ゾーハル 大聖会の書 34

ページ名:ゾーハル 大聖会の書 34

第34章 小さな顔の髭について


749. ラビ シモンは言い始めた。申命記 第4章4節に「しかし、あなたがたの神、主(テトラグラマトン)につき従ったあなたがたは」などと書かれている。


750. イスラエルほどに聖なる国はあろうか? それについて、申命記 第33章29節に「イスラエルよ、あなたは幸せである*1。だれがあなたのように、主に救われた民があるであろうか」と書かれているからである。なぜならば、この御名を通じて、彼らはこの世界で神に認められたからである。


751. そして、来るべき世界では、それ以上である。そこでは、我々はここでの集会から分離される事は無くなるからである。


752. これについては、「主につき従ったあなたがたは」と書かれている。そして、ここではחדפקים ליהוה(ChDPQIM LIHVH、ヘデペキム レ=テトラグラマトン、テトラグラマトンへとつき従う)とは書かれずに、適切にביהוה(BIHVH、ベ=テトラグラマトン。テトラグラマトンのうちに)と書かれている。


753. 私が学んだ事によると、慈悲深く、聖なる、素晴らしき、全てが隠された(広大な顔の)髭から、聖なる油が小さな顔の髭へと流れる。


754. そして汝が、この髭は見出せず、ソロモン王ですら頬に対してのみ語っていて*2、髭については一切述べていないと言うかもしれない。


755. ゆえに、私が「隠された神秘の書」で学んだ(そして返答をなす)のは、これは隠されており、深遠なものであり、そのため記されず、露にはされていないのである。この万物に勝って尊く、素晴らしきものは、隠されているのである。


756. そして、この髭は称えられ、完全であり、顔全体の威厳であるので、これらの聖書の中では、これは隠され、認められないのである。


757. この髭は、小さな顔の完成で美である。そして、そこには9つの構造がある。


758. だが、老いたる中の老いたる者の尊い髭が、小さな顔の髭へと輝くなら、その13の素晴らしき油の泉が、この髭へと流れ落ちる。


759. また、この中には22の小路が見い出せ、ゆえに聖なる律法の22文字へと拡張される。


760. そして、私が学んだ事によると、この髭は耳から発され、下降して上昇し、2つの香しき場所(頬)へと触れる。


761. この香しき場所とは何か? それは雅歌 第5章13節に「その頬は、芳しい花の床(複数形ではなく単数形)のように、香りを放ち」と書かれているようなものである。


762. この小さな顔の髭は、9つの構造で配置されている。


763. また、この髭の毛は黒く、美しい男のように慎重に整えられている。それは雅歌 第5章15節に「その姿はレバノン杉のごとく、香柏のようで、美しい」と書かれているようにである。


764. この第1の構造では、髭の毛は上の場所から従っていき、そこから火花が放たれるが、それは最も激しい輝きがある。そして、純粋なエーテルの絶対者からそれは放たれ、髭の毛の下へと通過し、両耳の上にある髭の房の下へと均等にある。そして、これは耳の入り口の前へと降りていき、口の入り口にまで均等にある。


765. 第2の構造では、その毛は口の片方の部分から進んで上昇し、口のもう片方の部分へと均等に向かう。そして、口の片方の下からも降りていき、もう片方の部分へと向かう。その毛は美しく配置されている。


766. 第3の構造では、鼻の下、2つの鼻の孔の下の中央から、特定の小路を通っており、短く荒い毛がこの道を満たしている。そして、残っている毛が、この小路の周囲の、この面からかの面までも満たしている。


767. だが、この小路は(口の下に継続して)明白には見えず、その上の部分のみであり、それは唇の始まりから均等に降りていき、この小路が定められている。


768. 第4の構造では、その毛は進み、整って配置され、上昇し、老いたる者の香しき場所である頬全体に広がる。


769. 第5の構造では、この毛は乏しくなり、あちらとこちらの面に、赤薔薇のように赤い2つのリンゴが見え、これらは270の諸世界へと光を放ち、それによって燃え上がる。


