アブラメリン 2-10

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第10章 作業を妨害しない個人が学び実践できる術について


 聖なる父祖たちが行ったように、作業が完成するまで荒野へ向かい、隠遁するのが最良である。だがこれはほとんど不可能だろう。誰もが生活と人付き合いが必要だ。荒野へ行くのが不可能ならば、仲間付き合いや商取引を避けよ。だが、義務や仕事により、ほとんどの人々にはこれも不可能だ。ゆえに、私は作業を妨害しない事について簡潔に記したい。
 汝や隣人の健康を増大させる薬学の術すべてと、それらに関連する術は良く、自由である。これらは不可欠だからだ。2番目に、純粋なカバラや混ざったカバラ、知恵の姉妹は妨害せずに助けとなる。3番目に、隣人への愛と寄付のための全ての取引は良い。さらに闘争、戦争、憎しみを減らすのも良い。貧困の人々を助けるのも良い。律法に従い、正直な仕事は行える。この更なる作業のために行うべき事を忘れないようにする。4番目に、たまには所謂自由諸学*1を実践できるが、そのような技、特に占星術を悪用しないように気を付けよ。
 外国の魔術や妖術に近い術はすべて避ける。たとえそれらが聖で正当化して見えてもだ。神とベリアルは混ぜ合わせるべきでないからだ。神は神みずから単独であるのを望み、誉れは永遠に神のみである。これら全ては最初の1年のみで、節度を保つ限り許される。
 3番目の半年の期間には、汝は外なる活動すべてを避けるべきだ。神聖な知恵と霊的な対話に入るのを望むならば、汝の時間を神と霊的な事にのみ使え。
 汝はリラクゼーションの為に庭を散歩する事はできよう。だが仕事はするな。花と果実の間、汝は神の偉大さについて瞑想できる。魂と神に関する事以外の全てを放棄せよ。その他の事柄はなすままに任せよ。汝が2、3時間の聖なる律法の実践や聖書を学ぶことに感謝せよ。これは利益となろう。学ぶのが少なくなればなるほど、汝は賢くなっていくだろう。祈っている間は眠らないように気をつける。また、いい加減さや怠惰さで作業しないようにする必要がある。


アブラメリン 2-11
↑ アブラメリンの書


*1 中世の大学で教えていたリベラルアーツ、自由七科。文法、修辞、論理学、算術、幾何学、天文学、音楽。