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W.jpg仮面ライダーWは、仮面ライダーシリーズに登場する戦士。
左翔太郎とフィリップがガイアメモリの力で変身した姿[1]。触角と胸が「W」を象っている。全フォーム共通して、複眼の色は赤。体の中央にあるラインを境に、左半身(ボディサイド)は身体能力や武器を決定する翔太郎のボディメモリ、右半身(ソウルサイド)は属性や特殊能力を決定するフィリップのソウルメモリに対応した配色を持つ。決め台詞は2人で発する「さあ、お前(たち)の罪を数えろ![2]」。
変身時は、肉体のベースとなる一方の身体にパートナーの意識が憑依しており、2人で意思疎通を行って戦う。また、憑依している側の人格も肉体を操作するため、そちらの方に何らかの異常が発すると戦闘に支障をきたす。また変身中は、憑依する側の身体は意識を失って昏倒し、無防備な状態となるため、安全な場所で変身するか、変身後に亜樹子が避難させ、安全を確保することが多い。
どのフォームもマキシマムドライブ発動時に技名を叫ぶが、これは翔太郎曰くメモリブレイクを成功させるために、2人の呼吸を合わせる必要があるからである。なお単体での必殺技の個数は平成仮面ライダー中最多の19である(実際に使用されたもののみ。劇場版のみの必殺技を含む)。[3]
ハーフチェンジによる9つのフォーム(後述)のほか、特殊形態のファングジョーカー、強化フォームのサイクロンジョーカーエクストリーム、その他派生フォームも含めると実に15もの形態を持ち、これはディケイドを除く平成ライダーでは最多のフォーム数である[4]
「丸く真っ赤な複眼」「風になびくマフラー」など、昭和期のライダーに多くみられた要素を受け継いでおり、主役ライダーでは前者は『剣』以来5年ぶり、後者は『ZX』以来25年ぶりとなる。
また、ボディが左右で別々の色に分かれている点はキカイダーを彷彿とさせる。余談だが、基本フォームに使用されるメモリ「サイクロン」と「ジョーカー」は、いずれも石ノ森作品に馴染みのある名称である[5]
翔太郎の肉体をベースとして変身した姿で、Wの基本形態。憑依しているフィリップが会話をする際は、右の複眼が点滅する。翔太郎とフィリップが3本ずつ持つガイアメモリにより3×3=9個のフォームを持つ。従来の仮面ライダーのフォームチェンジとは異なり、半身のみを変身させることからこの名称がついたが、両サイドを同時に変えることも可能。劇中では「メモリチェンジ」と呼称される。これらのメモリはダブルドライバーを展開した時が正位置のため、それに合わせて頭文字が斜めに描かれている。
ソウルとボディの組み合わせにより、以下のように特性が決定する。
ジョーカー | メタル | トリガー | |
---|---|---|---|
サイクロン | サイクロンジョーカー[10] | サイクロンメタル | サイクロントリガー |
ヒート | ヒートジョーカー | ヒートメタル | ヒートトリガー |
ルナ | ルナジョーカー | ルナメタル | ルナトリガー |
戦闘中は、使用中のメモリの交換によりハーフチェンジを瞬時に繰り返しながら攻撃を行っていく。ただし力は全てのフォームが同等というわけではなく、メモリの相性によって、強さや扱い易さ、長所、特徴などに違いがある[11]。相性が良く基本のフォームとなるのは「サイクロンジョーカー」「ヒートメタル」「ルナトリガー」の3フォームである。特にサイクロンジョーカーは最も汎用性が高く、Wの通常フォームとしてほとんどの場合最初の変身に用いられ、後述するエクストリームメモリに対応するのもこのフォームである。その他のフォームは各メモリの特性を活かし、緊急回避やメモリブレイクなど限定的な局面で使われるが、ドーパントの弱点が明らかな場合(例えば、氷の能力を持つドーパントにはヒートメモリ)は例外的にそのフォームからスタートする場合もあるが、その際もボディメモリはジョーカーを使うことがほとんどである[12]。
