ゾーハル 大聖会の書 11

ページ名:ゾーハル 大聖会の書 11

第11章 広大な顔の髭の全体の説明について


209. ラビ シモンは言い始めた。災いなるは、全てにおいて隠された、聖なる老いたる者の最も栄光ある上位の髭にその手を伸ばす者である*1


210. この髭は称えられる。この髭はその配置全てにおいて隠され、最も尊いものである。この髭について、上位者も低位者も知らない*2。この髭は全ての賞賛の中の賞賛である。この髭は(一般)人も、預言者も、聖人も見るために近づいてはいない。


211. この髭は胸にまで達するまでに伸ばされ、雪のように白く、装飾品の中の装飾品、隠された中の隠されたもの、全ての真の中の真である。


212. 「隠された神秘の書」にこう述べられている。この髭、全ての真の中の真は、耳の場所から進み、聖なる方の口の周囲へと降りて、そこからまた上昇し、豊富にかぐわしい場所と呼ばれる(頬を)覆っている。(また、この髭は)白く、装飾品で飾られ、(力の天秤の)均衡とともに降りていき、胸の中心に至るまで覆っている。


213. これは装飾された髭、真にして完全なものであり、ここから13の泉が流れ落ちて、光輝の最も貴重な香油を散布している。


214. これは、13の形に配置されている。


215. 第1の配置は、上からの毛であり、耳の上の頭の毛の場所から来ている。そして、耳の孔の前を最も完全な均衡とともにひと房で降りていき、口の端まで進む。


216. 第2の配置は、口の端からの毛であり、完全に均衡な秩序とともに口のもう片方の端へと進む。


217. 第3の配置は、鼻の両孔の間から進み、この鼻の孔の下で特定の小路を進み、この小路で毛は欠けている。だが、この小路のいずれの側面や周辺も満たされ、完全な秩序がある。


218. 第4の配置は、口の下の片方の端から降りて、もう片方の端へと向かい、それらも完全な秩序がある。


219. 第5の配置は、口の下、上位の小路の領域から別の小路を進み、これら2つの小路は口の両端に植え付けられている。


220. 第6の配置の毛は、下から上昇して口の端へと来て、豊富にかぐわしい場所(頬)を覆う。そして口の上側へと向かい、その毛は口の端へと降りて、口の下へと通過する。


221. 第7の配置では、毛はその終端にあり、そこは豊富にかぐわしい場所の2つの美しく喜ばしいリンゴを見る。なぜなら、(この様相で)世界は保たれるからである。そして、これについては、箴言 第16章16節に「王の顔の光には命がある」と書かれている。


222. 第8の配置は、毛の特有の房が、髭の周囲を進み、(その毛は)胸にまで及ぶまで吊るされる。


223. 第9の配置では、髭の毛は均等に吊るされた毛と絡んで混ざり合う。これらは均等に混ざっており、いずれも主流とはなっていない。


224. 第10の配置では、毛は髭の下から降りていき、髭の下の喉を覆う。


225. 第11の配置では、他の毛より勝ったりはせず、完全な比率に留まる。


226. 第12の配置では、毛は口からは吊るされずに、口はいずれも覆われておらず、この毛はその周囲を美しく取り囲む。


227. 第13の配置では、毛は髭の下の両側から胸にまで吊るされて、美しい装飾品で覆われている。


228. これらの美しい白いリンゴらを除いて、顔全体も香りを放つ場所も見る事は無い。このリンゴらは世界の命を産み出し、小さな顔へ喜びを放出している。


229. これらの13の配置を通じて、これらは流れ落ちて、貴重な油の13の泉が放たれ、これらは全ての低位者らの間を流れて、この油においてこれらは輝き、この油によってこれらは塗油される。


230. 万物の中で最も隠された、老いたる中の老いたる者の装飾された髭は、13の配置で構成される。


231. 小さな顔のこの2つの美しいリンゴ(頬)から、その顔は照らされる。そして、白や薔薇色はその下に見出せる*3。このリンゴは輝き、この灯りから放出する。


232. これらは13の配置は、髭の中に見出せる。そして、その配置に従った、この髭の純粋さの比率*4とは、真実と呼ばれる人である。真理を求める者は、(眠っている時に)この髭を見るからである。


233. 私は「隠された神秘の書」の中で、この世界で尊き髭に拠るこれら13(の配置)に従い、特定(の配置)が見出せると教えている。そして、これらは慈悲の13の門へと開かれている。


