アブラメリン 2-4

ページ名:アブラメリン 2-4

第4章 ほとんどの所謂魔術書はインチキである


 悪魔に身を委ね、偽の師を用い、妖術に関わり、身と魂を売り渡した人々の盲目さには限りが無い*1
 不幸にも、人々の好奇心は強すぎて、悪魔は悪賢く、その言葉は偽りに満ち、人々はナイーブすぎて、もうどうにもならない。我が息子よ、私がこの章で語ることを慎重に聞くのだ!
 さらにより重要なこともあり、汝はこれらに正確に従え。悪魔、悪しき者どもや、その術、その他のことが汝を陥れないようにせよ。たとえひとたび誘惑に負けたとしても、正しい道に留まるのだ。
 これは単純すぎるように見えるかもしれない。だが道はまっすぐで簡単なのだ。他の全ての幻想と関連する奇抜なものを無視せよ。特に、知恵を含むと称する本についてはだ。唯一の例外は旧約聖書とタルムードだ。私は万巻の書を読んできたが、生ける主と比べれば、それらには1セントの価値も無い。全ては嘘に満ちて、悪魔の企みと、1000のうちに1つも真実でない技ばかりだ。
 人々はあまりにも盲目ゆえに、奇妙で稀な格言、祈り、気味の悪い誓いが書かれている驚異的な指輪、円、絵、サイン、言葉の真実について見たり理解したりしたがらない。物乞いの衣がツギハギだらけのように、違った人々の様々な信仰や習慣の中から、どれだけ嘘が集められ満ちている事か。
 五芒星ペンタグラムとは、六芒星ヘクサグラムとは、印とは、文字とは何か?
 哀れな人々は何も知らず、悪魔は彼らに語らない。ただ、これらは賢王ソロモンが主により明らかにされたと告げる。嗚呼、神の慈悲よ、嘘を真理として、愚かさを知恵としてソロモンに明かされたと? 否、ソロモン王は人々のように愚かではない。ここに我らは偽りと知恵を曇らせる悪魔の抜け目なさを見よう。過去において指輪と円はカバラに記されている。五芒星と六芒星は混ざりもののカバラに関連している。
 奇妙な文字の一部は、今では失われ未知となった外国語の古い言葉や筆記体だ。悪魔はこれらに蜜の言葉を加えて人々の道へ置き、彼らの目的への視野を失わせたのだ。真のカバラと組み合わせたら、今日の知恵は見分けがつかなくなろう。
 悪魔は嘘と真実を混ぜて、誰もが分けられなくした。唯一、神と聖天使たちによって啓明を受けた者のみが、これらを分けられるのだ。さらに最悪のことに、悪魔は貧しい人々の小さな願いを叶えることで、彼らを盲目のままにしている。私はその例を第1の書で書いた。
 ゆえに、我が息子よ、そのような悪しき書と魔術師たちから耳を閉じるのだ。そのような本を見分ける一般的な方法を教えよう。魔術師や書が注意不足で、善よりも悪を語るように邪悪なことを説くなら、何ら神聖な知恵が無い悪魔の技と汝は見做せよう*2
 私はアブラメリンの作業をしている時にこの経験をしている。全ての他の妖術師の魔術は消え失せた。アブラメリンの場所では、ラビ モーシェから学んだことをやってみても、何の成功もしなかった。神聖な知恵から偽りの悪魔は恥じ、隠れたからだ。
 第3に、神によって述べられた特別な日以外の、どんな日も悪くなく、禁じられていない。なので、カバラが明らかに含まれているのを除いた吉凶日のカレンダーや天のホロスコープを無視せよ*3。悪や偽りの嘘が内に隠れているからだ*4
 神の知恵は日々働く。主の祝福は日々与えられる。主は人類が作った日のみならず、毎日助けている。称えられるべき神の特別な日があるが、それらは以下の章で語ることとなろう。


アブラメリン 2-5
↑ アブラメリンの書


*1 マサース注。読者はこの文を誤解しないようにする必要がある。これらの黒魔術の作業には、曲解させた言葉と印章が含まれ、有害で自己中心的な実践のみを教えている。これらの中の要点は、一般的に悪霊との契約を作る事である。なぜなら、真の印章は自然の隠された諸力の術式を、真の儀式はそれらを行動へともたらすのを表すからである。
*2 マサース注。黒魔術のグリモアは、通常はこの頭の下に来る。だが、その中の奇妙な言葉は、通常はヘブライ語、カルデア語、エジプト語での神々や天使らの称号の変造と曲解より来ている。聖なる御名を戯画化させたり、悪しき目的のために用いるのは、疑いなく悪である。ゾロアスターのカルデアの神託でこう書かれている。「召喚の蛮名を変えるなかれ。それらは神の御名であり、聖なる儀式の中で、神聖な力を持つからだ!」
*3 マサース注。ここでもユダヤ人アブラハムは極論を述べているように思える。天使魔術が惑星の占星術的位置を基盤としたタリズマン魔術よりも高次にあるのは、完全に疑い無く事実である。それゆえ、占星術的な考慮より多くの事をなし、独立している。なぜなら、それらの事柄は、より高次の界に位置するからであり、そこでは物理世界の法則は含まれないからである。だが確実に、太陽光線と作業する時、我々は大地に及ぼす熱のオカルト力、すなわち太陽が獅子宮にある時に容易に得られる。さらに、金牛宮の影響にいる時には、北半球ではこの力の萌芽がある。同じ事は他の惑星にも言える。またインドのタットワで作業するなら、我々は月の位置、日にち、5つのガリスの期間でのタットワの軌跡を考慮する必要がある。勿論、アブラハムが、別の界の法則を、それら自身のものへと取り替えられなかったとしたら、ラビ モーシェの試みを成功させられなかったであろう。
*4 マサース注。天使との作業をなす時には、それは当てはまろう。だが同時に、疑い無く惑星の天使らはその光線を司るものの、惑星の物理的な光線に主に拠るこれらの試みに、天使の界にのみ当てはまる法則を用いたならば、それほど大きくは無いが、なおも失敗を伴う過ちがあるだろう。火星の天使らは、木星の光線を司らず、逆もまた同様なのである。