ハーフチェンジのマキシマムドライブは、基本的に使用中のボディメモリを特定の「マキシマムスロット」に挿入することで発動する。スロットは複数存在し、全フォーム共通でベルト右腰にある他、メタルシャフト・トリガーマグナムにもあり、メタル・トリガー系統はそれぞれの武器のスロット、ジョーカー系統はベルトのスロットを使用する。またそれぞれのスロットはソウルメモリのマキシマムドライブを発動させることも可能[13]であり、武器のスロット(ボディメモリ)と右腰のスロット(ソウルメモリ)を併用することで2本同時にマキシマムを行う「ツインマキシマム」も可能ではあるが、通常のWでは翔太郎の肉体への負担があまりにも大きいためフィリップは使用を危惧している。また、メタルシャフトとトリガーマグナムにはメモリガジェットを装備できるマウントがあり、ガジェットを使用したマキシマムドライブも存在する。技名の横の括弧内は使用するフォームと併用して使うガジェット。
ジョーカーエクストリーム(サイクロンジョーカー)竜巻を発生させ、その力で宙に浮き上がった後、Wが正中から分割され、両半身が連続して飛び蹴りを放つ[14]。ジョーカーグレネイド(ヒートジョーカー)ヒート側の拳に赤、ジョーカー側の拳に紫の炎を発生させ、ジャンプと共にその熱を推進力として上昇、空中で正中から分割して両サイドから敵に連続パンチを浴びせる。ジョーカーストレンジ(ルナジョーカー)Wが正中から分割され、さらにルナサイドが分身した後同時に腕を伸ばし標的に連続攻撃を当て、最後にジョーカーサイドによる直接攻撃(チョップのようにも見える)を叩き込む(劇場版2作目『運命のガイアメモリ』で使用)。メタルブランディング(ヒートメタル)シャフトの先端に高熱をまとわせ、噴射された熱による推進力を乗せて敵にシャフトを叩き込む。ハードタービュラーに搭乗した状態で敵に急降下しながら使用することも多い。また遠方の敵に向けて高熱火炎を放つというパターンもある。メタルツイスター(サイクロンメタル)シャフトの先端から緑色の旋風を発生させ、Wを中心として緑色の竜巻を発生させるように回転しながら、標的をシャフトで連打する。メタルイリュージョン(ルナメタル)鞭状となったシャフトを円を描くように振り回すことで、黄色い円盤状のエネルギーを複数生成し、自在に弾き飛ばして標的を攻撃。止めに全ての光輪を全方位からぶつける。トリガーフルバースト(ルナトリガー)マグナムから変幻自在に軌道を変える、黄色と青のエネルギー弾を無数に撃ち出す。トリガーエクスプロージョン(ヒートトリガー)マグナムから超高温の熱光線(もしくは火炎放射)を放つ。ツインマキシマムの場合はWの全身が超高温になり、その熱エネルギーを圧縮した強力な火炎弾をマグナムから射出する。トリガーエアロバスター(サイクロントリガー)マグナムから緑色の小型竜巻を何発か連続発射し、相手を吹き飛ばす(劇場版2作目『運命のガイアメモリ』で使用)[15]。トリガースタッグバースト(ルナトリガー+スタッグフォン)銃身から左右2方向に分断されて発射された光線が、クワガタムシの顎のように弧を描きながら、相手を挟み込むように命中する。トリガーバットシューティング(サイクロントリガー+バットショット)バットショットが変形したスコープで照準を絞り、高威力の風の弾丸で、敵の急所の正確な位置を一点集中で撃ち抜く。メタルスタッグブレイカー(サイクロンメタル+スタッグフォン)メタルシャフトの先端からクワガタムシの顎のような風のエネルギーを発生させ、小さな対象でさえピンポイントで挟み込み破砕する。ファングとジョーカーのメモリで変身したWの特殊強化形態。他のフォームとは異なりフィリップの肉体がWとなり、ジョーカーサイドも含めて全身に鋭角な意匠が追加される。憑依している翔太郎が話す際は左の複眼が点滅する。総合的な身体能力はWの総てのフォームの中で最も高く、野獣の様な猛々しい闘争心全開の戦い方をする。バックル上部にはみ出したファングメモリの余剰パーツが恐竜(ケラトサウルス)の頭部のように見え、鼻先の角タクティカルホーンを弾く回数[16]によって異なる箇所に刃を武装し、1回で「Arm Fang」の音声とともに右上腕に出現するアームセイバー、2回で「Shoulder Fang」の音声とともに肩に出現、着脱してブーメランとしてや手持ちで使用するショルダーセイバーを武器に戦う。