234. そして、誓いのためにその手を伸ばす者、髭の13*5の配置により誓う者は、アリク アンピン(広大な顔)の中にある。


235. ゼイル アンピン(小さな顔)の中には、どれだけ多くいようか? ラビ シモンはラビ イツハクに向けて述べた。「その場を立ちあがり、聖王の髭の、その部分の配置について説明せよ。これらは、どのように配置されるのか?」


236. ラビ イツハクは立ちあがり、言い始めた。「ミカ書 第7章18節に「だれかあなたのような神があろうか」や、(第20節に)「真実をヤコブに示し」などとある。


237. 私が言い伝えから学んでいる事によると、ここには13の部分が見られ、これらは全て、素晴らしき油、老いたる中の老いたる者の聖なる髭の部分の13の泉から、発されているという。


238. 言い伝えによると、最も秘密の事柄は、この髭の配置である。これは秘密であり、隠されている。隠されているが、それでいて隠されていない。その配置において、隠されているが、それでいて隠されていない。知られているが、それでいて知られていない。


239. 第1の配置では、単独の房、単独の毛は、他と相互には繋がっておらず、髭の毛は(頭の)毛の場所から発されている。


240. この事は、説明をする価値がある。全ての頭の毛と、尊い上位の髭の毛が均衡のもとでバランスが取れているならば、一部は長く、他はそう長くないのはなぜか?


241. 髭の毛は同じ長さの比率でとどまっていないのはなぜか? また、これらの毛は固いが、髪の毛は固くなく、柔らかいのもだ。


242. それゆえ、(広大な顔では)全ての毛は頭と髭から均衡に降りていると言われる。頭の毛は肩にまで伸びており、それにより、小さな顔の頭へと到達し、片方の脳からもう片方の脳へと流れるようになっている。


243. そして、これゆえに、これらは固くなく(また、柔らかい必要がある)*6


244. 我々は言い伝えから学んでいる。それらについて、箴言 第1章20節で「知恵(ヘブライ語聖書では単数形のחכמה(ChKMH)ではなく、複数形のחכמות(ChKMVTh))は、ちまたに呼ばわり」と書かれている。また文の終わりでは、「市場にその声をあげ」とも書かれている。この文では、始まりは終わりとは同意せず、終わりは始まりとは同意していない。


245. それゆえ、知恵がちまたに呼ぶのは、彼女が広大な顔の隠された脳から小さな顔の脳へと、長い髪の毛を通じて伝えられる時の事であり、それによってこの2つの脳は繋がり、あたかも1つの脳となる。


246. 低位の脳は、上位の脳の保護を除いては存在できないからである。


247. そして、この流れが一方からもう片方へと起きる時については、「彼女はその声を放つであろう」とすなわち、単数形で書かれている。


248. そして、知恵が片方の脳からもう片方の脳へと、長い髪を通じて伝えられるので、これらの髪は固いものではないのである。


249. 何故か? なぜなら、これらが固いならば、知恵は片方の脳からもう片方の脳へと伝えられなかったであろうからだ。


250. なぜなら、知恵は厳格で激怒した人間からは来ないからである。これについては、伝道の書 第9章17節に「静かに聞かれる知者の言葉は、愚かな者の中のつかさたる者の叫びにまさる」と書かれているようにである。


251. そして、これによって、固い髪の者には知恵が住まない*7のを我々は学ぶ。


252. そして、これらは長いので(他は柔らかいので)、全てを支えられるであろう。


253. どのように全てを? (長いので)脳と繋がっている背骨の髄の入り口へと入れるであろうからである。


254. そして、頭の毛は、頭から吊るされ、それらは耳の後ろから流れ、髭の毛を吊るしていないので、髭に混ざったりはしない。これらは混ざり合う必要がなく、別の自身の道に分かれているからである。


255. また我々は言い伝えにより、全ての毛は、頭も髭も、雪のように白いと学んでいる。


256. さらに学んでいるのは、これらの髭は全て固いものである。何故か? なぜなら、これらは固いので、老いたる中の老いたる者からの13の大きさや長さの寸法に堅固に従えるからである。


257. そして、これらの寸法は耳の前より始まっている。


258. そして、これらの寸法は、お互いに混ざり合ったりしないための特定の限界を含んでいる(別版では、この文はこう書かれている。なぜなら、これらは低位者らと対話するからである。これについて、我らはこう教えられている。髭の毛は耳の前より始まるが、それはこれらは分離されていて、他と混ざり合っていないからである」など)。


259. だが、汝は他(の聖書の文)が与えられておらず、これらの(寸法)についての寓話が無いと述べるならば、汝は間違いを犯している。言い伝えによれば、最も聖なる老いたる者の慈悲の13の寸法について、第1についてはミカ書 第7章18節に「だれかあなたのような神があろうか」(の文節で象徴される。以下も同様)。


