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ミ・デア語 | |
---|---|
Dzeamidea.png ミ・デア文字による言語名 | |
発音 | IPA: [d͡zea midea] |
創案者 | 清瀬桜李 |
創案時期 | 2011年 |
設定と使用 | 十三国世界ロツーマ・ミ・デア及び第三世界ロツーマ・シャルベニアの唯一言語 |
民族 | ミ・デア人及びシャルベニア人 |
話者数 | 不明 |
話者数の順位 | ミ・デアにおいては1位(他に言語が存在しない為) |
目的による分類 | 人工言語
|
標準語 | ミ・ニケーラ方言 |
表記体系 | ミ・デア文字(Kasta Mi-Dea) |
参考言語による分類 | アプリオリ言語 |
言語コード | |
ISO 639-1 | なし |
ISO 639-3 | art |
表・話・編・歴 |
ミ・デア語(-ご、Żea Mi-Dea)とは清瀬桜李による一連の小説群『十三国世界シリーズ』の設定上に存在する架空言語である。作中においては十三国世界ロツーマ・ミ・デア(ミ・デア語:Locūma Mi-Dea、以下ミ・デア)及び第三世界ロツーマ・シャルベニア(ミ・デア語:Locūma Šalbe-Nia、以下シャルベニア)で話されている自然言語である。古くはニンヅェア(Ninżea、『われらの言語』の意)とも称された。
ミ・デア語はミ・デアにおいて成立した言語である。ミ・デアそのものは小さな世界である為、この言語以外に存在する言語はない。但し各国と地域ごとに独特の語彙や言い回しが存在しており、各方言ごとに目立った特徴の差異が見受けられる事もある。
作中においてはある時期より異世界人(全て地球人であり、特に日本人が大多数である)がミ・デアに現れており、彼らのもたらした様々な新概念を表す為、実在言語からの外来語も少なからず見受けられる。
ミ・デア語においては複合語における子音の結合や方言・外来語由来の音声を単語ごとに細かく区別しており、結果として46種の音韻が存在している。
母音は5種類存在し、すべて長短の区別がある。
前舌 | 中舌 | 後舌 | |||
---|---|---|---|---|---|
非円唇 | 円唇 | 非円唇 | 円唇 | ||
狭母音 | /i/ i | /u/ u | |||
半広母音 | /e, ɛ/ e | /o, ɔ/ o | |||
広母音 | /ɑ/ a |
子音は41種類存在するが、うち5種類は方言や外来語にのみ現れる音素であり、元来の標準ミ・デア語で用いられるのは36種類のみである。音声上の特徴として舌唇音の存在がある。
唇音 | 舌唇音 | 舌頂音 | 舌背音 | 咽喉音 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
両唇音 | 唇歯音 | 歯音 | 歯茎音 | 後部歯茎音 | 硬口蓋音 | 軟口蓋音 | 咽頭音 | 声門音 | |||
破裂音 | 無声破裂音 | /p/ p | /t̼/ ƥ | /t/ t | /c/ q | /k/ k | /ʔ/ ' | ||||
有声破裂音 | /b/ b | /d̼/ ƀ | /d/ d | /ɟ/ ď | /g/ g | ||||||
鼻音 | /m/ m | /n̼/ ɱ | /n/ n | /ɲ/ ň /nʲ/ ñ | /ŋ/ ŋ | ||||||
ふるえ音・はじき音 | /r, ɾ/ r | /ɾʲ/ ř | |||||||||
破擦音 | 無声破擦音 | /t͡s/ c | /t͡ʃ/ č | ||||||||
無有声破擦音 | /d͡z/ ż | /d͡ʒ/ j | |||||||||
摩擦音 | 無声摩擦音 | /f/ f | /θ/ þ | /s/ s | /ʃ/ š | /ç/ ç | /x/ x | /ħ/ ħ | /h/ h | ||
有声摩擦音 | /v/ v | /ð/ ð | /z/ z | /ʒ/ ž | /ʝ/ ŷ | /ɣ/ ğ | |||||
接近音 | /j/ y | ||||||||||
側面接近音 | /l/ l | /ľ/ ʎ |
有声両唇軟口蓋接近音 | /w/ w |
---|
接辞等を用いる際、母音同士が接続する際に音韻変化が生じる場合がある。一部例外は存在するが、概ね以下の表に従う。
前\後 | -a | -e | -i | -o | -u |
---|---|---|---|---|---|
a- | ā | ē | e | aw | ō |
e- | iya | ē | i | ew | yū |
i-/y- | ya | ī | ī | yo | yu |
o- | wa | ē | wa | ō | ō |
u-/w- | wa | we | way | o | ū |
アクセントは高低アクセントであるが、方言によりその方式は異なり[1]、かつ標準語においても規定は存在しない為、各方言のそれを用いる事が多い。
ミ・デア文字表
ミ・デア語で用いるミ・デア文字は異世界人の手によって創造されたものであり、はじめから将来の音素追加を念頭に置いて設計されている。
母音字は短母音を基本とし、長母音の場合は短母音字の直後に長音符号(IPAにおける記号ːに類似したもの)を続けて書く。
子音字は無声音や鼻音などからなるものを基本文字とし、これに上点(アキュート・アクセント´と同形)を付加して軟口蓋化を、下弧(セディーユ、オゴネク、コンマビロー等と類似形)を付加して有声化・前鼻音有声破裂音化等を行わせる。
初期は碑文用書体と筆記体で別の字形が用意されていたが、後に前者を大文字、後者を小文字として同一の体系にまとめている。
ミ・デア語のラテン文字転記法は二種類存在し、それぞれ英字アルファベット26文字とコロン(:)、チルダ(~)、アポストロフィ(')のみを用いた表記法(ASCII式)と、ダイアクリティカル付アルファベットとアポストロフィを用いた表記法(Unicode式)となっている。以下、本文中のラテン文字転記はすべてUnicode式を用いる事とする。