770. 第6の構造では、この毛は巻き毛のように髭(の周囲)を進み、生命に重要な諸器官に至るまで均等に髭の房が吊るされているが、心臓の部分にまでは降りていない。


771. 第7の構造では、この毛は口には生えておらず、この口はあらゆる面で露わにされていて、この毛はその周囲に配置されている。


772. 第8の構造では、この毛は髭の下から降りていき、喉を覆っていて、そのため見る事は出来ない。これらの毛全ては細く、あらゆる部分で毛は豊富にある。


773. 第9の構造では、この毛はそれらに加わったものと混ざり合っていて、これらは頬から均等にあり、その毛は吊るされている。これら全ては勇敢な男、戦争で勝利した英雄のように、均等で美しくある。


774. これら9つの構造を通じて、荘厳な聖油の9つの泉は流れ落ちており、それは無論のこと(広大な顔の髭の)荘厳な上位の聖油から、これら全ての低位者らへと流れ落ちている。


775. これら9つの構造は、それらの中に(別版では、この髭の中に)見い出せて、この髭の構造の完成により、低位の人の子は勇敢な男と呼ばれる*3


776. (眠っている間に)適切な形*4で存在するこの髭を見るならば、その中に勇気と力を見い出すからである。


777. ラビ シモンは、その息子のラビ エレアザルに言った。「我が息子よ、立ちあがり、その諸構造にある聖なる髭の各部分について説明せよ」


778. ラビ エレアザルは立ちあがり、言い始めた。詩篇 第118篇5-9節に「私が悩みのなかからיה(IH、ヤー、主)を呼ぶと、主は答えて、私を広い所に置かれた。主(テトラグラマトン)が私に味方されるので、恐れることはない。人は私に何をなし得ようか。主は私に味方し、私を助けられるので、私を憎む者についての願いを見るであろう。主に寄り頼むは人にたよるよりも良い。主に寄り頼むはもろもろの君にたよるよりも良い」と書かれている。


779. ここには、この髭の9つの構造が描かれている。ダヴィデ王*5は他の王らと国々に勝利するために、これらの配置を必要としたからである。


780. 来たりて見よ! 王はこれらの9つの構造について述べた後に、さらに(10節で)「もろもろの国民は私を囲んだ。私は主(テトラグラマトン)の御名によって彼らを滅ぼす」と加えている。


781. それゆえ、我々が先に述べていた、これらの構造を王は繰り返している。だが、なぜそうする必要があるのか? なぜなら、王は「もろもろの国民は私を囲んだ」と述べているからだ。これらの9つの構造の配置、すなわちיהוה(IHVH、テトラグラマトン)の御名によって、この敵らは大地から切り倒されるのである。


782. これは「主(יהוה(IHVH))の御名によって彼らを滅ぼす」と書かれているのと同じである。


783. また、私が「隠された神秘の書」で学んだ事によると、ダヴィデ王がここで列挙する、この9つの構造のうち、6つが聖なる御名を構成する。それらは6つの御名だからであり、さらに残りの3つはאדם(ADM、アダム、人)を構成する。


784. そして、汝が(これらの句の中にアダムの言葉が)2つしかないと言うとしたら、確実に、ここには3つある。なぜならば、アダムの言葉の概念には諸々の君らも関わっているからである*6


785. 私が学んだ事によると、そこには6つの御名がある。なぜなら、(先の句の中には)第1には「私が悩みのなかからヤーを呼ぶと」とある。


786. 第2には「ヤーは答えて」とある。


787. 第3には「テトラグラマトンが私に味方されるので、恐れることはない」とある。


788. 第4には「テトラグラマトンは私に味方し、私を助けられるので」とある。


789. 第5には「テトラグラマトンに寄り頼むは人にたよるよりも良い」とある。


790. 第6には「テトラグラマトンに寄り頼むはもろもろの君にたよるよりも良い」とある。


791. だが、אדם(ADM、アダム、人)の言葉は、この中には3つがある。それについては、まず第1には「主(テトラグラマトン)が私に味方されるので、恐れることはない。אדם(ADM、アダム、人)は私に何をなし得ようか」がある。