260. 第2については「不義をゆるし」。


261. 第3については「とがを見過ごされ」。


262. 第4については「その嗣業の残れる者のために」。


263. 第5については「その怒りをながく保たず」。


264. 第6については「神はいつくしみを喜ばれるので」。


265. 第7については「再び我々を憐れみ」。


266. 第8については「我々の不義を足で踏みつけられる」。


267. 第9については「あなたは我々の諸々の罪を海の深みに投げ入れ」。


268. 第10については「真実をヤコブに示し」。


269. 第11については「慈しみをアブラハムに示される」。


270. 第12については「我々の先祖たちに誓われたように」。


271. 第13については「昔から」。


272. 律法とも照応しているものは、出エジプト記 第34章6節に「主は憐れみあり、恵みあり」などと書かれている。そして、これらは低位者らである。


273. そして汝が「なぜ、モーセはこれらの尊厳ある言葉*8を述べなかったのか?」と問うならば、「モーセは裁きが見いだせる場所を救う務めは無かった。そして、裁きが見いだせる場所については、語る必要も無かった*9」と答えるであろう。


274. そしてモーセはイスラエル人が罪を持ち、裁きが差し迫った時については述べていない。ゆえに、モーセは裁きを見出せる場所についてのみを語っているのである。


275. だが別の箇所で、この預言者は日の老いたる者を称える方法を定めている*10


276. そして、多くの隠されたものと共に隠された、この上位の聖なる髭の13の形は、裁きの厳格な布告全てを抑えて、和らげる、最も強力なものである。


277. この最も秘密で、聖なる上位の髭を見て、その前に困惑しない者がいようか?


278. なぜならまた、これらの配置で全ての毛は固いからである。


279. だが汝が「確実に低位の毛は黒いのに、これらがここに無いのは何故か?」と尋ねたとしたら(こう答えるだろう)。


280. 確かに、言い伝えでは、雅歌 第5章11節に「その髪の毛はうねっていて、からすのように黒い」とも書かれている。


281. だが、ダニエル書 第7章18節*11には「その頭の毛は混じりもののない羊の毛のようであった」とも書かれている。


282. これらには矛盾は無い。片方は、上位の髭について述べており、もう片方は低位の髭について述べているからである*12


283. また律法がイスラエル人に授けられた時、それは白き炎の上に黒き炎で書かれていたと言われるからである。


284. また、この事柄の基盤は、これらの毛から来ている。なぜなら、これらは(上位の)脳から起きて、低位の脳へと流れ落ちているのを見出せるからである。


285. また、これらの(髪の毛は)髭の上にあるからである。この髭は区別され、その全ての形は(それぞれ他とは)分離されており、髭は単独で、その毛もまた区別されているからである。


ゾーハル 大聖会の書 12
↑ 明かされたカバラ


*1 この広大な顔の髭とは、ケテルから降りて、10のセフィロトを流れる神的なエネルギーの象徴である。それには13種類の型があり、セフィロト、生命の樹の中のエネルギーの流れる方向を表しているようである。
*2 マサース注。なぜなら、これは広大な顔、隠された老いたる者の髭だからである。
*3 マサース注。すなわち、低位のセフィロトは、上位の流出を反射し、その性質を共にする。
*4 マサース注。この髭とは、無論、人がその生涯の中で取り囲まれる善行や悪行の圏を意味する。髭の夢については、「隠された神秘の諸」の第3章17-18節を参照せよ。
*5 マサース注。この13は、ゲマトリアによりאחד(AChD、アハド、統一)の数である。A + Ch + D = 1 + 8 + 4 = 13だからである。
*6 マサース注。すなわち、これらが固いものならば、これらは髭の毛となる必要がある。
*7 マサース注。これは象徴的に解釈すべきである。つまり、「厳格な者には」と。
*8 マサース注。この文の意味合いはおそらく、この聖書の文が示す箇所で、テトラグラマトンの御名を声を出して宣言したのは主であってモーセでは無いという事だろう。
*9 マサース注。つまり、神の慈悲の性質についてである。この神は正義と慈悲の均衡として表されている。
*10 マサース注。すなわち、יהוה(IHVH)から区別してのאהיה(AHIH)の事である。序説を参照せよ。
*11 実際には9節。
*12 マサース注。小さな顔の髭の毛と区別した、広大な顔の髭の毛の事である。「隠された神秘の書」の第3章16節を参照せよ。