マキシマムドライブは、ホーンを3回弾くことでファングサイドの脚にマキシマムセイバーを出現させ、跳び回し蹴りの要領で敵を切り裂く「ファングストライザー[17]」。命中すると、恐竜の頭部のようなオーラとともに、メモリに描かれている「F」の文字が浮かぶ。また一度だけこの技をアクセルのアクセルグランツァーと同時に発動する「ライダーツインマキシマム」を使用した[18]。
過去のビギンズナイトにおいて変身したが、ファングメモリに封じられた「野獣の力」で暴走したことがフィリップのトラウマとなっていた。本編登場時も変身を拒んでいたが、仲間を救おうとする彼の決心により再度変身。一時は暴走してしまうものの、翔太郎が精神世界のフィリップを救い出したことで制御可能となった。なお、過去作の強化フォームのような二段変身ではなく、先のようにフィリップが直接変身した姿である。そのため相手の性質やこちらの状況[19]でハーフチェンジかこちらかを排他選択して変身するため、戦闘中に窮地に陥った際に必ずしもこのフォームに変身するわけではない[20]。またダブルドライバーのオリジナルは翔太郎が所持しているため、彼が遠距離にいる時に変身する場合、スタッグフォンなどで連絡を取る必要がある。強化フォームの一種であるが、直接的なハーフチェンジの上位フォームであるCJXと比べ、特殊な場面に使用される変則的なフォームとして差別化と活用がなされているのが特徴である。
ファングメモリ(F / 白[21])フィリップの護衛用として作られた、「牙の記憶」を宿す特殊ガイアメモリ。プラチナの端子のためソウルメモリに該当されるが、非常に特異な性質のためにジョーカー以外のメモリと組み合わせることができない。自立稼働する恐竜型ロボット形態のライブモードと、メモリ形態のメモリモードの2つの姿を持つ特殊なメモリ。普段フィリップの身に何も起こらない時はライブモードのまま姿をくらましているが、彼が生命の危機に瀕した際、それを察知し姿を現す。このため、無理な減量によりフィリップの体力が限界に達したことを察知して彼の前に現れた。制御可能になって以降は自在に呼び出せるようてなづけている。「如何なる手段を用いてもフィリップを護衛する」よう設計され、フィリップに危害を与える者を「野獣の力」によって徹底的に殲滅するプログラムが組み込まれており、これがファングジョーカーのバーサーカー化という危険性の要因となっている。ライブモード時は、素早い動きとアゴの怪力を活かしてフィリップらを護衛するなど、単体でも戦闘能力を持つ。なお、メモリとして使用するにはフィリップが手動で変形させる必要がある。サイクロンジョーカーに、意識のないフィリップの肉体を取り込んだエクストリームメモリが合体することで、2人の精神とともに肉体も一体化したWの最強形態。それぞれが言葉を発する時は、フィリップなら右目、翔太郎なら左目が点滅し、変身を解除すると、翔太郎に密着してフィリップが実体化する。公式サイトや雑誌などではCJXと略され、本項でも引用する。触角や手足のリングはX字型、ショルダーはW型に変化し、カラーリングはサイクロンジョーカーの緑・黒に加えて、身体の中央にセントラルパーテーションが変化した、クリスタル状の超越的身体・クリスタルサーバー[28]が現れ、大きく3色に分かれる。サイクロンジョーカーからの二段変身でなければ変身できないフォームだが、ユートピア戦での「最後の変身」のみ、サイクロンジョーカーへの変身中にエクストリームメモリが介入する形で一気にこの姿に変身している。
クリスタルサーバーは地球という巨大なデータベースと直結しており、CJX自身や敵のドーパントのデータを含めた、その場の戦闘に必要な情報をリアルタイムで検索・ダウンロードする役割を果たす。これによりCJXとなったWは、入手した情報からその都度置かれた状況に合わせて最も有効な戦術・戦略を導き出す事で、常に相手の動きを察知した上で一手先を行く戦法をとることができる。また相手のガイアメモリの能力を無効化[29]することも可能。しかしながら、歴代の最終・最強フォームの様にこのフォームだけで全てのフォームを越える能力を持つわけではなく、攻撃その物が当たらない相手などにはハーフチェンジ等を用いて戦闘を行う必要がある[30]。