ミ・デア語のラテン文字表記 | ||||||||||||||||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Unicode式 | A | Ā | B | Ƀ | C | Č | Ç | D | Ð | Ď | E | Ē | F | G | Ğ | H | Ħ | I | Ī | J | K | L | Ľ | M | Ӎ | N |
a | ā | b | ƀ | c | č | ç | d | ð | ď | e | ē | f | g | ğ | h | ħ | i | ī | j | k | l | ľ | m | ɱ | n | |
ASCII式 | A | A: | B | DB | C | CH | XH | D | DH | GY | E | E: | F | G | GH | H | QH | I | I: | J | K | L | LH | M | TM | N |
a | a: | b | db | c | ch | xh | d | dh | gy | e | e: | f | g | gh | h | qh | i | i: | j | k | l | lh | m | tm | n | |
IPA | /a/ | /aː/ | /b/ | /d̼/ | /t͡s/ | /t͡ʃ/ | /ç/ | /d/ | /ð/ | /ɟ/ | /e/ | /eː/ | /f/ | /g/ | /ɣ/ | /h/ | /ɦ/ | /i/ | /iː/ | /d͡ʒ/ | /k/ | /l/ | /ʎ/ | /m/ | /n̼/ | /n/ |
Unicode式 | Ň | Ñ | Ŋ | O | Ō | P | Ƥ | Q | R | Ř | S | Š | T | U | Ū | V | W | X | Y | Ŷ | Z | Ż | Ž | Þ | ' | |
ň | ñ | ŋ | o | ō | p | ƥ | q | r | ř | s | š | t | u | ū | v | w | x | y | ŷ | z | ż | ž | þ | ' | ||
ASCII式 | NH | NY | NG | O | O: | P | TP | Q | R | RH | S | SH | T | U | U: | V | W | X | Y | GYH | Z | DZ | ZH | TH | ' | |
nh | ny | ng | o | o: | p | tp | q | r | rh | s | sh | t | u | u: | v | w | x | y | gyh | z | dz | zh | th | ' | ||
IPA | /ɲ/ | /nʲ/ | /ŋ/ | /o/ | /oː/ | /p/ | /t̼/ | /c/ | /r, ɾ/ | /ɾʲ/ | /s/ | /ʃ/ | /t/ | /u/ | /uː/ | /v/ | /w/ | /x/ | /j/ | /ʝ/ | /z/ | /d͡z/ | /ʒ/ | /θ/ | /ʔ/ | |
※赤字部分は外来語にのみ用いられる文字 |
ミ・デア語は方言により語法が異なる為、幾つかの異なる語法が並行して標準語文法に採用されている事もある。
基本構造は接辞による曲用や活用を基本とした膠着語の要素が強いものである。名詞の格変化の種類が豊富である事から語順は自由度が高いが、一般的にはSOV型とSVO型が多く用いられている。修飾は前置修飾と後置修飾の両方が取れるが、前置修飾の場合は語の変形が必要であり、後置修飾の場合はこれが不要である。
動詞は不定詞の語尾が必ず-faで終わっており、主語(及びある場合は間接目的語)の人称と時制に即して接辞が抱合される。コピュラlifaや英語の助動詞の機能を有する語も動詞に含まれており、相や法の表現は複数の動詞を用いる事によって行われる。命令文については不定詞のまま用いられる。
形容詞や副詞の機能を有する修飾詞は、他の品詞からの派生語を除き語尾-eltを有する。修飾語として用いる場合は被修飾語の品詞に即して語尾を活用させて前置修飾するか、または原型のまま後置修飾を行う。述語として用いる場合は、コピュラlifaを常に伴う。
名詞は数による変化がなく、格に応じて接尾辞を付加する形での曲用のみである。性による変化もなく、これは語の合成によって同様の表現がなされる。尚、格接尾辞は名詞のみならず動詞をはじめ様々な品詞に付加しうるものであり、これにより英語における関係詞と同様の表現を行う事が可能となる。
冠詞は人称冠詞(所有冠詞、所有格代名詞)、指示冠詞(日本語の指示詞や英語の定冠詞に相当)、疑問冠詞(定不定の別あり)の三種類が存在し、これを様々な名詞と結合させる事によって代名詞の生成が行われる。
否定文は接尾辞-vanを、疑問文は疑問詞の有無に関わらず接尾辞-heyを付加する。否定疑問文の場合は-vanheyの順で付加するが、縮約型の-vāneyを用いる事も多い。
ミ・デア語の記数法は実在言語でよく見られる十進法ではなく、厳密な十六進法となっている。数詞の語彙構成は、語頭の1音節で1~15の数、以降の音節で16の累乗による桁の表現がなされるものとなっている。また、0を表す語としては、likonが用いられる。以下、対応する数値の表記は「十進数表記 / 十六進数表記」という形で行う事とする。
基数詞は数詞を単独で各単語に後置修飾して用いる。また、修飾詞を後置修飾で用いる場合、基数詞はこれに更に後置される。
助数詞はšalbeに続けて数詞を置く。
反復数詞はisulに続けて数詞を置く。
集合数詞はperkに続けて数詞を置く。
分数は分母を集合数詞の奪格、分子を基数詞で表現し、以下のように表す。
A分のB | perk A-dem B |
---|---|
B/A |
また、帯分数は接続詞loyを用いて表現する事が可能である。
尚、ミ・デア語には小数表現は存在しない。
ミ・デア語の方言は以下の通りに大別される。
この他、これらの方言が混成して成立したミ・ニケーラ口語方言も存在する。標準語であるミ・ニケーラ文語表現は北部方言を基準として整理されたものである。
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