アブラメリン 1-7

ページ名:アブラメリン 1-7

第7章


 父なる神の慈悲により、私は祖国へと無事に帰還できた。私は神に対して、我が小さな力、神に負っている小さな部分によってそれを贖い、私は神に多くの利益を受け取った事、特にアブラメリンの家でのカバラの獲得を感謝した。今やこの神聖魔術の実践のみが私には残されていたが、多くの重要で障害となる事柄が私の人生で起きていて、それらの中には我が結婚が最大のものであった。そのため私は実践はしばらく置いておく事にした。また、主要な障害は、私が住んでいた場所の不適切さからであった。これを解決するために、私は突然に隠遁して、ヘルシニアの森*1へと入り、そこでこの作業に必要な間留まり、独居へと導いた。多くの理由から、早く行う事は可能では無く、また遅く行ったら、この場所の危険から生命のリスクがあったろう。これらに加えて、(早く行っていたら)まだ若く妊娠してかなり経っていた我が妻を置き去りにする必要があったであろう。最後に私はアブラメリンの例に習って、我が家*2を2つの部分に分けた。私は家の片方を借家にして、部分的に家具を揃えて、我が叔父の1人に必要なものと共に貸した。その間、私と妻と従者は、もう片方の家に住み、私自身を独居生活に慣れるようにし始めた。これは極端に困難であったが、それは私の心を占めていたメランコリックな気質からで、そのため私は復活祭の時までこの生活をし、それから家族全てと我が民族の習慣に従って祝祭をした。


 その翌日から、天地の創造主、全能の神の御名と名誉にかけて、私はこの聖なる作業に入り、汝が後の書で読むような少しの詳細も省く事なく6ヶ月行った。そして6ヶ月の期間が過ぎた時、主は我らが父祖に約束したように、私にもその慈悲から恵みを与えた。我が祈りをなしてきたように、神はその聖なる天使らの幻視と出現をさせ、それらと共に私に魂の大いなる喜び、慰め、満足を経験させたが、それについて私は表現する事も書く事も出来ない。そしてこの3日の間、私は言葉に出来ない満足とともに、我が聖天使の甘く喜ばしい臨在を楽しんだ。この聖天使は最も慈悲深い神により、我が創造の時より我が守護者として定めたもので、大いなる善意と愛とともに私に語りかけてきて、この真実の魔術を発現させるだけではなく、私がこれを得る方法を容易にもした。聖守護天使は、私がアブラメリンから受け取ったカバラの象徴が真実であると確証した。そして、我が望むように作業で他者に無限に影響を与える基礎的な方法を教え、それら全てを教授したと私に確証した(これらの象徴は、全て第3の書にあるものに似ている)。さらに聖守護天使は、これからの3日間で悪霊らが私に従うよう拘束するために、自らをどう律するかについて、一般に天使が与えるような、有用な助言と訓戒も与えた。私はそれらに完全に従い、その教授の一点から一点へと常に誠実に満たすようにし、神の恵みにより、これら悪霊らを私に従い、この作業のために定められた場所へと現れるように制約した。そして悪霊らは私に従い、配下となるように義務付けられた。それから今日に至るまで、神と聖天使を不快にさせる事無く、私は自らの力と命令を保ち続けており、常に神とその聖天使らの力に支えられているのである。そして、この力は我が家の繁栄にはかくも大きなものなので、私は獲得できたであろう膨大な富から自らを引き留め続けていると告白する。もっとも、汝がもっと大人になれば知るであろうが、私は豊かな者に数えられるだけの充分な富を得ている。主の恵み、その聖天使らの加護が、私アブラハムにも、我が2人の息子ヨセフとラメクにも、この方法と神の意志により、この作業を受け取った者ら全てにも去りませんように! かくあれかし!


アブラメリン 1-8
↑ アブラメリンの書


*1 古代の用語で、南ドイツのライン川の東にあった森の一帯のこと。現在では黒い森という。
*2 マサース注。おそらく世帯の意味であろう。