聖なる老いたる者、全ての隠された中の隠された者の光輝により照らされている。


34. *6長老は、私が語るこれらの言葉を聞いて喜ぶために、ここに来ている」


35. 仲間らは大きく震え、立ちあがり、家の中の低い部分へと座り直した。だがラビ エレアザルとラビ アッバは、ラビ シモンの前に座った(ままにあった)。


36. ラビ シモンは言った。「先の聖会では、我々は全ての仲間らが語るようにしていたが、ここでも私は順に皆が語るようにする。


37. まず今は、私が単独で語り、我が言葉が上位者らも低位者らも全て聴くようにしよう。この日の我が場所に祝福あれ!」


38. ラビ シモンは言い始めた。雅歌 第7章10節に「私はわが愛する人のもの、彼は私を恋い慕う」とある。


39. 私が神と繋がったこの世界に繋がっている限り、神、最も聖なる御方――その御名に祝福あれ――は私と繋がっている。それゆえ、今はその望みは私に向かっている。


40. 神自身とその聖なる仲間全体がここに来て、喜びとともにこれらの隠された言葉と、最も聖なる老いたる者、全ての隠された中の隠された者の賞賛を聞こうとするからだ。


41. そして、神自身は常にますます自らを分離させる。神は万物から分離されるが、しかし神自身は分離していない。神自身の中に万物は繋がっており、神自身は万物と繋がっているからだ。HVA(ホア、神自身)、最も聖なる老いたる中の老いたる者、全ての隠された中の隠された者は全てである。


42. 神は形成され、それでいて、形成されていない。神は固められ、万物を保つようにするが、それでいて、固められていない。神は発見されていないからである。


43. 神が固められた時、9つの光を放ち、そこから、その構造から輝く。


44. そして神自身から、これらの光は輝き出で、炎を放ち、あらゆる面へと拡張していった。高い場所のランタンから、光線が下のあらゆる面へと放たれるようにである。


45. そして、これらの光線*7は拡張されるが、これらの近くに引き寄せられた者は調べられるが、見いだせない。そして、ランタンのみがそこにはある。


46. 同様に最も聖なる日の老いたる者もであり、全ての隠された中で隠された最も高い光である。そして、この方は見い出せず、(そこから放たれる)光線*8は別で、拡張し、明かされ、隠されている。


47. そして、これらは聖なる御名と呼ばれ、それゆえ全てのものである。


48. 真に我らが仲間が先の書で述べたのは、これらの特定の小路は最も聖なる老いたる者により作られた事であった。この方については、これらを集めた形や個別の形で(大聖会の書で)明かされた。それゆえ、これらは最も聖なる老いたる者の諸構造であるが、それらについては今は語る時ではない。


49. 私はこれらについて、かの聖集会(大聖会)で語っているが、私は(当時は)理解していなかった事も今では見ていて、我が心に隠しているものもある。


50. だが今や、私はこれらの言葉を聴くために集まってきた聖王と義人らの御前にて、これらの事についても述べるとしよう。


ゾーハル 小聖会の書 2
↑ 明かされたカバラ


*1 そのため、ラビ シモンは自分の死期が近いのを悟って泣いたのだろう。
*2 マサース注。大聖会に参加していた者らである。
*3 マサース注。これは、大聖会は天のセフィロトの聖会の反映であったという意味である。ちなみに、ここで「チャリオット」と訳されている言葉は、メルカヴァーではなく、レシクである。
*4 マサース注。天の楽園の事である。
*5 ソロモン王の死後に南北に分裂したイスラエルで、北イスラエルの初代王。
*6 マサース注。原書では、前節とこの節では、おそらくは間違いによって、どちらも33の節番号がある。
*7 マサース注。ランタンとその光線の例えである。
*8 マサース注。セフィロトの事である