この形態のマキシマムドライブは合わせて5種類ある。エクストリームメモリによるマキシマムドライブは、緑と黒の2色の竜巻をエクスタイフーンから発生させ、エクストリームメモリのエネルギーを両足に宿して放つ「ダブルエクストリーム」。プリズムメモリのマキシマムドライブは、プリズムソードのマキシマムスターターを押すことで、敵のメモリの能力を断つ斬撃「プリズムブレイク」[31]。プリズムビッカーにWが所持するガイアメモリ4本(ソウルメモリ3本と、ボディメモリの内のいずれか1本)を装填し、4本同時にマキシマムドライブを発動して放つ「ビッカーファイナリュージョン[32]」と、プリズムソードをビッカーシールドに納め、4本分のガイアメモリのマキシマムドライブエネルギーを、プリズムメモリの力でプリズムソードに集束して敵を両断する「ビッカーチャージブレイク」を発動する。ユートピアとの最終決戦では、ベルトのスロットにプリズムメモリを挿入しエクストリームのマキシマムドライブと併用、連続蹴りを放つ「ダブルプリズムエクストリーム」を発動した。
シュラウドが「究極のW」と形容する、テラー・ドーパントとの決戦に向けて当初想定していたWの最強形態。テラー・ドーパントを倒すための最大の難関、精神干渉波への耐性が強い特異体質を持つ、照井竜とフィリップを変身者に見据えた姿。シュラウドにとってアクセルはこのフォームへと変身させるための実験台でしか無かった。劇中ではイメージとしてしか登場していないため、詳細は不明。外見はCJXに酷似しているが、ジョーカーサイド部分が赤を基調とする、複眼部がアクセルと同様青く発光しているなどの差異がある。「憎しみのW」とも称されるこの形態を照井は拒み、“仮面ライダーW”は翔太郎とフィリップであるべきだと説き、自身はあくまで“仮面ライダーアクセル”として戦い続ける道を選んだ。
翔太郎とフィリップがビギンズナイトでの逃走時に組織から奪取したもの[41]。
リボルギャリーW専用の高速移送装甲車。普段はボディを展開した状態で鳴海探偵事務所の地下ガレージに格納してあり、必要時にはスタッグフォンによる遠隔操作で出撃する他、アクセル(竜)が乗り込んで登場する事もある。超大型の車両ながら、オートパイロットによる軽快な走行が可能。車体後部はハードボイルダーの換装ユニットを格納するリボルバーハンガーを備えハードボイルダーの母艦兼発射台として機能する。敵の攻撃でも傷付かない強固で巨体なボディによる体当たりを得意とし、劇中では敵の攻撃を妨害する形式で出現する場面が多い。その反面火砲類の装備は皆無。ハードボイルダーW専用のバイク。定地最高速度は580km/h。名付け親は翔太郎[42]で、翔太郎は変身時だけでなく日常でもこのマシンを愛用する。ごくまれにだが、フィリップも乗る場合もある。黒色の車体前部と、緑色の車体後部(ボイルダーユニット)で構成されており、必要時には後述のブースターが装着される。車体後部は状況によって換装され、陸海空あらゆる局面に対応する。武装はフロントカウルに装備された多目的ガンポッド「ユニバーサルランチャー」。ベース車両はホンダ・CBR1000RR。W搭乗時のガイアメモリのパワーを宿すことが可能で、それによる様々な戦術が展開できる。それはどのユニットに換装しても同様に発揮出来る。また後方部位はアクセルが装備することも可能。ハードボイルダー スタートダッシュモードボイルダーユニット後部に緑色のダッシュブーストユニットを装備した加速形態(通常時はコネクタ部分は閉じている)。6基のブーストエンジンで爆発的に加速する。多少スピードを落とせばドリフト走行も可能で、走行中に真後ろを向いて追跡する敵に攻撃できる。使いきったブースターを走行しながら切り離し、追跡して来た敵への足止め(6本のブースターそれぞれが爆発物として作用する)に使うこともある。ハードタービュラー車体後部を赤色のタービュラーユニットに換装した空戦形態。自在に空を飛ぶことが可能。この形態では主翼に備えたビーム砲「エナジーバルカン」、主翼前縁に備えた振動刃「スクランブルカッター」が追加される。ハードスプラッシャー車体後部を黄色のスプラッシャーユニットに換装した海戦形態。水上・水中を自在に移動でき、魚雷での攻撃も可能。「ビギンズナイト」ではフィリップが翔太郎を追うために使用した。リボルギャリーを除いたこれらのマシンは、玩具商品および関連商品では「マシンハード(ユニット名)」と表記されている。
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