アブラメリン 1-11

ページ名:アブラメリン 1-11

第11章


 私はこの学を単なる好奇心からでも、悪しき目的のためにでもなく、我が神の誉れと栄光のため、私自身と我が隣人のために用いてきた事を、神は見ておられよう。そして私は決して虚しくも下劣な事柄のために用いようと望んだりはせず、全ての生き物、友も敵も、信仰深い者も不信仰の者も、助けるために、完全な意志と良き心により、全ての我が力を常に用いてきた。また私は動物らのためにもこれを用いてきた。


 全能の神はこの術や学を自らのためだけに用いるのを認めずに、他者やこの神聖な学を保有していない者の必要のために用いる者に与えるのを汝に示すために、私は先の章で特別な例らを引用してきた。これが誰もが我が例に従うよう懇願する理由であり、他の道を選ぶならば、主の呪いはその者に落ちるであろう。私自身は神と全ての人々の前に許され、無垢であろう。


 第3の書にて、とても美しい園*1を見出すであろう。それは確実に、誰もこれまで作った事の無く、どの王や皇帝も保有して無いようなものである。この中で働き蜂のようにありたいと望む者は、ここで蜜を豊富に飲めるであろう。だが、自らを蜘蛛へと変えたいと悪しき望みを持つ者は、ここから毒を引き寄せるであろう。神は悪人ではなく善人と共にあり恵みを与えているのだ。また汝が、第3の書の一部の章は、有用な目的のためではなく、悪へと用いられ、我らの隣人を苦しめるためにあるように見えたとしても、他の書でより完全に示すつもりだが、私はこの学は善にも悪にも用いられるのを汝らに理解させるために、これらを置いたのだのだと知るべきである。そのため、我らは悪から離れて、善の全ての力を得ようと学ぶべきである。その生涯の全ての日々をそのように働く者は、信仰深く恵み深い聖天使らの助けと支えを得るであろうし、悪のために用いる者は、聖天使らから見捨てられ、悪しき敵らの力の手に落ち、その奴隷状態から解放されるために悪しき働きの命令に従う羽目になるであろう。そのため、汝が自らのためにこの作業をなしたいと強く望んでいる者を見て、この神聖魔術をその者に教えたいと望むならば、私がこれら3冊の書の中で与えた教授に従って、その誠実さと意図を試さねばならず、すぐに与えないようにするという、外れる事の無い一般規則と金言を持つ必要がある。そして、この者が無分別なやり方によって得ようと望み、この作業は本当かどうかと汝に言い、汝が伝えるようとするために疑いの感情を示したり、他の術策を用いたりしたならば、そのような者は主の道を歩まないと結論するであろう。神が許すのに反する道のために、この神聖魔術を望む者は僭越であろう。


 そして、自らのためではなく、子供や親族のために、この神聖魔術を得るのを求める者も、この偉大な宝を受け取る者にはあらず、これを与えた者も大罪を咎められ、自らも主の恵みと知恵を失い、その永遠の後継者からはく奪されるであろう。


 悪人がこの神聖魔術の方法によって、その悪しき人生を追求できると感じ、この聖なる学を求めて汝の元へと来たならば、そのような者は善で正しい意図のもとに使うつもりは無く、これを受け取ったら、悪のために用いるであろう。だが私自身にもそのような事があり、我らの心の秘密を貫ける神が、そのような者の成功を防ぐ間接的な方法を置いて、世間で出世するのを困難にしているのを見て感じている。そのため、隣人に対してや、あらゆる類の憎悪を侵すために、この学を用いようと望む者は、この学を受け取る価値無き者と自らを表している。


 この学を実際に探究する者は商売と雑談、その他にも悪へと向かいがちなあらゆる行いや言葉を避けよ。そのような者は悪魔の妖術師となりやすいからである。汝は後の他の2冊の書にて、残りの事を知るであろう。ここでは私は、この点を長々と語り、強調しすぎているが、それはこの作業がひとたび与えられたら、それは「取り消せない働き」だからである。


 だが反対に、正確な試しと問い合わせの後に、汝が穏やかで誠実な人物を見つけたら、その者を助けるようにせよ。なぜなら汝を助けた神は、その者を助けるのも望むからだ。この目的のために、神は汝の手をこの神聖な学へと置いたのである。


 汝は不和をなして敵意の誓いをしている者らの間に平和を生み出すべく、あらゆる努力をしなくてはならない。そして、あらゆる者らへの善をなすのだ。これは、汝に神、天使ら、人々の恩恵を与え、悪魔らを汝の奴隷とし、全てにおいて服従させる、唯一にして真の方法である。そして、このような者は生涯に善と義の心を持ち、名誉と平和を保ち満足し、全てにおいて有用となろう。私は、このあまりにも偉大な宝を持つ者に、適切な方法により用いて、豚へ投げたりしないように懇願する。


 我が息子ラメクよ、これを汝自身のために用いよ。だが、それらの果実を引き出すために、汝は必要な者と共有するようにせよ。そして、より汝が与えるほど、より汝の神聖魔術の力は増大するであろう。これは汝が伝授した他の者にも同様に起きるであろう。


 現在住む国や地域で、我々(ユダヤ人)は奴隷であり、我らとその父祖の罪に正当に苦しんでいる。だが、我らは行える限りにおいて最良の方法で主に仕えるべきである。


 そしてそのために、この宝は秘密を保つようにし、後継者が充分に資格があるなら与えるようにし、(資格が無いならば)他者に与えるために彼らには継承しないようにし、さらに異教徒の手に渡ったり、悪人が保有しないように気を付けよ。


アブラメリン 1-12
↑ アブラメリンの書


*1 マサース注。これは、オカルトや魔術の情報の価値ある集合を示すための、カバラの書でよくある表現である。