792. 第2には「主に寄り頼むはもろもろの君にたよるよりも良い」がある。


793. 第3には「主に寄り頼むはאדם(ADM、アダム、人)にたよるよりも良い」がある。


794. そして、来たりて見よ! これには隠された奥義がある。これらの文の中でאדם(ADM、アダム)の言葉が用いられるたびに、聖なる御名が加わる。まことにその理由は、人は神の似姿としてのみ存在するからである。


795. だが、神の似姿とは何か? 聖なる御名の事である。なぜなら、創世記 第2章7節に「יהוה אלהים(IHVH ALHIM、テトラグラマトン エロヒム、主なる神)は土の塵でאדם(ADM、アダム、人)を造り」と書かれており、ここでは完全な御名であるיהוה אלהים(IHVH ALHIM)があり、それはアダムが似姿となる。יהוה(IHVH、テトラグラマトン)は男性を表し、אלהים(ALHIM、エロヒム)は女性を表すからである*7


796. それゆえ、この文でאדם(ADM、アダム)が、聖なる御名無しで記されることは無い。


797. また、私が学んだ事によると、「私が悩みのなかからヤーを呼ぶと、ヤーは答えて」という先の文の中には、יה(IH、ヤー)が2回繰り返されており、יה יה(IH、IH)は、(髭の)毛が密接にある顎の2つの部分を表しており、そこから毛は放たれ、降りていく。


798. またダヴィデ王は急き立てて、「יהוה(IHVH、テトラグラマトン)が私に味方されるので、恐れることはない。יהוה(IHVH)は私に味方し、私を助けられる」とも述べている。先の文では御名は直接的には書かれていない(前はיה(IH)として。だがיהוה(IHVH)は)聖なる御名であり、この御名はまた、人の創造でも記されている。


799. そして「אדם(ADM、アダム、人)は私に何をなし得ようか」という文についてはどうか? これは、私が言い伝えにより学んだ事によると、これら全ては王の聖なる諸王冠である*8。王がその配置で確立したら(すなわち、テトラグラマトンの4文字が全て共に結び付いたら)、אדם(ADM、アダム、人)と呼ばれ、この形*9には万物は含まれているのである。


800. だが、ここからどの場所も取られると(すなわち、יהוה(IHVH)ではなくיה(IH)と述べられた時には)、これは(י(I、ヨド)の文字によって、小さな顔の)聖なる御名とתערא(ThORA、タウアラ、門)であると理解され(すなわち、אדני(ADNI、アドナイ)と関連する花嫁の事であり、これを完全に書くならば、その数値はתערא(ThORA)と同じく671である*10。あるいは、תרעא(ThROA)はיה(IH)の御名の中のה(H、ヘー)の文字により要約される)、その中にある。


801. それゆえ、テトラグラマトンが呼ばれると、人もその門(タウアラ)も含めて記されて、その中にある(別版では、低位の諸世界にある)。そして、これが門から取り去られたら(すなわち、ו(ヴァウ)と低位の門を示すה(ヘー)の文字がそこに加わっていないならば)、聖なる御名(י(ヨド))と、その中にある門(יה(IH)の御名の中のה(ヘー))だと理解される。だが、これがיהוה(IHVH)と呼ばれるならば、אדם(ADM、人)とも呼ばれ、残りの全て、すなわち、その中にある門とこれら(の小路)も(それらと結びつく)。


802. それゆえ、ダヴィデ王はこれらの9つの構造を数え挙げた。なぜなら、王の髭に触れる許可を得た者は、望む事全てをなせるからである。


803. では何故、髭であって体ではないのか? なぜならば、体は髭の背後に隠されているが、髭は体の背後に(隠れる)場所がないからである。


804. だがダヴィデ王は、二連の詩句で、数え挙げている――一つを与えてから、次を与える形である*11。それゆえ、王は第1には「私が悩みのなかからヤーを呼ぶと」と述べている。


805. 第2には「ヤーは答えて」とある。


806. 第3には「テトラグラマトンが私に味方されるので、恐れることはない」とある。


807. 第4には「人は私に何をなし得ようか」とある。


808. 第5には「テトラグラマトンは私に味方し、私を助けられるので」とある。


809. 第6には「私を憎む者についての願いを見るであろう」とある。


810. 第7には「主に寄り頼むは」とある。


811. 第8には「人にたよるよりも良い」とある。


812. 第9には「主に寄り頼むは」とある。


813. 第10には「もろもろの君にたよるよりも良い」とある*12(別版では、第7は「主に寄り頼むは、人にたよるよりも良い」、第8は「主に寄り頼むは」、第9は「もろもろの君にたよるよりも良い」となっている)。


814. 「私が悩みのなかからヤーを呼ぶと」とは、王は何と述べているのか? 確実に、ダヴィデ王は髭の形についてここで述べてきた全ての事について述べている。


815. さらにラビ イェフダーが答えて言った。「私が悩みのなかからヤーを呼ぶと」の、この部分から髭は拡張し始める。それらはより遠い場所(が1つ目)、耳の前、髪の下から(が2つ目)であり、それゆえיה יה(IH IH)と2回述べられる。


816. そしてこの場所で髭が拡張し、耳の前を降りていき、幅広く拡張する。אדם(ADM、アダム、人)の名前が、この場所(すなわち、完全なテトラグラマトン)にある。また、ダヴィデ王が、この髭の威厳を通じて諸国を服従させたいと望んだ時に、この拡張は不可欠であった(別版では、それゆえ王は「テトラグラマトンは私に味方し、私を助けられるので」と述べている。これは悪くない者を免れさせ、これは不可欠であり、などとある)。


817. また、私が「隠された神秘の書」*13で学んだ事によると、眠っている間にこの上位の人の髭をその手で触れたり、そこに手を伸ばした者は、上位者らと共に平和にあり、敵らは服従すると知るべきである*14


818. 私が学んだ事によると、この上位の髭は9つの構造に配置されており、それは小さな顔の髭である。


ゾーハル 大聖会の書 35
↑ 明かされたカバラ


*1 マサース注。ここでのイスラエルは、ヤコブに与えられた神秘的な名前である事を忘れてはならない。
*2 マサース注。これは、(ソロモン王が著者とされる)雅歌の第5章の事である。
*3 マサース注。地上の人も上位の人のようになるという意味である。
*4 マサース注。夢の中で、その髭が小さな顔のもののように配置されるならば、という意味である。
*5 伝統的に、ダヴィデ王がこれらの詩篇の著者とされていた。
*6 マサース注。なぜなら、これらの句の中の「主に寄り頼むはもろもろの君にたよるよりも良い」の君らもまた人だからである。
*7 マサース注。エロヒムは女性形の語源אלה(ALH)からであり、真に女性形の複数形である。多くの男性形の複数形の言葉にはות(VTh)が含まれるが、多くの女性形の複数形にはים(IM)が含まれるからである。そして、単数形の性は複数形でも留まっている(ゲセニウスの「ヘブライ文法」を参照)。
*8 マサース注。この王とは小さな顔の事である(序説を参照せよ)。
*9 マサース注。テトラグラマトンのヘブライ4文字を垂直に書くと、人の形を与えると言われるからである。י(ヨド)は頭で、ה(ヘー)は両腕で、ו(ヴァウ)は胴体で、最後のה(ヘー)は両足である(序説でのヘブライ文字の表を参照せよ)。
*10 マサース注。すなわち、אדני(ADNI)の御名をאלף(ALP、アレフ)、דלת(DLTh、ダレト)、נונ(NVN、ヌン)、יוד(IVD、ヨド)と書くならば、A + L + P + D + L + Th + N + V + N + I + V + D = 1 + 30 + 80 + 4 + 30 + 400 + 50 + 6 + 50 + 10 + 6 + 4 = 671となるからである。また、תערא(ThORA)あるいはתרעא(ThROA)は、400 + 70 + 200 + 1 = 同じく671となる。
*11 マサース注。髭の構造の順番と、この文でיהוה(IHVH)とאדם(ADM)が結び付けたやり方を指している。
*12 マサース注。これらは10のセフィロトと対応していると読者は無論のこと認識するであろう。
*13 マサース注。前褐の「隠された神秘の書」の第3章17節を参照せよ。
*14 マサース注。これはおそらくは、ラビ イェフダーの複数のIHに関する短い解釈の終わりの文である。次の文でラビ エレアザルは、講義を再開しているようである。